胡蝶蘭はとても華やかなお花ですね。蝶のように見える花びらの優美さは特に女性に人気があります。
花が驚くほど長持ちするので、新築祝い・開店祝い・開業祝いに贈っても喜ばれます。また、胡蝶蘭の花言葉、「幸福の飛来」「あなたを愛します」なども、贈りものの花にピッタリのですね。
でも、胡蝶蘭は1回咲いたらそれで終わりと思っていませんか。
確かに、長く花を楽しむことができるので、1~2か月の間咲いていてくれて、それでもう十分だと思うかもしれません。
でも、実は花が終わった後、ちゃんと手入れすることで、次の年も咲いてくれるのです。せっかくいただいた胡蝶蘭を来年も楽しみたいと思いませんか。
そこで、今日は、順を追って、胡蝶蘭の育て方を案内していきたいと思います。
【胡蝶蘭の育て方】
上手に育てるための7つの条件
胡蝶蘭の特性を知りましょう
植物を育てるときは、まずその植物の特性を知るところから始まります。
胡蝶蘭は着生植物といって、樹木や岩肌に根っこを絡ませて付いて生育を行います。もともと胡蝶蘭はフィリピンやインドネシアなど、湿度と気温が高い熱帯雨林が原産地の植物で寒さは苦手。
温室で育てると年中花を咲かせますが、普通のお部屋なら4月から6月が開花の時期です。
また、胡蝶蘭は他の木に絡ませた根の部分から水分を吸収しているので、そんなに水分を必要としません。
そして他の木の陰で生育するため、強い光は苦手です。そういった特性を知ると育てやすくなるでしょう。
水やりのタイミングは重要です
胡蝶蘭が枯れる原因で最も多いのが「根腐れ」と言われています。
「根腐れ」の原因はご存知のとおり「水のあげすぎ」ですね。もともと胡蝶蘭の根は空気中に露出しているので、乾燥していて当たり前なのです。なのに、常に湿っている状態が続くと、結果的に「根腐れ」になってしまいます。
水やりのポイントは、カラカラに乾くまで放置することです。
水不足のように見えますが、実は、乾燥気味の方が安心です。特に梅雨の時期や秋から冬に掛けては植え込み材が乾きにくくなるので、2週間以上も水やりをしなくて良いことがあることを覚えておくと便利です。
胡蝶蘭の置き場所を確認します
胡蝶蘭は、木漏れ日程度の弱い光で光合成を行っているので、「直射日光」は避けてください。
カーテン越しでも、季節によっては葉の表面が焼ける「葉やけ」の原因になります。かといって、玄関や廊下に置いておくと、今度は冬に花や株を凍らせてしまう原因となります。
年中を通して気温の安定した場所がおすすめなのですが、冷暖房の乾燥した風も嫌うためこちらも注意が必要です。
おすすめの場所としては、人が集まるリビングがいいでしょう。人間が快適に過ごせる湿度・温度は、胡蝶蘭にも快適です。エアコンが直接当たらないように管理してくださいね。
胡蝶蘭の病気を知りましょう
病気になってしまうとどんな花でも枯れます。だから、胡蝶蘭がかかりやすい病気を知って、事前に防ぐことで、長く胡蝶蘭を楽しむことができます。
まず、一番多いのは、水の上げすぎが原因の「根腐れ」、強すぎる日光が原因で発生する「葉やけ」です。
「根腐れ」してしまった場合は、どれだけ腐っていない根が残っているかによりますが、完全に乾燥させない状態で、温かい場所に置いておくと、数か月で新しい葉が出てくることがあるよう。
でも、腐っていない部分が残っていない場合は、残念ながら再生は難しいでしょう。
「葉やけ」している場合は葉やけした部分を切り落とすことで、回復することが多いです。そのままにしておくと「軟腐病」など他の病気に移行することがあるので気を付けましょう。
胡蝶蘭の病気は他にもあります
傷口などから入り混んだウイルスが原因で、葉や茎などが半透明の状態になり、異臭を放つ「軟腐病(なんぷびょう)」。
この病気は感染するので、感染した部分は早めに切り落としてください。そして、他の植物と隔離する方がいいでしょう。
それから、「凍害(とうがい)」です。胡蝶蘭は寒さが苦手なので、長時間低温の環境に置いていたり、短時間でも凍結したりすると、元気がなくてくたっと萎れてしまうことがあります。
この場合、温かい場所で様子を見るしか対処がなく、ほとんどの場合は、修復が難しいようです。
胡蝶蘭の花が散った後が肝心です
胡蝶蘭は一番根元に近い部分から順番に上に向かって咲いていきます。
最初に咲いた花は先端の花が咲くまで咲き続け、すべての花が咲いたときが一番の見ごろになります。
その時期が終わり、根元の花から徐々に萎れて行くときが、胡蝶蘭の手入れの肝です。
ポイントは、「いつ切るか」。花を切る時期については、専門家でもそれぞれ考えが分かれていますが、花を咲かせていることは株にとっては負担になるため、植え替えの体力を温存するためにも、半分くらいしおれたくらいのところで切ることをお勧めします。
植え替えに挑戦しましょう
最後に植え替えに挑戦します。植え替えの頻度は、2年に1回程度にしましょう。
あまり頻繁にすると根の部分を痛めてしまうことがあります。胡蝶蘭の負担を考えると、植え替え時期は4月ごろが最適とされていますが、6月ごろまでなら問題ないでしょう。
植え替えは、胡蝶蘭を長く育てていくために必要です。
植え替えをすることで、根や葉の健康を保ち、翌年花を咲かせることができます。そのため、2年経っていなくても、植え込み材が古くなっているとか、かびが生えている場合は、植え替えして新しい環境に移してあげることを検討してもいいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
胡蝶蘭は、もともと花が長く持つため、手入れをすることで、何年も花を咲かせることができることを知らない人は多いようです。資料によると50年も寿命があるとか。さすが熱帯の花ですね。
胡蝶蘭を上手に育てている人は、胡蝶蘭の特徴をよく知っていて、テレビなどの余熱を持った家電の横や、暖かく適度に湿度のあるキッチンカウンターに置いて管理しているそうです。
今度、胡蝶蘭をいただいたら、ぜひ次の年も花を咲かせて、贈ってくれた方に報告をしてみましょう。きっと驚きますよ。
まとめ
【胡蝶蘭の育て方】上手に育てるための7つの条件
・胡蝶蘭の特性を知りましょう
・水やりのタイミングは重要です
・胡蝶蘭の置き場所を確認します
・胡蝶蘭の病気を知りましょう
・胡蝶蘭の病気は他にもあります
・胡蝶蘭の花が散った後が肝心です
・植え替えに挑戦しましょう