「クリスマスローズ」と聞くと、クリスマスの時期にバラのように美しい花を咲かせるイメージがあります。でも、実はクリスマスの時期に咲く花ではありません。もともとは2月以降の本当に冬の寒さが厳しくなるころに旬を迎える花なのです。
クリスマスローズの花は可憐で、淡い上品な色の花です。どれくらいかわいい花言葉がつけられているかと思いますが、実は、可憐な花姿とは似ても似つかない花言葉が付いています。
花の少ない冬の時期に友人のことを想って送る花にふさわしい花言葉を探していきたいと思います。
クリスマスローズの花言葉を
使って友人を励ます7つの方法
「スキャンダル」
いきなり、花の雰囲気と相反する花言葉ですが、これはヨーロッパでは中世の時代に悪魔払いのため、クリスマスローズが使われていたことがきっかけです。
あまり知られていませんが、クリスマスローズには毒があります。
クリスマスローズの毒は、心臓に影響を与える「ヘレポリン」という毒成分や、めまいや吐き気、嘔吐、皮膚の炎症などを引き起こすと言われています。そう言われると少し怖いですね。
でも、クリスマスローズの葉っぱや茎を大量に食べない限り、問題はありません。でも、友人に送る花言葉としては少しふさわしくないかもしれません。
「中傷」
クリスマスローズに毒があることはお伝えしましたが、その毒は、古くは、呪いの材料としても使われました。
根の部分には、精神安定の薬効があり、催吐剤として使われていたようです。中世の時代では、クリスマスローズの毒を使って、魔術をかけていたのかもしれませんね。
そういう魔術をかける人たちの軒下に咲いている植物なので、クリスマスローズに対して、あまり良い印象はなかったようです。
クリスマスローズが庭に咲いているだけで、魔女として中傷を受けることもあったのかもしれません。
「中毒」
クリスマスローズを雨の日に手入れを行なうと、切り口から「毒」が入り、病気になる場合もあります。
だから、クリスマスローズの手入れは、晴れた日に行うように、と栽培方法にも注意書きがあります。
また、人によっては、葉っぱで手を切ることで炎症を起こしてしまうこともあるようです。
大人は炎症で済むかもしれませんが、小さい子供やペットが、誤って口に入れると危険です。
小さな子供から手の届かないように置き場所も気を付ける必要があります。
「追憶」
ちょっと恐ろしい花言葉がある一方、クリスマスローズには「冬の貴婦人」という別名があります。
クリスマスローズの種類の中に、「ニゲル」と呼ばるものがあります。
この「ニゲル」が、ヨーロッパでは本来のクリスマスローズでもあるのですが、「ニゲル」の開花時期は12月末頃、ちょうどクリスマスシーズンに開花するってわけです。
クリスマスを飾るクリスマスローズにふさわしいこんな素敵な言い伝え。昔、貧しい1人の少女がいました。少女はキリストの誕生を祝う事ができず、申し訳なく思い涙を流しました。その落ちた涙の場所から、クリスマスローズ「ニゲル」の白い花が咲き乱れたというのです。
少女はその花を摘んで、聖母マリアとキリストに捧げたと伝えられています。人々は、少女の献身的な想いを忘れないようにクリスマスローズに「追憶」という花言葉を付けました。
「慰め」
クリスマスローズは、毒草ですが、同時に、薬草としても効果があります。
毒草としては、催吐剤として利用されましたが、この精神安定を促す効果を、精神病の薬として利用します。この薬草は、主にうつ病の治療として使われていました。
うつ病患者の深い悲しみや不安をクリスマスローズを煎じて服用することで和らげます。また、病を患っている本人よりも、見守っている家族の方がずっとつらいこともあります。
クリスマスローズは、薬草としての効果から「慰め」という花言葉になりました。
「不安を取り除いて下さい」
クリスマスローズの古い言い伝えは他にもあります。
イエス・キリストが誕生したとき、人々はお祝いとして次々と贈り物を捧げました。しかし、貧しい羊飼いの少女は何も捧げることができません。
そこで、お花を捧げようと思いつきましたが12月の野原は雪でおおわれて、花さえ見つけることができませんでした。その時、困り果てた少女の目の前に天使が舞い降りてきたのです。
そして、目の前の雪の野原を、真っ白なクリスマスローズに変えてくれました。少女は腕一杯のその花を摘み、白いクリスマスローズを小さな生まれたてのキリストに捧げました。
眠っていたはずのキリストはつぶらな瞳を開いて、にっこり微笑んだそうです。少女の不安はすっかり取り除かれたようですね。
「私の心をなぐさめて」
クリスマスローズの花がいつまでも枯れないことを不思議に思ったことはありませんか。
実は、クリスマスローズの花びらのように見えるところは「がく片」と呼ばれ、花びらではないのです。クリスマスローズの花弁は退化して「蜜線(みつせん)」となっています。
開花の時期が過ぎると、蜜線は散っていきますが、がく片は色があせるものの落ちません。そのためクリスマスローズは、花が終わっても、花が散らないのです。
そして、クリスマスローズはうつむいて下を向いて咲くものが多いことをご存知ですか。これは雪から花を守るためといわれています。開花するときに、積もった雪を持ち上げて開花するので「雪起こし」とも呼ばれるようです。
花が終わっても花が散らないことや、冬の寒さに負けず強く咲かせるところから、合格祈願のプレゼントにも人気がある花なのです。落ち込んでいる友人を励ますのにぴったりの花言葉が見つかりましたね。
いかがでしたでしょうか。
大切な友人が落ち込んでいたときに、相手の気持ちがわかりすぎる分、不用意な言葉はかえって傷つけてしまうこともあります。そんな時に、「慰め」の花言葉を添えて、そっとクリスマスローズを贈ってみましょう。
落ち込んでいるときに、上を向いて元気に咲いている花を見てもまぶしいだけです。自分と一緒に下向きに咲いている花を見ることで、一緒に頑張ろうという気になってくれるかもしれません。
それからもう一つ。クリスマスローズには同じ色の花は一つもありません一つ一つ全部、色が微妙に異なります。だから、あなたの選んだクリスマスローズの花の色は、友人のために選んだ世界でたったひとつの花なんですよ。
気持ちが弱っている時にこそ、励ましてくれる存在って大きいものです。友人の気持ちに沿った花言葉を添えて、静かに元気付けてあげてください。
まとめ
クリスマスローズの花言葉を使って友人を励ます7つの方法
・「スキャンダル」
・「中傷」
・「中毒」
・「追憶」
・「慰め」
・「不安を取り除いて下さい」
・「私の心をなぐさめて」