88歳のお祝いである米寿。還暦(61歳)・古希(70歳)・喜寿(77歳)・傘寿(80歳)に続く長寿のお祝いも5回目ともなると、米寿の贈り物にはどんなお花を贈れば良いかと悩むものですよね。
江戸時代には米寿を祝う習慣があったと言われています。米寿は、「米」と言う字を分けてみると末広がりの八を2つも持つ八と十と八になるため、数え年の88歳でのお祝いです。米は食料であるだけでなく神に捧げるものでもあったので、その字を当てている点でも米寿は特別な意味合いがある年齢なのです。
現代でも、男女共に平均寿命を超えているのが米寿ですから、それまでのお祝いとは一線を画したものになることも多いかもしれません。米寿の贈り物もグレードを上げたいものです。そこで今回は米寿の贈り物にピッタリなお花を選ぶ5つのコツについてお伝えします。
米寿の贈り物にピッタリな
お花を選ぶ5つのコツ
米寿の色である黄色や華やかさのある花を選ぶ
長寿の節目の年齢を賀寿(がじゅ)と言い、それぞれに決まった色と言うものがあります。還暦は赤色なので、赤いちゃんちゃんこでお馴染みのようにお花でも赤い色を選ぶのがふさわしいのですが、米寿の色は濃黄色(山吹色から黄金色)です。
豊かに実った稲穂が太陽の光を浴びて黄金色に輝いているイメージの色ですね。米寿の贈り物の花はこのテーマカラーを中心に、朱赤、濃紫など日本の伝統色で縁起の良い色や、オレンジ、赤紫などの明るくはっきりした色を取り入れるのがおすすめです。
お花の種類としては、花びらが何重にも重なった花、バラやラナンキュラス、ダリア、芍薬などをメインにすると華やかで、「豊かに年を重ねた」と言う米寿のイメージにも似つかわしいもので太陽を思わせるヒマワリもぴったりです。八重咲のものや様々な大きさの品種が増えていますので、花の種類の少ない真夏でも選択の幅が広がります。
不祝儀のイメージの強い花は品種と組み合わせ次第
不祝儀での利用が多い白菊やテッポウユリなどお祝い事には向かない花や色合いと言うものがありますが、それらは組み合わせのパターンが決まっているので同じキクやユリでも選び方次第で米寿の贈り物に使えるようになります。
菊ならば、最近は「マム(菊の学名クリサンセマムを略した呼び名)」といって枝分かれした先に小輪の花をたくさんつけるスプレーマム、まん丸なピンポンマムなど、華やかで仏花のイメージをくつがえすような品種も多く人気です。
ユリは好む人も多い花なので、花粉を取り除いてもらい、黄色やオレンジ、ピンクなどで大輪ならば大丈夫です。トルコキキョウも便利な花ですが、白を基調に紫と言うのもお供えに良く使われるパターンなので、八重咲やピンクなどを選ぶと明るく華やかな雰囲気になります。
相手が好きな花や珍しい花で特別感を
米寿を迎える方が日頃から好きな花、思い出の場所に咲いていた花、誕生花など「自分のテーマの花」のようなものがわかっている場合は、米寿の贈り物にそれらを入れるのももちろんとても良いことです。
最近は「和ばら」といって色合いや花びらの重なり方が明治や大正の鮮やかな色合いの着物を思わせる、和のイメージの品種のバラや、世界で初めて青い色素をバラにうつした青紫色のブルーローズ「アプローズ(喝采)」など、凝ったバラが多くあります。必ず棘を取ってもらい、そのような珍しいバラを贈るのも、米寿の贈り物として一味違ったお祝いであると言う特別感が出せます。
「ゴールデンエイジ」と言う品種もある胡蝶蘭
胡蝶蘭といえばお祝いのシーンでは有名なお花ですよね。鉢物ですが長く花が持ちますし、とても高級感と優雅さを持つお花です。花言葉は「幸福が飛んでくる」「あなたを尊敬します」と長寿を祝うのにぴったりです。白やピンクの定番の胡蝶蘭の他にも、淡い黄色の花びらと赤いリップ(中心部)の色合いが独特の「ゴールデンエイジ」は、米寿の贈り物のためにあるような胡蝶蘭です。
長く命をとどめるお花プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーは、生花のような瑞々しさがありながら生花のように短期間でしおれたり枯れたりすることがない、非常に便利なお花です。生花のうちに特殊な方法で色素を抜き、染料を吸わせているため、しっとりした花びらの風合いを損ねずに美しい色を1年以上にわたって保ちます。
生花と造花の良い点を兼ね備えたプリザーブドフラワーは米寿の贈り物としては比較的新しく、男性にも女性にも、どうやって作られたのか興味を持たれることで話題も広がります。
見た目は生花のようでありながら水を全く必要としない便利さから、ケーキ仕立てにしたり壁掛けにしたりと自由なアレンジができるのがプリザーブドフラワーの最大のメリットです。差し上げる時には、くれぐれも水をあげないように注意を添えてあげることも忘れないでくださいね。
いかがでしたでしょうか。米寿のお祝いは、ご本人の長寿はもちろんのこと、一族の繁栄と言う意味でも特別なものです。数え年で88歳、実際には87歳でお祝いをすることになります。
ただし最近は数え年と言う考え方が少なくなってきたため満年齢でお祝いするケースも多く、誕生日以外で敬老の日にお祝いをすることもありますので、米寿の贈り物を渡すのには前もって先方に事情を伺っておいたほうが良いですね。
パーティや食事会などお祝いの席で直接お渡しするには花束が最適ですが、豪華にしたいからといって、花束を大きく作りすぎたり枝が飛び出していて持つのに苦労するようなことのないようにしたいものです。
ご自宅にお送りするなら花瓶の必要のないアレンジメントか、プリザーブドフラワーやラン鉢など長く楽しめるものがおすすめです。届ける場合は誕生日より前であってもマナー違反ではありません。
ご高齢の方にとっては、直接顔を見せてお祝いの言葉をかけてもらえるのが何よりなので、直接お花を渡せない場合カードはできるだけ手書きのものを添え、お詫びとお祝いの言葉を目からも伝えるようにしましょう。
まとめ
米寿の贈り物にふさわしいお花の選び方
・米寿の色である濃黄色や八重咲の花で明るく華やかに
・不祝儀のイメージの花や組み合わせを避ける
・好きな花や思い出の花、珍しい花で特別感を
・花言葉「幸福が飛んでくる」胡蝶蘭は花持ちの良さも抜群
・長く花の美しさを楽しめるプリザーブドフラワー