カトレアの育て方は、高貴なイメージがある花だけに難しそうに感じますよね。けれども手入れ自体は、決して難しいものではありません。
洋ランの女王とも呼ばれるカトレアの花、豪華さと華やかさを兼ね備えた花は、蘭ファンだけでなく、多くの人を魅了する美しさを持っています。そんな花ですから、せっかくいただいたら、少しでも長く美しい花を咲かせられたら、素敵です。
基本的なカトレアの特性と、いくつかのコツさえ押さえておけば、ラン初心者の方でもキレイに花を咲かせることができます。
一度カトレアの育て方のコツを掴んでしまえば、40種類以上あると言われるカトレアの中から好きな品種の栽培にチャレンジすることだって可能です。多年草であるカトレアは、しっかり面倒を見れば何年も咲き続けて、長いお付き合いできる花なので、育て甲斐もあります。
そんな可憐な洋ランの女王とまで呼ばれるカトレアの花ですから、自分で手塩にかけて育てたカトレアが花を咲かせた時には、何者にも代えがたい喜びになるはずです。
そこで今回は、カトレア栽培初心者の方でもキレイに花を咲かせることができる、カトレアの育て方をお伝えします。
カトレアの育て方☆
初心者でもきれいな花を咲かせるコツ
きれいな花を咲かせるには、丈夫な株選びが大切
カトレアの育て方は状態の良い株選びからタートします。茎が太くしっかりしていること・株の根元がグラグラしていないこと・葉が肉厚で艶があること・花が良く開いていること・これらは最初にチェックしておきたいポイント、新芽が出ていれば尚良しです。
初心者さんがカトレア栽培に挑戦しようと思ったら、この株選びは焦らずにじっくりと吟味したいところです。
【 カトレアの育て方☆株選びが大切な理由とは 】
★ カトレアは環境変化が苦手な花、フラワーショップの店頭から購入者の元へ移動することも、カトレアにとってはストレスになってしまうんです。
・ 大きく環境が変わることで、つぼみが開かないこともあるカトレアですが、丈夫なカトレアの株を選べば、環境変化で弱ってしまうというリスクを減らせます。
実際に株選びに困ることを想定して、ランを多く置いてある専門店に足を運んだり、スタッフさんにアドバイスをもらいながら選べば、楽しくカトレアの育て方の知識を得られるのでおすすめです。
気温・季節と相談して置き場所を考える
カトレアの育て方で初心者の方が悩みがちなことと言えば温度ではないでしょうか。ランと言えば温度管理が大変そう、冬越しできるか心配、そんなことが頭をよぎって栽培を始めることを躊躇してしまいがちです。
そんなカトレアですが、一度感覚を掴めば初心者さんでもバッチリ管理できちゃいます。
【 カトレアの育て方☆温度管理 】
① まず春と秋、この時期は夜間の温度低下に気を付けながら、日中は室内の日当たりの良い窓辺のカーテン越しに置いて、日に当てるようにします。
② 夏は葉焼けしないよう直射日光を避け、夜は湿度に気を付けて株が蒸れないように風の通る場所に置いて病害虫を防ぎます。
③ 冬は気温が10度以下にならない場所で管理をしますが、温度はやはり温度計で確認するのが1番手軽なので、カトレアのためにひとつ温湿度計を購入してもいいかも知れません。
そして冬はヒーターの温風に当たらない場所を選ぶというのも重要です。
どの季節でも置き場所は変えすぎないようにして、カトレアが安定した環境で成長できるようにしてあげることも、花を咲かせるためには大事なコツとなります。また、鉢の根まで風通しを良くするために、吊るすタイプの鉢で育ててみるのも良い方法です。
水やりはコンポスト(植え込み材)によってタイミングが違う
一般的にカトレアのコンポスト(植え込み材)は培養土などの土ではなく、水苔やバーク・洋ラン用の植え込み材を使います。水やりはこのコンポストの乾き具合を見て、タイミングを図りますが、素材によっても乾き方が違うので良く観察することが大切です。
そして水やりは花が咲いている間と休眠期では、与えるタイミングが異なりますので、ここもカトレアの育て方の中では、押さえておきたいポイントです。
【 カトレアの育て方☆水やりのタイミング 】
① 開花期はコンポストが乾いたと感じてから1~2日ほど日数を置いて水を与えるようにします。
… 鉢底から水か流れるまでたっぷりと与えて、鉢内に新鮮な酸素を送り込んであげるのが株を元気に保つコツです。
② 冬の休眠期には、晴れた日の午前中に水やりを済ませます。タイミングは開花期の水やりタイミングにプラス数日足したぐらいの間隔でOKです。
… 与える量は200~300cc程度が目安、代わりに霧吹きで葉にたっぷりと水をかけてあげるようにしてください。
開花期・休眠期共にコンポストと葉の状態を見ながら水やり・霧吹きを切り替えて行えば根腐れ防止にもなります。水やりの後は受け皿に残った水をそのままにしておかないようにすることも必要です。
カトレアを守るために、害虫チェックは欠かせない作業
カトレアの育て方で忘れてはいけないのが病害虫への対策です。カトレアを育てる上で気を付けたいのがカイガラムシ・アブラムシ・アザミウマ・ナメクジ・ハダニなど。どれも殺虫剤での早めの駆除が望ましく、カトレアの様子に応じて何度か駆虫を行うことも必要です。
【 カトレアの育て方☆害虫チェック 】
① 葉やバルブ(茎のふくらみ部分)が黄色くなってきたらカイガラムシがいる可能性がありますし、花びらの縁が茶色くなったらアザミウマを疑ってみてください。
・ これらは専用の殺虫剤を使って退治しますが、初心者の方はフラワーショップで専門の知識を持ったスタッフさんに聞いて、購入するのがおすすめです。
② そしてアブラムシやナメクジは、大切なつぼみを食べてしまうという憎い存在でもあります。
・ 見つけたら徹底的に駆除しないと、せっかく花を咲かせようとふくらんだつぼみをダメにされてしまう可能性があるんです。
特にナメクジは夜間に出没するので、夏季に戸外にカトレア置いてある場合は夜に鉢を置きっぱなしにしないことが予防策になります。
また、病害虫のついた葉や花・しおれた花をカットする時は不衛生なハサミを使わないことが鉄則、病気を媒介してカトレアを枯らしてしまわないように、ハサミを使う前はライターなどであぶってから、花や茎をカットすることがカトレアを守るコツです。
いかがでしたでしょうか、カトレアの育て方は温度管理と水やりのコツを掴むことがポイントですが、これは実際に栽培しながらカトレアと仲良くなっていくことで身についてきます。
一度自分でお世話したカトレアが、キレイに咲いた姿を見た時の喜びは格別、また自分にとっても大きな自信になるはずです。
今回はカトレアの育て方の中でも、取り組みやすいものをお伝えしましたが、慣れてくればもっといろいろなことに興味が湧いてきて、その頃には自然に日々のカトレアの様子、葉の色やバルブの変化がはっきりわかるようになります。
葉の色が黄色くなったり病害虫がついたりした時に、早く気付けるようになれば、カトレア初心者マークは卒業間近です。
株ごとに違う表情を見せるカトレアの花、キレイに花を咲かせるには毎日のチェックに勝るものはありません。初めてのカトレア栽培に成功したら、次は四季それぞれに咲く品種を育てて、一年中カトレアと暮らしてみたくなること、間違えありません!
まとめ
初めてでもカトレアの花を咲かせるには
・丈夫な株を買うことが開花への近道
・肌寒くなったら、温度低下に注意する
・開花期の水やりはたっぷりあげる
・休眠期は水は控え目にして霧吹きを多くする
・葉・茎・花の色の変化に早く気付く
・毎日のチェックで早めに病害虫の被害を防ぐ