米寿のお祝いにお花を贈る時、見た目はもちろんのこと、相手にとって負担にならないものかどうかの判断は花に詳しくないと難しいですよね。切り花にするか鉢植えにするか、鉢植えなら管理の難易度や病気や虫の心配など、花を贈りたいと思っても花に詳しくない人はプレゼントの花選びに頭を悩ませてしまいます。
告白には薔薇、母の日にはカーネーションという風に場面や記念日に合わせた定番の花はたくさんあります。しかし米寿には定番の花はありません。定番の花がないということは花を贈っただけではその花を選んだ意図や伝えたい気持ちが相手に伝わりにくいということです。
プレゼントは気持ちが伝わって初めて喜ばれるものですから、花を贈る時に口頭や手紙などで簡単にその花の花言葉や選んだ理由などを添えるとお祝い用いられるにイメージのない花でも相手を祝う気持ちが伝わります。
相手にとって人生で一度しかない米寿という特別な記念日のプレゼントは、なんとなくという理由で選ぶのではなくこだわりを持って、相手に喜んでもらえる花を選びたいものです。そこで今回は米寿のお祝いにぴったりな花5選についてお伝えします。
米寿のお祝いに
ぴったりな花5選
米寿のお祝いに伝えたい気持ちはバラに詰め込んで
愛の花の代表であるバラは色や色の濃淡、花の状態、大きさなどでつけられている花言葉が細かく違っていて、赤いバラだけでも片手では足りないほど花言葉が豊富にある花です。
バラの贈り方を調べるとネガティブな花言葉や贈り方の注意点などが事細かに書かれてありますが、米寿のお祝いにはあまり細かいことは気にせずに喜びや感謝の気持ちをたくさんこめて贈ります。
米寿のお祝いに添えることができるバラの花言葉には赤なら「愛情」、ピンクは「感銘」や「幸福」や「感謝」、黄色には「平和」や「励まし」、オレンジには「健やか」、白には「心からの尊敬」、青いバラには「奇跡」や「不可能を成し遂げる」「神の祝福」などの言葉があります。
米寿のお祝いの色である黄色いバラを88本花束にして贈るのも趣があって良いですが、たくさんの色を集めた花束も圧巻の美しさがあるので間違いなく感動してもらえます。
バラは品種はミニバラから大きな花を咲かせる大輪種まで咲き方も様々で、小さなアレンジメントに花束、鉢植えと贈る形も豊富です。プレゼント選びを楽しみながら喜んでもらえるバラ探しをして下さい。
鉢植えでバラを贈る場合、バラは虫がつきやすいとか病気にかかりやすいイメージを持っている人も多いかもしれませんが、現在は病気や虫、暑さや寒さに強いとても丈夫で管理が簡単なバラが豊富にあります。
米寿という特別な「敬老の日」には向日葵を
夏を代表する花である向日葵は、見る人を元気にしてくれるパワーを持つ黄色の花です。「還暦には赤いちゃんちゃんこ」というように、米寿には「金」や「金茶色」「黄色」のものを贈ると良いとされていますから、「パッと思いつく黄色の花は何か」と聞かれて誰もが簡単に連想できる向日葵は米寿のお祝いに合った色の花です。
他にも向日葵の明るいイメージと太陽に向かってしゃんと立って咲く性質から、老いに負けずに明るい気持ちで過ごしてほしいという気持ちを伝えやすいことや、向日葵の花言葉が「あこがれ」や「光輝」「あなたは素晴らしい」なので、長生きしてきた相手を尊敬する気持ちを伝えられることも向日葵をおすすめする理由です。
大きく開いた花を笑顔の象徴とすることも多いので、今後も元気に笑って過ごして欲しいこともぜひ伝えて下さい。あまり特別感のない向日葵を米寿のお祝いに向日葵をおすすめするとっておきの理由は、向日葵の花言葉に「敬老の日」という言葉があるということです。
敬老の日の趣旨は法律で決められていて「多年に渡り社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」とされています。祝日である敬老の日は9月の第3月曜日ですが、「多年に渡り社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」という意味合いを持つ日を敬老の日とするのであれば、米寿のお祝いをする日は立派な敬老の日です。
米寿のお祝いをする日にぴったりの花言葉をもつ花は他にありません。向日葵は時期になると切り花やアレンジされた鉢植えのものが豊富に出回ります。気に入ったものに向日葵の種を添えてプレゼントすると来年も向日葵の花を楽しんでもらえます。
切り花の向日葵の中には種を付けない品種もあるので花束で贈る向日葵はその夏限りになりますが、添えた種で翌年育ててもらったものは切り花用の無花粉の品種でない限り種を付けてくれますから、何年も繰り返し楽しんでもらえる記念の花になります。
思い出と感謝を届ける金柑を贈ろう
金という文字のつく花はいくつかありますが、その中で米寿のお祝いには金柑がおすすめです。金柑は「橙」にかけて「代々家が栄える」と縁起の良いいわれもあり、食用に育てる目的だけでなくシンボルツリーとしても評判の良い米寿のお祝いに選んでいただける植物です。
贈り方は鉢植えに限定されるものの、ギフト用に実付きの鉢植えをラッピングしたものを選ぶと見た目の良いものを贈ることができます。清潔感のある柑橘特有の良い香りを運んでくれる星のような形の小さな白い花の後に、コロコロとした小さなミカンのような実をつけるのが可愛らしい植物です。
金柑には「思い出」と「感謝」が花言葉としてつけられています。民間療法ですが、喉が痛い時には金柑の甘露煮を食べると良いと言います。昔はお祝い事の時にしか砂糖を口にすることができなかったため、お祝いの時はもちろんのこと、風邪のときに食べた金柑の甘露煮をご馳走だったと覚えているおじいちゃん、おばあちゃんには金柑は懐かしい「思い出」を感じることができる植物となります。
医学が進んだ現在でも、金柑が健康に良いことは変わらず、風邪予防や心筋梗塞などの予防にもなると言われています。甘露煮の他、果実酒や焼酎の中にひとつ転がしたり、マーマレードジャムにしたりと多くの使い方があるので「思い出」や「感謝」と一緒に健康も贈ってみてはいかがでしょうか。
金柑には食用の実をつける品種と観賞用のものがあるため選ぶ時には種類に気をつける必要があります。観賞用の金柑の実は食べられるのですが、苦味があったり甘味が足りなかったりと味の面で食用にはあまり向きません。
庭やベランダといった園芸スペースが確保できないようであれば観賞用の小さなものを選ぶ方が良いですが、十分にスペースを確保できるのであれば1〜2mほどの大きさに育ち、普通の金柑より少し大きい食用の美味しい実をつける「長寿金柑」または「福寿金柑」と呼ばれている種類が米寿のお祝いにぴったりの品種名なのでおすすめです。
りんどうに更なる長生きを願って
りんどうは秋に花を咲かせる敬老の日に贈られる定番の花であり、米寿のお祝いにもおすすめです。りんどうの花言葉の「正義」や「勝利」は漢方にも使われるりんどうが病気に勝つことに由来するので、健康と長寿を願う気持ちを込めて贈ることができます。
りんどうを贈ると決めた際にぜひ探してほしいのが「白寿」というりんどうの種類です。一般的に青い花を咲かせるりんどうですが、この品種は白い花で、中心部に向かって青い色が入っている普通のりんどうと少し毛色が違います。
品種名である白寿というのは99歳のお祝いのことですから、白寿をお祝いできるようにまだまだ長生きして欲しいと強い気持ちを込めて贈るとこれからの生きるエネルギーになるはずです。
白寿りんどうはインターネットで探せばすぐに見つかる品種なので、入手も難しいものではありません。特別なりんどうを贈れば喜んでもらえること必至です。とはいえ、白寿りんどうが手に入らないこともあるかと思います。
白寿りんどうでなくとも、長寿を願う花に変わりはありませんから、綺麗にアレンジされた鉢植えのりんどうと一緒に長生きしてほしい気持ちをしっかり伝えれば相手にとって白寿りんどうに勝る嬉しい贈りものになります。
チューリップに愛する気持ちと思いやりを込めて
春の花を代表するチューリップもバラ同様に色によって違う花言葉を持つ花です。バラが愛の花であるのに対し、チューリップは思いやりの花です。花言葉には「思いやり」「博愛」をはじめ、赤には「愛の告白」、白には「純粋」、黄色には「名声」「明るさ」、ピンクには「優しさ」「愛情」に「幸福」などがあります。
チューリップも品種が豊富な花ですから、ぜひ多くの色を集めて贈って下さい。八重咲きのチューリップには「永遠の愛情」をいった花言葉もありますから、米寿のお祝いをする相手へ「いつまでも大好きだよ」と伝えるきっかけになります。
オランダに伝わる話から、チューリップは花を王冠、葉を剣、地中の球根を財宝を意味する花で、富を表す花とされてきました。88歳にもなると新たに大きな富を得ることはなかなかないとは思いますが、チューリップのひとつのステータスとして知っておいて損はありません。
チューリップは鉢植えのものは球根を保存しておけばまた次の年に植えることができますから、繰り返し楽しむことができます。チューリップは花もちが悪いので、プリザーブドフラワーで贈るといつまでも綺麗な姿を楽しんでもらえます。
しかし花束で花を貰った時の感動は他の贈り方では得られないものです。どのような贈り方でも利点と欠点がありますから、相手の体調、性格、置き場所などを考慮して、相手が喜び、貰った後に困らない贈り方を選ぶことがお祝いの花をプレゼントする時に必要なポイントです。
いかがでしたでしょうか。米寿のお祝いに贈ることができる花はたくさんあります。今回お伝えした5つの花は親しみやすい身近な花で米寿のお祝いにも適したものを選びました。米寿のお祝いに決められた花がないことから、これらの花を贈る時には必ず自身の言葉でも気持ちを伝えることが必要です。
気持ちを伝えることでただのお祝いの花が意味のある記念の花に変わります。慣れ親しんだ人に改まって気持ちをつたえるのは少し気恥ずかしいですが相手にとっては一生に一度のプレゼントですから思い切って感謝や祝福を伝えてみて下さい。
88歳ともなると、体調や健康に気遣いが必要な場合もありますから、米寿のお祝いをする前に健康状態などを把握しておくことが大事です。例えば体調を崩しがちであれば、こまめな管理が必要な鉢花は避けることで相手に負担のないものを贈ることができます。
入院中や入院しがちであれば、症状や病院先の都合などで花の扱いが違ってきますから、必ず花をプレゼントしたいことを伝えて相手の都合をきいてから用意する方が良いと言えます。相手が喜ぶ米寿のお祝いにするためにも、相手のことを思いやった花を選んで下さい。
まとめ
米寿のお祝いにぴったりな花とは
・お祝いに伝えたいたくさんの気持ちを全部伝えてくれるバラ
・米寿を祝う日にぴったりの花言葉を持った向日葵
・縁起が良く思い出話にも浸れる金柑
・健康と更なる長寿を願うりんどう
・いつまでも相手を思いやり、幸福を願うチューリップ