白やピンク、黄色などの小さな可愛い花をたくさん付けるミニバラの育て方。覚えて家で綺麗に咲かせて小さなローズガーデンを造ってみたいですよね。鉢やプランターで育つミニバラなら、手頃なお値段でお気に入りの花の形や色から数種類を育てる楽しみがあります。
ミニバラは鉢やプランターで育てる事ができます。鉢やプランターなら天候や季節に合わせて、ミニバラにとって環境の良い場所へ簡単に移す事ができるので、特に初心者にはおすすめです。失敗のないミニバラの育て方のポイントは、ミニバラをよく観察する事。
バラの健康状態は、新芽や葉の色を見ると分かります。水をあげるタイミングで、病気や害虫がないか、芽や茎の状態はしっかりして健康そうかどうかを日々気にかける事が大切です。
まずは、育てやすいミニバラから好きな品種を選んで、そのミニバラが好む環境やお手入れの方法を基本にします。そこで今回はミニバラの育て方で失敗しない5つのポイントとはをお伝えします。
育てやすいミニバラを選ぼう
バラにはたくさんの品種があり、系譜ごとに大きなグループに分類する事ができます。中でもシュラブローズ(その流れをくむ一部のハイブリッド・ティー、フロリバンダなど)は、オールドローズなど野性的で強健なバラの遺伝子を入れた交配種で、耐病性も強い品種です。
花の色も豊富なシュラブローズはアンティークな雰囲気の花形も魅力的で、鉢でコンパクトに育てやすくおすすめです。とりわけ、純白の花が美しい「アイスバーグ」は初心者にもおすすめの優秀な品種です。
耐病性の高いミニバラは育て方も簡単で、肥料や薬剤も、置き肥を月に1度、日々は予防と治療の効果があるハンドスプレータイプの薬剤を定期的に与える程度です。一年を通して楽しめて、小さなスペースで鉢やプランターで育てられるように、四季咲きの樹形がコンパクトなものを選びます。
系統で大まかな特徴は似ていますが品種によって好む事苦手な事は変わってきます。それぞれの品種に合った管理方法(肥料、水やり、薬剤散布)で、自分の選んだミニバラの育て方を組み立てます。
ミニバラが好む環境(日当たり・置き場所・土)を知ろう
鉢植えのミニバラの育て方のポイントは、できるだけ日当たりの良い場所に置いて午前中の光に当てる事です。複数の鉢を並べる場合には、隣同士の枝葉が重なったり陰になったりしないように気をつけて、日なたでしっかり光合成させます。
朝日が当たりやすい場所に移動したり、午後の西日を避けて移動させたり、簡単にミニバラが好む環境で手入れがしやすいので、ミニバラは鉢やプランターで育てるのがおすすめです。
本来、樹勢が弱く病気になりやすいバラは雨の当たらない軒下や透明な屋根の下で育てるなど気遣いが必要ですが、育てやすく耐病性の高いシュラブローズなら、冷たい雨が続く時などにだけ、軒下に移動する程度で心配がありません。
ミニバラは、通気性が良く、ほど良く堆肥や腐葉土などの有機物が入っていて、pH6.5前後の弱酸性の重めの土を好みます。オリジナルの培養土を作るのに不安があれば、市販のpHや元肥を調整されているバラ専用培養土を使うことが、初心者でも安心なミニバラの育て方のポイントです。
3つの剪定で花の高さと開花時期を調整しよう
ミニバラの育て方の大切なポイントに剪定があります。花の高さと開花時期を調整するために3つの剪定を行います。花が咲いた後に枝の半分くらいまで切り落として花後剪定をして、次の花や新芽が育ちやすくします。夏には秋に備えて夏剪定をすることで、花が美しく見える高さに調整しておきます。
花の咲かない休眠期には、高さを調整して春の開花を揃える冬剪定で、枝を短くして新しい枝が出やすくします。夏と冬の剪定には2つのポイントがあります。1つ目は、切る枝の太さ。花を咲かせたり、花芽が出たりする枝かどうかは、花の大きさと枝の太さに関係があります。
ミニバラは中輪から小輪の花がほとんどなので、それぞれの花の大きさに合わせて切る枝の太さを選びます。中輪(花の大きさが5〜9cm)は枝の直径が6mmくらいの太さの場所まで切り詰め、小輪(花の大きさが3〜5cm)は枝の直径が3〜4cmで浅めに切ります。2つ目のポイントは切る位置。
芽の(葉の付け根)の1cmくらい上を真っすぐ綺麗に切ります。真っすぐでないと切り口の表面積が広くなり、乾燥して良い芽が育たない事もあります。株の内側・外側のどちらの芽を残すかイメージしながら切れば、樹形を整える剪定にもなります。
栄養を作り出して花を咲かせる「葉」を大切にしよう
ミニバラの育て方で特に注意する点は、病気や害虫の発生です。葉や芽の部分に発生するものが多く、葉が変色したり落ちたりする事で十分に光合成ができなくなって、株全体が弱って生育障害になります。つぼみのまま花が咲かないものが増えたり、開花期間が短くなったり、花の色も悪くなったり。
ミニバラはあっという間に葉を失いやすいので、日々芽や葉に注意して、病気や虫で葉を落とさない管理をする事が大切です。薬剤は、同じものを使い続けると効果が出にくくなるため、成分の違う数種類の薬剤をローテーションしながら散布すると効果的です。
水やりや肥料の与え方のポイントを押さえよう
水やりと肥料の与え方もミニバラの育て方の大切なポイントです。水やりは、必ず土の表面が乾いてから十分に水を与える事が基本です。鉢は鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと、春は午前中、夏はできるだけ気温が低い朝と夕方の1日2回、冬は2〜3日に1回暖かい日中に与えるようにします。
土が乾く前に水をやり続けてしまうと根腐れの原因になったり、水が足りないと下葉が黄ばんで枯れてしまうので、毎日土と葉をよく観察する事が大切です。また、水やりの際には、水が葉や花にかからないように、葉を持ち上げて根元に水やりをします。
葉や花の上から水をかけると、うどんこ病にかかりやすくなるので注意が必要です。肥料は、3月〜11月の生育期には1ヶ月に1回、定期的に固形肥料などを置き肥で育てます。肥料は化学肥料と有機質肥料がありますが丈夫な株に育てるなら有機肥料がおすすめです。
即効性のある化学肥料に比べて効果はゆっくりですが、葉が厚く丈夫になり、病気で葉を落としてもすぐに新芽を出せる回復力の強い株に育ちます。枝も硬く強くなれば、雨風にも強いミニバラになります。有機肥料と化学肥料の使い分けや、肥料の管理は品種ごとに違ってくるので、それぞれにあった使い方をするのが上手なミニバラの育て方のコツです。
さてミニバラを育るのは、品種選び、病気や害虫、水やりの方法、剪定など、繊細な花の印象があって気遣いやお手入れが大変そうなイメージですが、基本をきちんと守れれば、毎日の水やりのタイミングや、月に一度の定期的なお手入れだけで、毎年たくさんの花を咲かせる事ができます。
病気や害虫に強い品種を選ぶ事、ミニバラが好む育て方をする事、日々健康チェックをしてあげる事が、失敗しないミニバラの育て方のポイントです。季節ごとにどんどん成長したり、花を咲かせたりする、小さなミニバラ。
そんなミニバラを見つめながら過ごす毎日、土と植物と共にある生活はとても楽しいもの。自然と触れ合って季節や自然の時間の流れを感じる生活は、きっと元気と安らぎを与えてくれます。
まとめ
ミニバラの育て方で失敗しないポイント
・耐病性が高く、丈夫で、コンパクト。育てやすいミニバラを選ぼう
・ミニバラが好む環境(日当たり・置き場所・土)を知ろう
・花後剪定、夏剪定、冬剪定。3つの剪定で花の高さと開花時期を調整しよう
・病気や害虫に注意して、栄養を作り出して花を咲かせる「葉」を大切にしよう
・水やりや肥料の与え方のポイントを押さえよう