訃報は突然やってくるもの。親しい間柄や、遠方で出席できない、仕事関係などで献花を贈ることもあるでしょう。いざというときのために、マナーを知っていて損をすることはありません。むしろ、知らなくて恥をかくのは避けたいところ。
そもそも献花とは、一般的に霊前や神前に向けて贈る花のことで、供花は仏や死者に向けて贈る花とされています。供花が仏式、献花が神式、キリスト教式であるという認識でいると分かりやすいでしょう。
また、最近では宗教にとらわれずに故人とのお別れの会を設けるところも多く、それも「献花」と称します。なので、供花を贈る場合でも大きく通じる部分が多く書かれていますので、是非参考にしてください。
そのために、これだけは知っておきたい大事なポイントをまとめました。是非一読して、頭の片隅にでも入れておいてください。
献花を選ぶ時に知っておきたい
大事な7つの事
その1. 会場の大きさや遺族の意向をチェック
家族葬や、ごく小規模で葬儀を行いたいと思っている遺族の元へ、一際大きな花輪を贈ったらどう思うでしょう。遺族に直接聞けるような間柄でない場合は、葬儀場に問い合わせるのが最善です。
また、葬儀場は花屋と提携しているところがほとんどですので、提携先の花屋を教えてくれたり、葬儀場で手配をしてくれたりします。
まず、間違いないのが葬儀場に問い合わせることですので「迷ったら葬儀場に聞く」と覚えておくと良いでしょう。
その2.花屋選びは実績のあるところで
献花を頼む花屋を自分で選ぶ場合は、花屋さんに注文する際に「今まで献花を扱ったことがあるか」尋ねてみましょう。決して失礼なことではありません。
後述しますが、献花にふさわしい花、宗教によって使う花は異なってきます。そういう点を良くわかっているのは、やはり実績のある花屋なのです。
自分がいつもお世話になっているからという理由で花屋を選ぶと、遺族に失礼にあたるかもしれません。何より、遺族のことを考えて花屋を選ぶように心がけましょう。
その3.出席できない場合は弔電も一緒に贈るのがベスト
訃報に触れたが、仕事の都合や、遠方で出席できないという場合にも献花を贈ります。そんな時には、弔電も一緒に贈るといいでしょう。
もちろん、献花をもらうだけでも遺族はありがたく思うのですが、メッセージが込められている電報は、より心に寄り添われていると感じられるのです。
どうしても電報でなければならないわけではありません。メッセージを付けてくれる花屋さんもありますので、献花を注文する際に、花屋さんに確認してみると良いでしょう。
その4.インターネットでの注文には細心の注意を
最近はインターネットでなんでも注文が可能になりました。しかし、慶弔ごとをインターネットで注文するのは、まだ避けた方がいいかもしれません。
自身も何度か注文していてどういった花屋なのかわかっているならまだしも、現物を確認できないのはあまりにリスクが高すぎるからです。
特に激安、や○○%OFF、と謳っているサイトは要注意です。花の状態もグレードダウンしたものを使っている可能性もなきにしもあらずだからです。
どうしてもインターネットでの注文に頼らざる得ない場合は、よく吟味して慎重に決めましょう。
その5.宗教により花の種類が異なる
実は、献花に使う花材は、宗教によって入れた方がよいものが存在します。キリスト教の葬儀の際は、献花にカーネーションや白百合、菊などが使われます。仏式や神式では、菊やストレチア、果物などをよく見た記憶があるかと思います。
せっかく故人に贈るものですから、礼にのっとったものをきちんと贈りたいものです。どのような形式で葬儀を行うか前もってわかっていた場合は、花屋さんに使う花を聞くか、自分から指定することで、マナーに沿った献花を供えられるでしょう。
その6.献花台に供える花は式場が準備するもの
宗教にとらわれない「お別れの会」や、キリスト教式の葬儀で行う、献花台に供える花は自分で用意していくものではありません。式場で必要な花を必要なだけ用意しているため、持参していった場合は、遺族や式場のスタッフに余計な手間と気を遣わせてしまいます。
個人が好きだった花を供えたいと思う気持ちを持つかもしれませんが、そこはぐっとこらえて、気持ちだけを持っていきましょう。どうしても自分で花を持っていきたいという場合は、前もって式場に問い合わせたうえで了承を得ることを強く勧めます。
その7.献花を行うときのマナーも忘れずに
故人に花を供える献花を行うときにもマナーがあります。出席して、献花があることを知り、その場でどうしようと思い悩む前に、その手順を以下にまとめますので、一度しっかり覚えておくことをオススメします。
1.献花の順番がきたら、祭壇まで進み、遺族に一礼。係りの人から花をもらう。このとき、右手は上向き、左手は下向きで、花が右手側に来るように持ちます。
2.献花台の前に進み、祭壇で一礼します。その後、右に回して根元が祭壇を向くように持ち替え、献花台に置きます。その際、左手は花を下から支えるように持ちましょう。
3.手を合わせて黙とうします。黙とうの際、カトリックは十字を切り、プロテスタントは胸の前で手を組みますが、自身が信者でない場合、普通に黙とうをささげるだけで構いません。
4.黙とうが終わったら2、3歩下がり、遺族に一礼した後、席に戻ります。
特に難しい点はなかったかと思いますが、花を受け取るときの手の状態と、持ち替え、花の向きなどは分からなくなりやすい事項なので、しっかりと覚えておくといざというときに役立ちます。
いかがだったでしょうか。
献花は故人をしのぶ気持ちから行うものなので、そういった意味ではマナーや会場、遺族のことを気にする必要はないという人もいることでしょう。確かにそれも一理あります。
しかし、誰よりも悲しみに暮れている遺族に、余計な心配をかけることが、果たして故人に対するお悔みになるでしょうか。故人を想うからこそ、その故人が大切にしているであろう遺族に対して礼を尽くすこともまた、立派な弔辞の代わりとなるのです。
一口に献花といっても、奥が深いものです。なるべく来てほしくはありませんが、いつでもきちんと対応できるように、覚えておくことをオススメします。
まとめ
献花を選ぶ時に知っておきたい大事な7つの事
その1. 会場の大きさや遺族の意向をチェック
その2.花屋選びは実績のあるところで
その3.出席できない場合は弔電も一緒に贈るのがベスト
その4.インターネットでの注文には細心の注意を
その5.宗教により花の種類が異なる
その6.献花台に供える花は式場が準備するもの
その7.献花を行うときのマナーも忘れずに