アネモネの花言葉を色別に使い分けて贈る5つの意味


有名なアネモネの花言葉は、「儚い恋」「恋の苦しみ」といった少し切ないものなので、誰かに贈る時にはちょっと考えてしまいますよね。例えば結婚のお祝いなどにアネモネを贈るのに花言葉が「儚い恋」だと、せっかくのお祝いに水を差す形になってしまいそう。

でも、アネモネはウエディングブーケにも使われている人気の花でもあるのです。深い青紫色の花芯が特徴的な、豪華さと可愛らしさを兼ね備えたアネモネは、アクセントにも主役にもなりブーケにナチュラルな雰囲気を添えてくれます。

アネモネの原種はギリシャのクレタ島などエーゲ海沿岸の地に群生していて、そのためギリシャ神話やローマ神話などにはアネモネにまつわる話が見られます。草原の緑の中の真っ赤なアネモネは、当時の人々の想像力をかきたてたのでしょう。

神話の中のアネモネが悲しい物語を持っていることで、アネモネの花言葉にも悲劇的なものが目立ちますが、色別に見ると「愛情」や「信頼」「期待」など明るく前向きな意味を持つ花言葉も多くあります。そこで今回はアネモネの花言葉を色別に使い分けて贈る意味についてお伝えします。

アドニスの流した血を思わせる情熱的な赤いアネモネ

赤いアネモネの花言葉は「君を愛す」。ギリシャ神話の美の女神アフロディーテが愛した人間の青年アドニスが、イノシシの牙によって死に至らしめられた時にその血の中から真っ赤なアネモネが姿を現したという話は、よく知られているアネモネの由来です。

アフロディーテはアドニスの死を心から悲しみ、その存在を毎年思い出してもらえるようにと願いをこめて、神だけが飲むことのできる神酒ネクターをアドニスの流した血に惜しげもなく注ぎました。

そこからアネモネの花が生まれたのです。このようにアネモネの赤い色はまさしく情熱の色ですから、愛の告白に赤いバラの花束だとちょっとありきたりかなという時などにはぴったり。

赤いアネモネの花言葉「君を愛す」を添えて、愛する人へ思いを伝えてみて下さい。また、結婚式のお色直しで赤系のドレスを選ぶ時などにも、赤いアネモネのブーケは花言葉通りに「あなたを愛します」という二人の誓いを確かにしてくれるはず。

 

門出にふさわしい白いアネモネの花言葉「真実」「希望」

純白のウエディングドレスに身を包んだ花嫁の持つブーケに、白いアネモネはよく映えます。白いアネモネの花言葉は「真実」「希望」。白いアネモネはただ真っ白なだけではなく、花の真ん中の細い糸のような葯や盛り上がっためしべの深い青紫色が繊細で、そのコントラストがいっそう白い色を引き立てます。

「真実」の愛を見つけ、「希望」を持って新しい旅立ちを迎える二人には白いアネモネがよく似合います。また、早春から春に咲くアネモネは、進学や就職、一人暮らしを始めるなど転機を迎えたり新しい環境に身を置く人に向けても、希望を持って前に進んで欲しいという願いをこめて贈る花としてピッタリ。

 

「あなたを信じて待つ」紫のアネモネの健気な花言葉

紫のアネモネは、赤と並んで鮮やかで深みのある色が印象的。春に咲く紫色の花の中では大きくとても目立ちますが、色鮮やかな花弁は花弁ではなくて萼片(がくへん)という萼が変化したもので、実はアネモネは花弁を持っていない花。

紫のアネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ」で、そのため、遠距離恋愛の恋人同士などに贈るのに向いていますが、恋愛以外の場面でも、「期待」や「辛抱」を感じさせます。

西洋ではアネモネ自体に、優しい春の風を辛抱して待望するという意味もあるので、やりたいことに向かってあえて困難な道を行こうとする我が子に祈りを込めて、「あなたを信じて待つ」という母の気持ちも伝えられますよ。

 

組み合わせて贈りたいピンクのアネモネの花言葉は「待望」

アネモネのピンク色は、パステルのような淡い色というよりはどちらかと言えば赤から紫に近い強い色。ピンクのアネモネについては、むしろ赤紫ととらえることが多いかもしれません。そのためか、ピンクのアネモネの花言葉も「待望」という、紫のアネモネに似た花言葉がついています。

ピンクのアネモネであれば青系の紫や白、赤のアネモネと組み合わせることで、早春に希望を持って大地から顔をのぞかせる強い花であることを思い出してもらえるような、希望に満ちた花束を作ることが出来ますよ。

 

忘れたい恋にあえて「儚い恋」の花言葉を贈る

若い時の恋愛や、恋人ができなくて焦っていた時に出会った人に優しい言葉をかけられて恋に落ちてしまった時などには、周りの冷静な忠告に耳を貸すことはなかなかできないもの。傷つくことがわかっていても止められないこともあります。

そんな恋が終わった時の、心に穴が開いたような気持ちは簡単には元にもどりません。でも、落ち込んでいる時にあえて悲しい歌詞やメロディーの曲を聴くことで癒されるという話があるように、中途半端な励ましの言葉を聞くよりも一時的に深く気持ちが下がったほうが回復に役立つ事も。

お互いに信頼しあっている関係でないと難しいことですが、忘れてしまえるような一時的な恋だったのだと、敬遠されやすいアネモネの花言葉の代表である「儚い恋」をメッセージにして傷ついた親友にアネモネを贈るのもありかもしれませんよ。

 

さて、アネモネは光と温度に敏感な花で、朝になると開き、夜になると閉じるのを繰り返し、花の終わりの頃は開きっぱなしになります。蕾、開きかけ、花の終わり頃とそれぞれに表情が変わり見る人を飽きさせません。

ギリシャ語では「風」の意味を持ち花の女神フローラの侍女だったアネモネを、彼女を愛していた西風の神ゼフュルスがフローラの怒りを買わないように花の姿に変えたという伝説も持っています。またイギリスでは一般的に「ウインドフラワー(風の花)」と呼ばれているように、風に揺れるアネモネは印象的。

聖書にある「野の花」の一つがアネモネを指しているという話も有名ですから、ネガティブなアネモネの花言葉ばかりをあまり気にせずに、厳しい冬が終わり優しい春の訪れを告げてくれるアネモネの花を花言葉を添えて贈ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

アネモネの花言葉を色別に贈るシーンとその意味とは

・赤いアネモネ「君を愛す」はストレートな愛の告白
・白いアネモネは門出にふさわしい「真実」「希望」
・紫のアネモネ「あなたを信じて待つ」は遠距離恋愛や困難な道を歩む人へ
・ピンクのアネモネ「待望」は紫のアネモネと同じく信じて待つ心
・アネモネの「儚い恋」に忘れたい恋を重ねて


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