化粧品の成分表示を見ると、かなりの割合で「ホホバオイル」が含まれていますよね。ホホバオイルの保湿効果は今や化粧品には欠かせない存在です。ホホバオイルは、米国南部からメキシコ北部にかけて育つ1m前後の常緑性の灌木、ホホバの種から採れるオイルです。
ホホバはなんと気温40度以上で年間の雨量が100㎜以下の極度に雨の少ない条件の土地でも育つことが出来るのです。ホホバオイルは分類上正確にはオイルではなく蜜蝋と同じワックス(蝋)で、常温でも液体なところが珍しい特徴です。
消化しないためホホバオイルは食用には適しませんが、ホホバオイルだけが持っているこの「ワックスエステル」が、私たちの皮膚や目を守っている皮脂の重要な成分の一つでもあります。
そのためホホバオイルは浸透力が高く、抜群の保湿効果を持っています。では、ホホバオイルは乾燥対策にしか効果がないのかと言うとそうではありません。そこで今回はホホバオイルの効能が注目される5つの理由についてお伝えします。
ホホバオイルの効能が
注目される5つの理由
アロママッサージのキャリアオイルとして一番人気
ホホバオイルは、アロママッサージの時に精油を薄めその効果を発揮させるのに優秀なキャリアオイルです主なキャリアオイル(ベースオイル)の役目は「精油成分の揮発を押さえる」「皮膚への刺激を軽くする」「皮膚への精油の浸透をサポートする」
他にも数種類のオイルがありますが、酸化速度が非常に遅く日持ちがするホホバオイルは、決して安くない精油を買い揃える上でも効果的にアロマに使えてお財布にも優しいのです。
ホホバオイルは「水分を含んだ肌」の水分を逃がさない
ホホバオイルで保湿をする場合、肌が水分を含んでいる状態の時できるだけ早く塗るのがホホバオイルの保湿効果を高めるためのポイントです。濡れた状態の肌は、やがて水分が蒸発する時にさらに持っている水分を奪うのでますます乾燥します。
乾燥したところにホホバオイルを塗っても、守るべき水分がなければ肌は乾いたままです。ホホバオイルの役目は水分を与えることではなく、与えた水分を逃がさないことなので入浴直後や化粧水をつけたらまだ濡れているうちに塗るのがベストです。
混合肌になりやすい男性にも最適
男性は素肌の清潔感がそのまま好感度に結びつきますから、毛穴の開きや黒ずみは大敵ですよね。男性用基礎化粧品の多くは余分な皮脂を取り皮脂の過剰な分泌を押さえ清涼感を与える働きのものですが、ひげそりの刺激に加え強い洗浄剤や清涼剤などたくさんの刺激物質のおかげで、意外と男性の肌にも脂っぽさとカサつきが同居しています。
お風呂上りにホホバオイルを顔に馴染ませてからラップを密着させ、温めたタオルを乗せて毛穴を開かせてタオルが冷めるまで置き、刺激の少ない石鹸で洗い流すことで徐々に黒ずみが取れていきます。すると化粧水の浸透もよくなるので、次第にカサつきも解消されていきます。肌質別のケア用品がそれほど多くない男性にとって、肌質を選ばずに使えるホホバオイルはケア用品の選択に悩まなくてすむ点でもとても便利です。
非精製のホホバオイルが皮膚トラブル解消に役立つ
私たちの皮膚は、表面の皮脂膜と細胞同士を接着する役割の「細胞間脂質」のおかげで角質層がバリア機能を果たし、潤いを保っていられます。細胞間脂質(セラミドはその一つです)は脂質と水分とが層になっていて、熱や水分、物理的刺激が一定のラインを越えると簡単に壊れる性質をもっているのが弱点です。
長時間の入浴でも流れやすい細胞間脂質は、メイク時のブラシやパフの刺激、メイクを落とす際の刺激など、私たちが生活していく上でさらに毎日失われていく傾向にあります。
細胞間脂質の一つであるワックスエステルと、ホホバオイルが持っているワックスエステルが同じなため、ホホバオイルは皮膚に必要な脂質を補充することができます。それだけでなく、黄金色で非精製のゴールデンホホバオイルにはもともと持っていたビタミンE、Aなどが残っています。
ビタミンEが血行を良くする働きもあるため、日焼け後のケア、花粉症による肌荒れやアトピー湿疹などバリア機能が衰えた皮膚の再生を促す上で、ゴールデンホホバオイルの効果はかなり高いものとなっています。
頭皮の健康にホホバオイル
ヘアケアで頭皮を第一に考えるのは今や常識ですが、ホホバオイルの効果は頭皮にも表れます。軽く頭皮を濡らした後に、手のひらにホホバオイルを取り、頭皮に摺りこんでから軽くマッサージして汚れを浮かしてから刺激の少ないシャンプーで頭皮を洗い流すことで、毛穴の汚れが落ちやすくなります。
そして毛穴の汚れを落とした後、ホホバオイルを髪全体にゆきわたるように手ぐしでなじませると、今度はホホバオイルが髪表面の水分を閉じ込めることで、枝毛や切れ毛を防ぐ効果があります。
いかがでしたでしょうか。シンプルでも多機能なものが求められる時代に、ホホバオイルは1本でいくつもの効果的な使い方ができる点でぴったりだといえます。目にすることの多い透明なホホバオイルは、濾過の回数が多くさらに脱色など大幅に加工処理がされたもので、オイルにしては軽いつけ心地とクリアなイメージで人気の高いオイルです。
大量生産されている分値段も手頃なので、惜しげなく保湿に使えるのが魅力ですが、重いアトピー症状の改善など皮膚の補修に及ぶようなホホバオイルの効果を過度に期待するのは禁物です。
一方非精製のホホバオイルは目に入っても刺激を感じないほどで、日焼けケアや湿疹などデリケートな分野には、ホホバオイルの持つ効果も確かな非精製のホホバオイルを選ぶのをおすすめします。
両方の利点を生かして、ボディにはたくさん使える透明なホホバオイル、顔や頭皮には純度の高い非精製のゴールデンホホバオイル、といった2種類を使い分けるのも良い方法です。
注意したいのは、ホホバオイルは確かに酸化しにくいオイルですがまったく劣化しないわけではなく、カビが入ることがあります。浴室にボトルを置く、ボトルをお湯につけ温めるなどの行為は湿気が入るのでやめるべきです。ボトルは乾燥した場所に保管し、一年程度で使い切るつもりのほうが良いでしょう。
まとめ
ホホバオイルの優れた効能は
・酸化しにくくアロママッサージオイルとして優秀
・肌が水分を含んだ状態の時に塗ると保湿効果を発揮
・肌質を選ばないので皮脂の多い男性の毛穴ケアにも最適
・非精製ホホバオイルは多くの皮膚トラブルを回復させる
・マッサージで頭皮ケア、毛先の乾燥も防ぎ美髪に