【蘭の育て方】初心者が上手に育てるための7つのポイント

【蘭の育て方】初心者が上手に育てるための7つのポイント
たくさんの人々を魅了する華麗で美しい蘭の花。育ててみたいと思われる方も多いですよね。しかし、南国のイメージが強い蘭を、日本で育てるのは難しいと考えられがちです。蘭を上手に栽培するには、それぞれの蘭の自生地の環境を知ることが何より大切です。

ラン科に属する植物は、野生種だけでも約1000属2万5000種ほどもあると言われています。蘭はほかの草花とは生態や構造の異なる、単子葉植物です。単子葉植物の中で最も多様化が進み、種の数が増えたのが蘭というわけです。

園芸ショップなどで市販されている蘭の多くが、熱帯や亜熱帯を原産としています。ほとんどの蘭は寒さに強くはありません。しかし、自生地の環境によって、それぞれの蘭の越冬可能温度には差があります。初心者には比較的寒さに強い蘭の種類を選ぶことをおすすめします。

それぞれの蘭の特徴をふまえて、育てやすい蘭から始めてみましょう。そこで今回は初心者でも蘭を上手に育てることができるポイントをお伝えします。育て方の参考にしてみてくださいね。

まずは蘭の性質を知りましょう

蘭は世界中に2万5000もの種類があり、種類によって生育環境にも違いがあります。当然、それぞれの蘭に適した環境づくりが必要になってきます。

たとえば「蘭の女王」と言われるカトレアは、樹木に着生する蘭なので鉢が加湿状態になるのが苦手で、日光を好みます。

日本で一番ポピュラーな蘭であるシンビジウムは、ヒマラヤ高地が原産の蘭に、日本の蘭の仲間を掛け合わせたものです。そのため、比較的寒さに強く、水や肥料はたっぷり与える必要があります。種類ごとの生育環境をよく調べるようにしましょう。

 

温度について

ご自宅の栽培場所がどれくらいの温度になるかを把握しましょう。蘭を育てるうえでまず大切なのは、越冬可能な温度を保つことができるかです。夜間の最低温度として15℃以上必要なのは胡蝶蘭、バンダ、デンファレなどです。

10℃以上が目安なのはカトレアやオンシジウム、エピデンドラムなどです。

5度以上あれば育つのはシンビジウム、デンドロビウム、パフィオペディラムなどと言われています。

無理なく冬越しできる蘭を選ぶと、初心者でも育てやすいです。

 

日照について

それぞれの蘭によって、好む光線量にも違いがあります。先にご紹介したように、原生地の生育環境によって日照条件が変わってきます。

光線を好むオンシジウムやカトレアなどは、森林の比較的明るい樹木に着生する種です。

弱光を好む薄葉系のパフィオペディラムなどは、森林の中でも光のあまり射さない場所に地生する種です。

このように、それぞれの蘭にふさわしい日照条件があります。育てたい蘭がどのくらい光を好む性質があるかを理解しておきましょう。

 

水やりについて

水やりの仕方を失敗して、蘭を根腐れさせてしまうという方も多いことでしょう。水やりの頻度を●日に1回と決めるのではなく、鉢の状態をよく観察して、コンポストが乾いていたら水やりするようにしてください。

蘭の種類ごとに、乾燥を好むものと多めの水を好むものとがありますので注意が必要です。

蘭の原生地である熱帯や亜熱帯には雨季と乾季があります。日本の春・夏は雨季にあたるので水を多めに、秋・冬は乾季なので乾燥気味に育てるようにするとうまく育ちます。

 

肥料について

肥料の与え方にもコツがあります。蘭に与える肥料には置肥と液肥があり、併用されることが多いです。様々なメーカーからそれぞれの肥料が市販されていますので、説明書きの通りに正しく使用しましょう。肥料が多ければよいということではなく、必要な時期に適切に与えることが大切です。

ほとんどの蘭は冬になると、成長活動が停止するので肥料は与えない方がいいのです。雨季に相当する晩秋から冬にかけて肥料を与えると、根腐れの原因になることがあるので注意しましょう。

 

植え替えのポイント

蘭は成長に合わせて植え替えをする必要があります。野生の蘭は森林でのびのび成長します。それを小さい植木鉢で育てているのですから、根が詰まってきて傷んでしまうことがあります。植え替えは植物にとって大きな環境の変化となりますので、株の状態をよく観察して適切なタイミングで行うようにしましょう。

蘭は寒さに弱いので、秋に植え替えをすると株が弱ってしまいます。一部の夏の暑さに弱い種は春に植え替えると弱ることがありますが、たいていの蘭は春に新芽が動き始めた頃が植え替えのタイミングです。

 

病害虫について

蘭の病害虫対策ですが、まずは予防が第一です。病気になってしまったら薬を散布すればいいと安易に考えず、株を健康で丈夫に育てることを大事にしましょう。蘭に発生する主な病害虫は、炭そ病、軟腐病、ナメクジ、カイガラムシ、ハダニなどがあります。

殺菌剤・殺虫剤もありますが、万が一発生してしまったら、病気の株は思い切って処分するようにしてください。ハサミなどから病気がうつることがあるので、病気の株を扱ったら必ず道具を消毒するようにしてください。

 

さて、蘭の育て方のコツがおわかりいただけましたよね。温室がないと蘭は育てられないのではないか、初心者にはハードルが高いのではないかと思われている方もいらっしゃるでしょうが、種類を選びコツさえつかめれば十分育てることができます。

デンドロビウムやシンビジウムなどの種は温室でなくとも大丈夫ですし、ミディ系のカトレアなどは寒い日に段ボール箱に入れて、上に毛布をかけるようにすると花を咲かせることができます。それぞれの蘭の種ごとの特性を理解して、適切なお世話をしてあげましょう。豪華で美しい蘭の花を、ぜひ上手に育てて咲かせてみてくださいね。

まとめ

【蘭の育て方】初心者が上手に育てるために

・蘭の性質を知ろう
・温度について
・日照について
・水やりについて
・肥料について
・植え替えのポイント
・病害虫について


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