胡蝶蘭の育て方にはコツがある?その技法とノウハウ

胡蝶蘭の育て方にはコツがある?その技法とノウハウ

胡蝶蘭は洋ランの中でも優美で人気のある花の一つです。

たくさんの花が重なり合うように咲く姿は、ゴージャスで気品があります。胡蝶蘭の正式な名前はファレノプシスと言い、ギリシャ語で「蛾のような」という意味を表わすそうです。

蝶が舞うような花の形をした胡蝶蘭はたいへん美しく、花の寿命が長いのでギフトとしても重宝されています。

東南アジアを原産とする胡蝶蘭は、熱帯から亜熱帯のジャングルに自生しています。

胡蝶蘭は樹上に着生する種類のランで、木漏れ日の挿す比較的高い樹木の幹や枝に着生して生育します。したがってご家庭で栽培する際には、自生地の環境に近づけてあげることが大切です。

高温多湿ですが風通しが良いことが、胡蝶蘭を元気に育てるポイントです。

難しいと思われがちな胡蝶蘭の栽培ですが、コツをおさえておけばきれいな花を長期間楽しむことができます。

冬越しさせるコツや、病気にならないコツをつかめば、10年以上生きるとも言われています。育て方の技法とノウハウを知って、美しい胡蝶蘭を長く楽しみましょう。

 

胡蝶蘭の育て方にはコツがある?
その技法とノウハウ

 

最低気温15℃以上で越冬させよう

胡蝶蘭は高温性のランなので、冬越しさせるには最低気温が15℃以上ある必要があります。

部屋の中でも、できるだけ温かいところに置くようにします。灯油ファンヒーターなどのある部屋は、排ガスによって花がしおれることがあるので気をつけましょう。

機密性の高いマンションは、比較的温度が安定しており育てやすい環境です。

夜間は冷え込むことがあるので、鉢に大きな段ボールをかぶせたり、毛布をかけたりなど工夫が必要です。ホットカーペットの上に置いても良いでしょう。

 

明るい日陰に置こう

胡蝶蘭は春から秋にかけて、直射日光を避けるようにします。

葉が直射日光に当たると、葉焼けを起こしてしまいます。かといって、日陰に置いたままにしておくとなかなか開花しなくなってしまいます。

ポイントは「明るい日陰」です。自生地ではジャングルの木漏れ日の中で育つ胡蝶蘭ですので、レースのカーテン越しくらいの、日の当たる窓辺に置くと良いでしょう。

閉め切った室内では、病気や害虫が発生することがあるので、天気の良い日には窓を開けて風通しを良くしてください。

 

鉢が乾いたら水をたっぷり与えよう

胡蝶蘭を枯らしてしまう原因として多いのが、根腐れです。

自生地で樹上に着生している胡蝶蘭は、根の周囲がずっと湿っていると根腐れを起こしてしまいます。もともと空気中に露出している根ですから、風通しの良い環境を好みます。

水やりのコツは、一度水を与えたら鉢がカラカラに乾くまで水を与えないということです。鉢がしっかり乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。

数日水やりを忘れていてもすぐに枯れてしまうことはないので、乾かし気味に育てる方が安心です。

 

植え替えには水ゴケを使おう

胡蝶蘭は樹上に着生する植物ですので、一般の園芸用培養土を使用してはいけません。

根が土に覆われてしまうと過湿状態になり、すぐに根腐れを起こしてしまいます。したがって庭などに植えるのもNGです。植え替えが必要な時には、着生ランに適した水ゴケなどの植え込み材料を使います。

植え込み材料は管理が楽な水ゴケがおすすめですが、その他にもヤシ殻、バーク、杉の皮などの種類があります。植え替えの時に根や水ゴケが傷んでいなければ、根元を崩さずに新しい水ゴケで包んで植えてください。

 

寄せ植えの鉢は一株ずつに分けよう

ギフトとして大株仕立てにしてある胡蝶蘭は、複数の株を一つの鉢に寄せ植えしています。

見た目を豪華で美しく仕上げるために寄せ植えにされていますが、このままでは過湿状態になってしまいます。花が咲き終えた時点で、一株ずつに分けて植え替えるようにしましょう。

鉢から一株ずつ抜き取って、小さめの鉢に移します。根元をなるべく崩さないようにして、新しい水ゴケに包んで植えます。鉢底に発泡スチロールを敷き詰めると乾きが早くなります。

5月下旬から8月くらいに行うようにしてください。

 

花がしおれたら根元から切り取ろう

胡蝶蘭の花後の管理として、花がしおれたら花茎を根元から切り取るようにします。

根元に近い花から順にしおれていくので、茎の半分ほどの花がしおれてしまったら根元から切り、切り花として楽しむことをおすすめします。

株が健全で元気があれば、3、4節残して切っても良いでしょう。残った茎から新しい花茎がのびて、しばらくするともう一度花を楽しむことができます。

ただし、株の元気がないようなら根元から切り、株を回復させることを優先してください。

 

鉢を吊るして風通しをよくしよう

何度も繰り返しますが、胡蝶蘭は風通しの良い環境を好みます。

とりわけ花茎が伸びる時期には、空気がたえず動いていると元気に成長します。夏場、風通しが悪く蒸れやすい場合は、明るい日陰に鉢ごと吊るすという方法があります。

針金や細い支柱を使って、物干し竿に鉢ごと吊るすようにすると、風通しがよく元気に育ちます。針金の先端をクリップ状に曲げ、反対側を鉢に添うように円形に曲げるとよいでしょう。

胡蝶蘭に直射日光が当たらないよう、洗濯物の影に吊るしてください。

 

いかがでしたか。

胡蝶蘭は育てるのが難しいイメージがありますが、栽培に適した温度があれば比較的育てやすいランと言えます。

越冬の時期に最低温度を保つ工夫をすれば、温室がなくても花を咲かせることができます。

胡蝶蘭が元気に育つためには、病気にさせないことも大切です。

病気を予防するためには、株を健全に育てることが何より大切です。風通しを良くすること、温度を適切に保つこと、日光を適度に当てることが病気に負けない株を作る秘訣と言えます。

ご紹介したコツをふまえて、毎年優美な胡蝶蘭を咲かせましょう。

 

まとめ

胡蝶蘭の育て方にはコツがある?その技法とノウハウ

・最低気温15℃以上で越冬させよう
・明るい日陰に置こう
・鉢が乾いたら水をたっぷり与えよう
・植え替えには水ゴケを使おう
・寄せ植えの鉢は一株ずつに分けよう
・花がしおれたら根元から切り取ろう
・鉢を吊るして風通しをよくしよう


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