ダリアの花言葉に込められた伝説☆真逆の意味を持つ由来

ダリアの花言葉は、良い意味合いを持つ「威厳」「感謝」「栄華」「華麗」などがある一方で、どちらかと言えば悪い意味合いとなる「移り気」「不安定」「裏切り」などの花言葉も持ち合わせる両面性があります。これはダリアが中世のフランス革命時期に人気があった花であることも、理由のひとつでしょう。

ちなみに花の名前の由来は、スウェーデンの植物学者であるアンデシュ・ダールを記念して命名したものです。

日本へは江戸時代にオランダ人が普及させたと言われ、その花の姿がボタンに似ていることから天竺牡丹と命名されたと言われています。天竺とはインドのことで、当初インドからきた花だと思われていたようです。

では冒頭で述べたようにダリアに「感謝」と「裏切り」という真逆の意味を持つ花言葉がついているのは、何故でしょうか。そこで今回は、両面性を持つダリアの花言葉、その由来となった伝説や、そこに込められた人々の想いをご紹介します。

 

ダリアの花言葉に込められた伝説☆
真逆の意味を持つ由来

 

かの有名な皇帝「ナポレオン・ボナパルト」の妻の伝説

ダリアの花言葉「感謝」はその頃フランス革命後で情勢が不安定だったのにも関わらず、ダリアの花が上流階級で流行したことからの由来だと言われています。また、「不安定」という花言葉は情勢が不安定だったことから由来されているようです。

さてそんな上流階級でダリアを愛する人がたくさんいる中、誰よりもこよなくダリアの花を愛した女性がいました。それが、かの有名な皇帝「ナポレオン・ボナパルト」の妻であるジョセフィーヌです。その頃はまだ珍しい花だったダリアをキレイに咲かせたことを自慢するために、パーティーを開いて貴婦人達に見せびらかしていたとか。

そんなジョセフィーヌの自慢のダリアを「譲って欲しいわ」とお願いされても、誰にも譲らなかったようで独り占めをしているジョセフィーヌを気に入らない貴婦人が、知り合いの貴族に頼んでジョセフィーヌの庭師をお金で丸め込み、球根を盗ませたのだとか。

球根を手に入れた貴婦人は、自分の庭でもキレイなダリアの花を咲かせたことを耳にしたジョセフィーヌが、庭師を解雇し貴族を追放したという伝説が残っています。このことから「裏切り」という花言葉が生まれたようです。

また「移り気」という花言葉の由来は、ダリアがどこでもキレイに咲く姿が見られるようになり、自慢できるような価値がなくなったとたん、ジョセフィーヌはダリアに興味を示さなくなったことからきています。

ダリアのキレイな花姿に虜になっていた訳ではなく、珍しい品種を庭に咲かせている自分自身に陶酔していただけなんですね。

 

後に出来たダリアの花言葉

ダリアはメキシコが原産国の花で、国花にもなっています。ダリアが咲き誇る姿から「華麗」や「優雅」「気品」といった花言葉が出来たようですが、これは「不安定」「移り気」「裏切り」といった花言葉の後に出来たと言われています。

また上流階級の間で流行した花であることから「華麗」や「優雅」といった花言葉がついたという由来もあるのです。その頃の暮らしとはどのようなものだったのでしょうか。想いをはせるだけでドキドキしますね。

 

ウェディングブーケに使われるダリア

ウェディングブーケの始まりは、中世ヨーロッパと言われています。野に咲く花を摘みながら愛する彼女のもとを訪れた男性は、花束になった野の花を彼女に渡してプロポーズをしたという伝説があります。そして、愛する彼からもらった花束の中から1輪だけ花を抜いて、カレの胸ポケットに挿してOKの返事をしたことから、ブートニアが生まれたそうです。

ダリアには、「豊かな愛情」という花言葉があります。ウェディングブーケには「プロポーズしました」という証ですという意味があり、ブートニアには「これから妻になります」という意味があるのだとか。ダリアの花で作られた花束には、たくさんの愛情が込められていることでしょう。

 

ジョセフィーヌとダリアの伝説にはもう一説あった

さきほどご紹介した伝説の別バージョンがあります。ダリアをこよなく愛した皇帝「ナポレオン・ボナパルト」の妻ジョセフィーヌは上流階級の貴婦人相手に、パーティーを開いては見事に咲き誇るダリアを自慢していたそうです。

ところが自慢はするくせに、誰にも球根をあげようとしないジョセフィーヌの意地悪さに腹を立てた侍女たちが、こぞって球根を盗み自分達の庭で見事に咲かせるようになった。侍女でもキレイな花を咲かせられることに、ジョセフィーヌのダリアに対する執着が薄れたとされ「移り気」という花言葉が生まれたそうです。

 

いかがでしょうか。ダリアの花言葉に秘められた中世ヨーロッパの伝説をご紹介しました。不安定な時代に生きる、中世ヨーロッパの上流階級の貴婦人達の姿も垣間見られたのではないでしょうか?

ダリアを誰よりも愛していた女性として有名な、皇帝「ナポレオン・ボナパルト」の妻ジョセフィーヌですが、一番ダリアを愛していたのは、ジョセフィーヌのダリアを世話していた庭師かもしれませんね。

ジョセフィーヌにとってダリアは、自分を良く見せるためのアイテムでしかなかったように思えます。

また、一説による侍女たちの仕打ちは決して褒められたものではありませんが、もしその結果ヨーロッパ中にダリアが浸透したのだとしたら、彼女たちの行為も決して責められたものではないのかもしれません。真逆の意味を持ったダリアの花言葉ですが、ダリアに込められた伝説を知ればまた奥深いものを感じることがあることでしょう。

 

まとめ

反対の意味を持つダリアに秘められた、中世ヨーロッパの伝説とは

・ナポレオンの妻ジョセフィーヌが、ダリアを愛した理由
・メキシコの国花、ダリアの花言葉は「華麗」
・「豊かな愛情」白いダリアが人気のブーケとブートニアの由来
・ジョセフィーヌと侍女の言い伝えが由縁の花言葉「移り気」


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