ジャスミン種類別、栽培のポイント


ジャスミンは良い香りがすることで有名で、ハーブティーに使われることでもよく知られている植物ですよね。ジャスミンはモクセイ科ソケイ属の総称であるため、ジャスミンと一口に言っても実は複数の種類があります。

また、名前にジャスミンという言葉が付いていても実際はジャスミンではない植物もあり、特にジャスミンという名の付く植物で有名なカロライナジャスミンやマダガスカルジャスミンはジャスミンではない上に有毒植物なので間違ってハーブティーなどに使わないよう注意が必要です。

モクセイ科ソケイ属のジャスミンは茉莉花(まつりか)、ハゴロモジャスミン、黄梅、オオバナソケイ、コモンジャスミンなどが有名で、それぞれ開花時期や育て方が違います。そこで今回はジャスミン種類別、栽培のポイントについてお伝えします。

茉莉花の知識と育て方

茉莉花(まつりか)はアラビアンジャスミン、又はアラビアジャスミン、ピカケと呼ばれるジャスミンの一種で香りが強く、その白い花はジャスミンティーの香り付けの他にも化粧品や香水の香料、アロマオイルの原料としても使われます。

開花時期は7〜9月で鉢植えで育てた場合は40cm以上、地植えなら150cm以上に育つので育てる際は十分な栽培スペースが必要です。暑さには強いのですが、寒さには弱いため冬場10℃以下になる環境の場合屋内に取り込んで管理します。

 

ハゴロモジャスミンの知識と育て方

ハゴロモジャスミンはジャスミンの中でも育てている人が多い種類。ハゴロモジャスミンも茉莉花と同様白い花を咲かせ、花が咲けばよい香りを放ちます。開花時期は茉莉花と違い4〜5月ですが、夏の暑さにも強いので夏越しは簡単。

寒さは0℃まで耐えることが出来ますが、春に花を咲かせるためには5℃以上の環境で管理することが大切。そのため茉莉花同様に冬は室内管理が無難です。ただし、多少の寒さに当てなければ花芽が付かないので霜が降りる心配があるような時期になるまでは屋外に置いておきましょう。また、剪定は花が終わった後も9月に入るまでは株を整える程度に行います。樹高は2m程まで育ちますが剪定や仕立方次第ではコンパクトな株にすることも可能ですよ。

 

黄梅の知識と育て方

黄梅(おうばい)という名前だけを見ると梅の花をイメージしますが、ウインタージャスミンという別名があり、別名通り開花時期は2月〜4月と寒い時期から黄色い花を咲かせるジャスミンの仲間です。

とはいえ葉のない状態で花を咲かせ、その花にも香りがほとんどないジャスミンの中では少し変わった種類と言えます。黄梅はジャスミンの中でも冬の寒さにも強い種類ですから、冬越しが心配な環境でも比較的状態の良いままの姿で耐えることが可能です。

真夏の強い直射日光と過湿には弱いですが、梅雨以降の置き場所に注意して水はけの良い土で乾燥気味に育てれば問題ありません。黄梅の育て方で唯一難しい点は剪定方法。花芽が7月に作られるため、剪定は花後すぐ行うことをおすすめ。

また、剪定の際は新芽のある位置のすぐ上を切るようにして下さい。黄梅は芽のない部分を切ると、その部分から芽のある位置までが枯れてしまうからです。冬の寒さには強いですが乾いた冷たい風に当たると枝枯れしてしまう場合があるので風当たりの強い場所を避けて置きます。

 

オオバナソケイの知識と育て方

オオバナソケイは大輪茉莉花やロイヤルジャスミンとも呼ばれるジャスミンの仲間で、その名の通り葉も花もハゴロモジャスミンより少し大きく香りも強い種類ですが、ハゴロモジャスミンの近種なのでハゴロモジャスミンとほとんど同じ育て方で栽培可能。

冬場もハゴロモジャスミンと同じく0℃以上なら屋外でも冬越し出来ますが、花を多く咲かせるためにも出来るだけ5℃以上の場所で管理して下さい。ハゴロモジャスミンと違う点は開花時期が5〜10月であること。

夏場も花を咲かせるため梅雨が開けた後は水切れさせないように注意しなくてはいけません。生育期の肥料は基本的に液肥を2週間に1回与えますが、夏の暑さで株が弱っている場合は肥料を与える量や回数を控えましょう。

 

コモンジャスミンの知識と育て方

コモンジャスミンはペルシャソケイやシロモッコウと呼ばれ、開花時期は6月〜9月と長く、ハゴロモジャスミンより柔らかい香りの花を咲かせます。コモンジャスミンは耐寒性がないため冬場は室内に取り込んで管理して下さい。

夏の暑さには強いため水切れに注意していれば問題なく屋外で栽培出来ますが、直射日光で葉やけしてしまう可能性があるので真夏に限っては明るい日陰で管理しましょう。コモンジャスミンの花芽は新しい枝先に付きますから、たくさんの花を咲かせたい場合は花が終わってからの切り戻しが欠かせません。また、春に芽が出た後も新芽の上を切り落として剪定することによって花数を増やすことが出来ます。

 

さて、ジャスミンはほとんどの種類が水はけの良い土で日当たりの良い場所に置いて育てれば簡単に花を咲かせてくれる植物で、生育期は2週間に1度液肥を与えるとよく育ちます。暖地であれば地植えにすれば自然雨で十分生育可能で、植物の栽培に付き物とも言える病害虫もジャスミンにはほぼ縁のないものですから、ガーデニング初心者にも易しい植物です。

一般的に育てやすいと言われているジャスミンはハゴロモジャスミンですが、種類によって少しずつ栽培のポイントに違いはあるものの基本的な育て方と育てやすい点はどの種類も変わりませんから、育てるジャスミンの種類に悩んでいる場合は見た目や開花時期で好みのジャスミンを選びましょう。お気に入りのジャスミンを育てて満開の可憐な花を楽しんで下さいね。


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