日陰植物を育てる際に気を付けたい5つのポイント

日陰植物を育てる際に気を付けたい5つのポイント
少し日当たりの悪いベランダや玄関まわりも、日陰や半日陰で育つ日陰植物を植えれば素敵なシェードガーデンが造れますよね。日陰植物のイメージは、草丈の低いグラウンドカバーやシダのような緑の葉と思われがちですが、実際は白・ピンク・紫などの可愛い花を咲かせるもの、カラフルな色合いの多肉植物など、意外にバラエティに富んで華やかです。

日陰になっている庭のスペースや、鉢やプランターを使って、家のあちこちにその場所にあったシェードガーデンを造ってみれば、日陰を感じさせないほど素敵な庭ができあがります

「日陰」は、日陰の濃さ、時間帯、乾燥の度合いなどによって、木陰、半日陰、濃い日陰、湿った日陰、乾いた日陰の大きく5つに分けられます。自分の家の庭や、日陰植物を植えたい場所、置きたい場所にどれくらい日が当たるかをきちんと調べて、育てる日陰植物を選びます

日陰に映える個性的なフォルムや色の葉を茂らせるもの、色や形が可憐な花を咲かせるものから選ぶと、シェードガーデンが華やかになっておすすめです。素敵なシェードガーデンを造る第一歩は、その場所の日陰の種類と育てやすい日陰植物を知ることから始まります。そこで今回は日陰植物を育てる際に気を付けたい5つのポイントをお伝えします

 

日陰植物を育てる際に

気を付けたい5つのポイント

 

薄く優しい光の当たる木陰(明るい日陰)

一般的に明るい日陰とは木や枝葉を通して全体に薄く日が差し込んで、一箇所に強い日が当たったりしない優しい光の当たる場所のこと。人も住みやすく植物も幅広く育ちやすい環境です

建物や壁に囲まれていても空がよく見える場所は、太陽が真上に来るとしっかり日が当たるので明るい日陰です。木陰では、強い直射日光が苦手な植物など意外にたくさんの日陰植物が育ちます。以下、木陰に適した日陰植物です。

アジサイ
・開花時期6〜8月
・高さ 1〜2m
・土の乾湿 水もち水はけの良い土

梅雨時に毎年花を咲かせる落葉低木。明るい日陰〜半日陰の広い日照条件で育ちますが、土は水持ち水はけの良い土にすることがポイントです。花後すぐに切り詰めて形を整えれば、株を大きくせずに育てることができます。

マンリョウ
・開花時期 7〜8月
・高さ 30〜100cm
・土の乾湿 水もち水はけの良い土

温暖な場所で育つ低木。7月〜8月に枝の先端に白い小花が咲き、秋に実をつけて目を楽しませます。実は、白や黄色、赤色と種類によって熟す色は様々です。花の時期に雨に当てないように育てる事で、実の付きが良くなります。

 

1日の半分の時間日の当たる半日陰

半日陰とは木陰より濃い日陰。1日の半分の時間日が当たっている、または日の当たる場所が50%くらいを占める場所の事。午前や午後だけ日が当たったり、日向と日陰が半々に混じるような環境です。周囲の建物や塀などが日を遮って日陰を作る事もあります。以下、半日陰に適した日陰植物です。

ツワブキ
・開花時期 10〜11月
・高さ 20〜40 cm
・土の乾湿 水もち水はけの良い土

冬でも青々とした葉が枯れない常緑植物。鮮やかな黄色の花は、花の少ない秋の時期に咲いて華やかさを添えます。病害虫も少なく土質もあまり選ばないので、とても育てやすい植物です。肥料が多いと大きくなりすぎるので、小さな空間で育てたい場合は、肥料は控えめにするのがおすすめです。

マメヅタ
・開花時期 ——
・高さ 1〜5 cm
・土の乾湿 水もち水はけの良い土

木の幹や岩上に着生するシダ植物の一種です。根茎は細く長く匍匐(ほふく)して、葉は肉厚で厚く濃い緑色で光沢がある、多肉植物のような可愛らしい植物です

 

直射日光のほとんど当たらない濃い日陰

直射日光がほとんど当たらない日陰。常緑樹の下や、ほんの少しだけ空が見えてほとんど日が当たらない、建物と建物の間の狭い場所の事。ほとんど木漏れ日もないような、かなり暗い日陰です。日陰に耐性があるものではなく、日陰を好む日陰植物を選ぶのがポイントです。以下、濃い日陰に適した日陰植物です。

リョウメンシゲ
・開花時期 ——
・高さ 60cm
・土の乾湿 水もち水はけの良い土

植物が育ちにくい日陰の景色に、花は咲かなくても華やかさを添える常緑植物です。土の表面が乾いたらたっぷりの水を与えて、枯れた部分は取り除き、土にはたっぷり腐葉土をすき込んであげるのがポイントです

オオバイノモトソウ
・開花時期 ——
・高さ 30〜60cm
・土の乾湿 水もち水はけの良い土

耐寒性の強い常緑性のシダ植物です。乾燥に弱く、葉が縮んだり、枯れたりするので、土が乾いたらたっぷりの水を与えます。枯れてしまっても葉を刈り込めば、また新しい葉が出てきます。直射日光が強く当たると、葉が日焼けを起こしてしまうので注意が必要です

 

土に水分を感じる湿った日陰

湿った日陰は、土に水分を感じる、水が集まって溜まるような場所の事。日陰の一部の場所が湿った日陰になる事もあります。湿った日陰で育ちにくい日陰植物は高植えしてあげると上手くいきます。以下、湿った日陰に適した日陰植物です。

ユキノシタ
・開花時期 5〜6月
・高さ 10〜30cm
・日照条件 明るい日陰、半日陰

湿った所や岩の上などに生える多年草の半常緑植物。湿り気がありながらも水はけの良い場所に植えるのがポイントです。初夏に花茎が長く伸びて小さな白い花を付ける可愛らしい植物です。

ギボウシ(ホスタ)
・開花時期 6〜10月
・高さ 20〜90cm
・日照条件 明るい日陰、半日陰

ギボウシは、白や黄色の斑が入っているもの、覆葉、薄緑や黄色の葉など、様々な種類がある鑑賞性の高い植物です。直射日光に当たると葉焼けを起こすので、日陰の場所に植えるのがおすすめです。葉の先から茶色くなるのは水分が足りないサインなので、水切れには注意が必要です。

 

木の根元や雨の当たらない乾いた日陰

乾いた日陰は、壁や塀際の雨の当たらない場所や、葉の多く茂った木や常緑樹の根元、また地表近くに多く根を張り巡らせている木々や潅木の根元近くなどの場所の事。土から水分を吸って奪ってしまうものが周囲にたくさんある環境です。乾燥に適した乾燥に強い日陰植物を選ぶ事が大切です。以下、乾いた日陰に適した日陰植物です。

クリスマスローズ(ヘレボルス
・開花時期 2〜4月
・高さ 15〜40cm
・日照条件 明るい日陰、半日陰

様々な花形や花色がある人気のクリスマスローズ(ヘレボルス)は、花の少ない初冬から春にかけて開花する多年草です。夏に直射日光が当たらない、風通しの良い場所を選びます。耐寒性が強いので、冬の寒さの中でも花を咲かせる、病害虫に強い育てやすい植物です

ウチョウラン
・開花時期 6〜7月
・高さ 20cm
・日照条件 明るい日陰

暑さ・寒さに強い、丈夫な常緑の球根植物です。開花期間が長く、蝶の羽に似た紫色の美しい花を付けます。6月〜9月の夏の間の水やりは、根を傷めないよう夕方から夜の時間に与え、花や葉に水がかからないように根元の土に水をかけるようにするのがポイントです。肥料をきちんと与えて上手に育てると、球根を増やして毎年育てる事ができます。

 

いかがでしたでしょうか。日照時間や土の乾湿で分けられる日陰の条件と、日陰植物の好む日照と土の条件をきちんと組み合わせれば日陰でも植物を上手に育てられます

葉の形や色が個性的なもの、花を咲かせるもの、実を付けるもの。日陰植物は種類も数もたくさんあって、意外にバラエティ豊かです。個性的な日陰植物を組み合わせれば、日陰も植物がいっぱいの素敵なシェードガーデンになります。

自然の緑に癒される効果は思っている以上に大きいもの。日当たりが悪いからとあきらめていた庭も、日陰植物を上手に使って、1年を通して緑の葉や花、実が楽しめるシェードガーデンを造れば、家にホッとする癒しの空間が広がります。自然を取り入れた緑と一緒の健やかな生活のスタートは、頑張りすぎない日陰植物から始めてみるのもおすすめです。

まとめ

日陰植物を育てる際に気を付けたいポイント

・薄く優しい光の当たる木陰(明るい日陰)では水はけの良い土にする
・1日の半分の時間日の当たる半日陰では肥料は控えめにする
・日陰を好む日陰植物を選ぶ
・湿った日陰で育ちにくい日陰植物は、高植えしてあげる
・乾燥に適した乾燥に強い日陰植物を選ぶ


連記事
タイトルとURLをコピーしました