ハスの花は、清らかさや聖性の象徴として称えられることの多い花。泥中の蓮でご存知の方も多いですよね。「ハスは泥より出でて泥に染まらず」と言う馴染み深い言葉もあります。
ハスの花は汚い泥でも、清らかな花を咲かせることから、決して自分を見失わない悟りを求める人の例えに用いられるように、清らかで穢れの無い強さの象徴でもあるのです。
そんな、人の心を惹きつけてやまないハスの花ですが、ハスの花のひととなりや、ハスの花のちょっと奥の深いところまでを知る機会は、なかなかありませんよね。
そこで今回は、不思議な魅力を放つハスの花の神秘を感じる花言葉と豆知識をお伝えします。ぜひ、参考にしてください。あなたの知らなかったハスの花の側面を見つけることができるかもしれません。
ハスの花の花言葉☆
不思議な魅力を放つ、7つの豆知識
ハスの花の花言葉、清らかな心
冒頭でもお伝えした、ハスの花の『泥中の蓮』という言葉に由来する花言葉です。ハスの花は、真水のように澄んで綺麗な水の中では小さくしか育たない不思議な性質をもっています。
一方、汚れたという表現が適切かはわかりませんが、不思議なことに泥水が濃ければ濃いほど、ハスの花にとって大輪の花を咲かせる最高の環境。
【 ハスの花の花言葉:清らかな心 】
★ その泥が俗世間の苦難や苦境に例えられています。
・ 悲しいこと苦しいこと、辛いことの中にあって、自らを見失わず成長した人に悟りは開けるという姿が、ハスの花の成長に投影されたメッセージなのです。
ハスの花の花言葉、神聖
ハスの花は、仏教をはじめいくつかの宗教では神聖なもの。清らかさや聖性の象徴です。現代では健康美を求めて女性を中心にヨガが人気ですが、このヨガの伝統の中にもハスの花が神聖さの象徴として扱われています。
【 ハスの花は神聖 】
・ さらに仏教国チベットでは、死後は極楽浄土で生まれ変わるとされ、その際には同じハスの花の上にその身を託す、という思想があるのです。この言葉が語源となった四字熟語が「一蓮托生」。
ちなみにこの「神聖」と言う言葉は、お釈迦様の第一声「天上天下優雅独尊」から誕生したとされています。
ハスの花の花言葉、雄弁
雄弁とは「意味や解説で説得力をもって力強く話すこと。また、その様。」を表す言葉ですが、この花言葉の由来は、エジプトのオシリス王に関係して生まれたハスの花の花言葉。
ハスの花はツタンカーメン王の墓にも装飾として使われ、エジプトでも神聖な花として扱われていた歴史を垣間見ることができます。
【 ハスの花とオリシス王 】
★ エジプトではハスの花は、オシリス王に捧げられた花として広く知られています。
・ オシリス王はとても雄弁な王様だったので、ハスの花の花言葉に「雄弁」が加えられました。
ハスの花の花言葉、沈着
「沈着」と言うと「冷静沈着」の四文字熟語で親しまれる言葉。この花言葉の由来は、物事に動じない君子を表しているのです。
【 ハスの花の花言葉:沈着 】
★ ハスの花の特性である、泥の中で成長しながら泥に染まらないという部分から、古代中国では、ハスは俗人に染まらない君子の花とされたため、「沈着」のハスの花の花言葉が生まれたのです。
ハスの花の花言葉、離れ行く愛
「離れ行く愛」というと何だか悲しい話でも聞いたような気持になりますが、このハスの花の花言葉の由来は、ハスの花が散るときの姿に投影されて作られたもの。
【 ハスの花の花言葉、離れ行く愛 】
★ ハスの花は3日の間、昼は花を開き夜には花を閉じるを繰り返します。そして、4日目なると一枚一枚はらり、はらりと花びらが落ちて散ってゆくのです。
・ 情景を思い浮かべるだけで、何だか切ない気分にさせられます。
ハスの花の花言葉、休養
【 ハスの花の「休養」の理由 】
★ 休養というと、良く休んで体を休めている、というイメージを持ちますが、ハスの花の花言葉として加えられた理由は、ハスの花の開閉が規則正しいからだとか…。
確かに休養するにしても、規則正しく生活をしてこそと考えると頷けるハスの花の花言葉なのではないでしょうか。
ハスの花の花言葉、救ってください
「救ってください」と言われると、私を苦しみから救ってと言う意味にとらえがちですが、これは、仏の考え方から生まれたハスの花の花言葉。仏の世界では苦しみがあるからこそ、人間は悟ることができるのだと伝えているのです。
【 ハスの花の花言葉、救ってください 】
★ 苦しみ、痛み、それらを知り、受け止めることで慈悲や慈愛が生れ、そのことにより、人間性豊かに将来を明るく照らし出すという教えに由来するのが、このハスの花の花言葉。単純なようで奥の深い話です。
いかがでしたでしょうか、ハスの花の花言葉と豆知識をお伝えしました。表面的な言葉とは違う、側面からの意味合いなど、面白味と深みのあるハスの花の花言葉…。考えさせられるところも多かったのではないでしょうか。
泥の中に生まれて泥に染まらず、美しい花を咲かせる…。そんなハスの花になぞらえた人の心根は、反対の生き姿を持つハスの花だからこそ、憧れ惹きつけられ、魅了されるのかもしれません。
また花言葉に限らず、宗教的な意味合いとは関係のない、植物としての豆知識なども多いのがハスの花!例えば「ハス」と「睡蓮」の見分け方など、似ているけれど違う花どうしなので混同しがちですが、見分ける方法も豆知識のひとつ。
皆さんも少し時間の開いた日に、ハスの花のさまざまなストーリーに想いを馳せて、楽しい時間が過ごしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ハスの花言葉の由来とは
・泥と言う俗世間にまみれない「清らかな心」
・極楽浄土で身を託す花「神聖」
・オリシス王の魅力になぞらえた「雄弁」
・泥の中で泥に染まらない「沈着」さ
・ハスの花の散りゆく姿から「離れ行く愛」
・時間を守って花開く様子から「休養」
・仏教の教えに由来した「救ってください」