歌で有名になったハナミズキは、白やピンクのかわいらしい花をつける街路樹としてもおなじみですよね。実はハナミズキの花言葉は、日本語と英語で少し違いがあるのです。ハナミズキの花言葉は「返礼」「私の想いを受けてください」です。
ハナミズキは明治時代の終わり頃アメリカから日本に入ってきた樹木で、歴史も浅くその背景も他の花とは違って少し特殊で、もともとハナミズキが持っていた花言葉の解釈に加え、日本に入ってきた時のハナミズキの存在にちなんでつけられた花言葉があります。
アメリカと日本で使われているハナミズキの花言葉と、ハナミズキの持っているドラマを知ることで、ハナミズキが伝えるメッセージをあなたが届けたい相手にもきっと伝えることができるはず。そこで今回はハナミズキの花言葉を使って気持ちを伝える5つの方法についてお伝えします。
ハナミズキの花言葉を使って
気持ちを伝える5つの方法
感謝の気持ちを次世代にも受け継ぐ
ハナミズキの花言葉で有名なのは、桜の苗木をアメリカへ贈ったお返しとしてタフト大統領からハナミズキの苗木を贈られたエピソードにちなんでいる「返礼」ですが、この話には続きがあります。
そのハナミズキは多くが枯れたり行方不明になったりして確認が取れなくなり、残ったのは東京・世田谷区の都立園芸高校にたった1本。8mの立派なハナミズキが今も大切に管理されています。
その後2000年に当時のタフト大統領の孫でオハイオ州知事タフト氏からさらに苗木が寄贈され、2015年には「ハナミズキ百年祭」としてキャロライン・ケネディ駐日米大使の手で新種のハナミズキが園芸高校に植樹されました。3世代のハナミズキが園芸高校の敷地にあることになります。
遥か昔の交流を忘れず日本人がワシントンでタクシーに乗ると運転手がまず桜のお礼を述べてくるほど、桜はアメリカ人に愛されていますが、英語のハナミズキの花言葉「durability(永続性)」はハナミズキを通じて日米友好が続くことへの願いもこめられていることを物語っています。庭木にも鉢植えにも最適なハナミズキ、お世話になった方へ末永いおつきあいを願って苗木を贈ってみるのはいかがでしょうか。
記念樹として人気第一位に躍り出たハナミズキ
園芸雑誌で「植えたい記念樹」アンケートを行ったところ桜やウメ、キンモクセイなどを押さえてハナミズキが一位に選ばれたことがありました。歴史の浅いハナミズキが多くの人々に認知され好まれるようになったことをよく表しています。
上を向いて咲くハナミズキの花の姿は、つらいことがあっても上を向く強い気持ちを思わせてくれます。またハナミズキの花言葉「durability(永続性)」や「返礼」は、旅立つ卒業生が学校に感謝の気持ちを残すのにぴったりですよね。
一家のシンボルツリーとして
ハナミズキが日本に入ってきた時、里山に自生しているヤマボウシに似ていることからアメリカヤマボウシと呼ばれるようになりました。ただハナミズキ特有の枝の付き方は当時の造園の世界では美しくないと切り落とされる「車枝(くるまえだ)」と言い、車輪の軸のように1か所から枝を伸ばす形で、外来種のハナミズキはすぐに日本に広まったわけではありませんでした。
洋風建築の家が増え、それに合う庭木で植木職人の手を必要としないハナミズキは急激に普及しましたが、特に玄関先などで目印となるシンボルツリーとして成長がゆっくりで四季を通じて美しい姿が人気を集めています。新築のお祝いに玄関先に植え、ハナミズキの花言葉「durability(永続性)」と共に100年続きますようにと幸せを願うシンボルツリーにするのもとても素敵です。
洋風にも和風にもマッチするオールマイティなハナミズキ
ハナミズキは、秋から冬も素敵です。10月頃に赤い実をいくつもつけ、葉の色も桜の紅葉に似て微妙な色づきで趣があり、葉を落とした後も丸い玉状になる枝先がおもしろく枝ぶりも楽しめます。もし家にハナミズキがあったらぜひ、生け花に使ってみてください。
花は洋風でモダンな感じ、実付きの枝は和風で里山の雰囲気と様々な顔を持つハナミズキの魅力に驚くことでしょう。そうやって活けられたハナミズキの花言葉「私の想いを受けてください」はお客様をもてなす時も、きっと役に立てるはずです。
満開のハナミズキを味わう日常の小さな旅
両脇にハナミズキの並んだ「ハナミズキ通り」が全国に増えています。過酷な環境でも根をしっかりと張るハナミズキは、コンパクトな樹形で倒木のリスクも少ないことから新しい都市計画の中で街路樹として重宝されているのです。街路樹のハナミズキを見る時は自然と花の裏の部分を眺めることになります。
それはそれできれいなのですが、もうちょっと花の中心まで見たいと思いませんか。もっとも手軽なのが、バスに乗ること。少し高い座席から眺める満開のハナミズキはなかなか壮観です。
好きな人とこんな時期に一緒にバスでハナミズキの花を見つめながら、ハナミズキの花言葉「Am I indifferent to you?(私があなたに関心がないとでも?)」をつぶやいたら、ドキッとするでしょうね。
いかがでしたでしょうか。「米国からのハナミズキ寄贈100周年」の2015年には桜とハナミズキをデザインしたコラボレーション記念切手が日米同時に発売されました。日米同時発売だけでなく、デザインのコラボレーションは初めてで、記念切手印刷には通常より多い6色が使われているのも異例のことでマニアの間で話題を集めました。
その台紙には「Gifts of friendship(友情の贈り物)」と刻まれていて、ハナミズキの花言葉「私の想いを受けてください」や「返礼」「durability(永続性)」が詰まっています。
ハナミズキの花言葉の本質は、アメリカでも日本でもいずれも相手のことを想いやる気持ちです。永く良い関係を保ってゆきたい、そのために相手への感謝と尊敬を忘れず気持ちを伝え続けるハナミズキは雄弁にそれを語ってくれています。
まとめ
ハナミズキの花言葉を使って気持ちを伝えるには
・お世話になった方に”誠意”を込める
・卒業生の記念樹として”感謝”を込める
・幸せが子や孫にも続いていくよう”幸せ”込める
・花言葉”私の想いを受けてください”でお客様をおもてなしする
・バスに乗ってハナミズキを眺めながら相手を”ドキッ”とさせる