牡丹の花言葉には、どのような意味合いや由来があるのでしょうか?美人の例えとしても使われる牡丹の花言葉、贈り物に添えると喜ばれます。
古来より「花の王様」とも呼ばれ、その美しさと風格で人の心を魅了してきたのが牡丹の花。絹のように薄い花びらが幾重にも重なった大きな花は、まさに百花の王にふさわしいたたずまいです。
牡丹が中国から日本に渡来してきたのは奈良時代と言われています。当時の中国は唐の時代で、玄宗皇帝や楊貴妃に代表されるような宮廷文化が栄えていました。様々な園芸植物のうちでも、格別の風格で王者として君臨していたのが牡丹の花だったのです。
日本に入ってきた当初は薬用植物とされていて、観賞用ではなかったのは驚きですね。牡丹の根皮には鎮痛・鎮静・消炎などの効果があるとされているそうです。
今回は古くから日本人にもなじみの深い、牡丹の花言葉と名前の由来をお伝えします。花はよく知っていても、意外に花の背景については知らない方もいらっしゃることでしょう。ぜひ牡丹の豆知識を知って、ギフトに添えてみてください。
牡丹の花言葉と名前の由来☆
ギフトに添える豆知識
牡丹の名前の由来を知ろう
牡丹は古くに中国から伝わってきた植物です。そのため中国語の「牡丹」の表記を音読みにして「ぼたん」と呼ばれるようになりました。
【 牡丹の感じの意味合い 】
★ 牡丹の「牡」はオスという意味があります。
雄しべや雌しべが次々に花弁に変わってゆき、種子ができていく様子からこの字が当てられたという説があります。
★ 「丹」は赤い色を表わす漢字です。
牡丹の花には赤色、桃色、紫色、白色、黄色など様々の色がありますが、代表的なのはやはり赤ですよね。この二つの字が組み合わされて牡丹になったと言われています。
「富貴の花」の牡丹の花言葉と名前の由来
牡丹には「百花王」「名取草」など様々な別名があります。「富貴の花」という名前もその一つです。
【 牡丹の別名、富貴の花 】
★ 唐の宮廷文化でもてはやされた牡丹の花は、高貴な上流階級の人々が愛でるのにふさわしい花です。詩人の李白が残した詩からも、牡丹が貴族に愛されていたことが知られています。
このことから「富貴の花」と呼ばれてきた牡丹ですが、現在でも育てる人や愛でる人の心を豊かな気持ちにしてくれる花です。時代は移り変わっても、牡丹はゴージャスで豊かなイメージの花として存在し続けています。
「風格」という牡丹の花言葉を知ろう
★ 牡丹の花言葉には、「風格」があります。
気品がありゴージャスな印象の牡丹には「風格」という花言葉がぴったりですよね。中国では「花神」や「花王」という別名で呼ばれることもある牡丹には、王者の風格が漂っています。
よく似た花として同じボタン科の芍薬があります。牡丹と芍薬の違いは、牡丹が木本性といって樹木に分類されるのに対して、芍薬は草本性で太い幹にならないという特徴があります。
★ 花も「風格」という花言葉に表われているように、牡丹の方が大ぶりで重厚です。
「富貴」という牡丹の花言葉
先ほどお伝えしたように、牡丹には「富貴の花」という別名がありました。「富貴」というのもまた、牡丹の花言葉の一つとして知られています。
【 牡丹の花言葉、「富貴」 】
★ 唐の時代の宮廷文化を彩る花であっただけでなく、北宋時代には儒学者によって「牡丹は花の富貴なるものなり」と評されています。
牡丹は大輪で見事な花を咲かせるだけでなく、様々な趣のある表情を見せてくれます。朝露に濡れた蕾や、あたりに芳香を漂わせて咲く妖艶さ、雨に打たれるけなげな姿など、その時々で上流階級の人々を魅了したことでしょう。
「高貴」という牡丹の花言葉
似たような意味の牡丹の花言葉としては「高貴」もよく知られています。華麗な牡丹の花からは高貴なイメージが伝わってきますね。まさに牡丹の花言葉にふさわしいものです。
【 牡丹の花言葉、「高貴」のイメージ 】
★ 牡丹の高貴なイメージは、品種の名前にもよく表れています。牡丹には1300年もの交配の歴史があり、園芸品種だけでも300から400品種あるとされています。
・ 濃い赤の花を咲かせる「花王」
・ 赤紫色が見事な「紫雲殿」
・ 桃色の花びらの「長寿楽」
・ 純白が美しい「白王獅子」など…。
品種名を並べただけでも高貴な雰囲気が漂ってきます。
「壮麗」という牡丹の花言葉
★ 牡丹には「壮麗」という花言葉があります。
「壮麗」という牡丹の花言葉から連想するのは、美しい女性を表現したことわざです。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉は、これでもかというほど美麗な花を並べていますよね。
よく似ている花として知られる牡丹と芍薬が出てきますが、これは花のつき方の違いを知ると納得できます。芍薬が茎の先端に花を咲かせることから立ち姿に、牡丹が葉の上に載るように花を咲かせることから座った姿に見立てているのだそうです。
「恥じらい」という牡丹の花言葉
★ 少し趣の違う牡丹の花言葉としては「恥じらい」があります。
これは西洋由来の牡丹の花言葉です。西洋では牡丹と芍薬は同じボタン科ボタン属の花であることから、「恥じらい」という同じ牡丹の花言葉が当てられています。
牡丹は西洋でも品種改良され「金閣」、「ゴールデンボール」、「ハイヌーン」といった品種を生み出しています。
「恥じらい」という牡丹の花言葉は、植え替えた後にしばらく花を咲かせないことに由来すると言われています。雨の日にじっと花びらを閉じている様子も、どことなく恥じらいを感じさせます。
牡丹の花言葉や名前の由来をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。誰でも知っている牡丹の花ですが、案外知らない知識も多かったのではないでしょうか。
牡丹の花言葉の他にも、牡丹にはたいへん多くの別名があります。歌人の与謝野晶子は「神秘の花」や「熱の花」として短歌に登場させています。与謝野晶子自身の情熱的な想いが、牡丹の花に投影されているのかもしれません。
牡丹は一説によると、弘法大師・空海によって日本にもたらされたとも言われています。当初は薬用植物として育てられていましたが、後に観賞用として日本独自の品種改良がなされ、江戸時代以降には数多くの園芸品種を生んでいます。
枕草子や蜻蛉日記などの文学作品にも登場し、古くから人々に愛されていたことがわかります。お伝えした様々な牡丹の花言葉や豆知識を、牡丹のギフトにさりげなく添えて贈ってみてください。牡丹の花言葉とともに、美しい牡丹の花がより印象深く心に刻まれることでしょう。
まとめ
その昔から高貴な人々に愛されてきた、牡丹の花言葉
・中国伝来の牡丹の名前。牡は「オス」丹は「赤」を意味する
・「富貴の花」の花言葉は、その昔から高貴な人々に愛された証
・「風格」の花言葉を持つ牡丹は、別名「花王」とも呼ばれる花
・唐時代、宮廷文化を彩る花であった牡丹の「富貴」の花言葉
・「高貴」の花言葉を持つ牡丹、品種の名前も「白王獅子」など豪華
・「立てば芍薬、座れば牡丹…」美しい牡丹の花言葉「壮麗」
・西洋では植え替え後にしばらく花が咲かない様子から「恥じらい」