パンジーの花言葉を色別に使い分けて贈る5つの意味


咲いている姿が頭を垂れて物思いにふけっている様子に似ているところから、フランス語の「pensee(パンセ=物思い)」がpansyになったというパンジー。パンジーの花言葉もそれにちなんだ「物思い」が知られていますよね。

一昔前まで日本以外の外国のスミレ=パンジーで、3色スミレという別名でした。当時はブロッチと呼ばれる花びら中心部の模様が印象的で、確かに人の顔を連想させられました。また青や紫と黄色、白の組み合わせでバリエーションも少なかったのですが、1980年頃から単色のパンジーがたくさん生まれ、パンジーのイメージを多様化させたのです

人の顔に似たパンジーからは確かに憂いを感じさせられ、パンジーの一番有名な花言葉である「物思い」や「私を思ってください」などがぴったりでしたが、オレンジやピンクで人の顔に見えないパンジーにはちょっと似合いません。

今や、ない色はないと言われるほど花色が豊富なパンジーは花言葉もその色合いに応じていろいろです。そこで今回はパンジーの花言葉を色別に使い分けて贈る意味についてお伝えします

紫色のパンジーは正統派

パンジーの学名には「Viola(紫)」とあるように、すべてのパンジーの祖先は紫色のスミレ。ロシアに自生していたビオラ・アルタイヤという原種はとても美しい青色を出す性質があり、花びらも丸みやフリンジがある現在のパンジーに近いものでした。紫系のパンジーがまず多く生まれたのも、デルフィジニンという赤色と青色を出す色素のアントシアニンが豊富だったのが大きな理由。

紫色のパンジーの花言葉は、物事を深くしっかりと考える「思慮深い」「誠実」「律儀」英語のyou occupy my thought(あなたのことで胸がいっぱい)と、落ち着いた雰囲気。一口に紫色といっても赤紫から青紫まで色見本のようにたくさんあるパンジーは、見る角度によって微妙に変化するビロードのような深みを持っています。クラシックな雰囲気の好きな人にはうってつけですね。

 

黄色いパンジーは想い出の色

黄色いパンジーは、黄色に目のような模様である黒のブロッチを持っているものがよく知られています。イギリスの野生種のビオラ・ルテアという黄金のような黄色を出す性質のものが自然繁殖していて、同じく野生種の白・青・黄色の3色のビオラ・トリコロルと共に改良され、黄色の部分が目立つパンジーが生まれました

黄色のパンジーの花言葉は「つつましい幸せ」「田舎の喜び」「記憶」といった懐かしい素朴なイメージです。英語ではremembrance(思い出)。緑の中で目に留まりやすい黄色いパンジーは、子どもが見つけたら駆け寄って摘みたくなる可愛らしさ。幸せの記憶と共にある黄色のパンジーは、子どもの頃の想い出を大切にしている思いやりの深い人や、離れて暮らすおじいちゃんおばあちゃんへの贈り花としてもピッタリ。

 

陽気で明るいオレンジ色のパンジー

パンジーは、中心部にもともとある黄色や花びらの大部分にある青系の色が遺伝的に優勢で、赤からピンク、オレンジ系の色は安定した色がなかなか出せませんでした。でも、春の花だったパンジーが秋から冬にかけて花壇を彩るようになってからは、暖色系の花がどうしても必要でした。

オレンジ色のパンジーは、一株の中でもアプリコットのような柔らかい色から濃い色までばらつきがあります。でも、それもオレンジ色のパンジーの個性。「天真爛漫」というのがオレンジ色のパンジーの花言葉ですが、自由でパワーにあふれた人にはパンジーらしからぬ珍しさと共に喜ばれることでしょう。

 

白いパンジーの素直で物静かな愛

文学にはスミレやパンジーがよく登場しますが、赤毛のアンの青春時代を描いた「アンの青春」には、アンが友達を花に例えるシーンが描かれています。するとアンがスミレを愛していることをよく知っているアンの親友のダイアナが、「あんたは芯に紫色の縞が入っている白スミレよ」とアンのことを白いスミレに例えます。

この白スミレが現代のパンジーであるかは不明ですが、「温順」「愛の思い」thought of love(愛情)という白いパンジーの花言葉は、物事を深く考え、時には考えすぎてしまうけれども愛情深いアンの性格がパンジーのうつむく姿に重なります。

ガーデニングの世界ではパンジーの色合わせに困ったら白いパンジーを入れると良いとされています。白いパンジーの独特の花言葉「温順」には素直で人の邪魔をしない奥ゆかしさが秘められています。相手に気づかれないように人の心に寄り添える、アンのような女性にはぴったりです。

 

すべてのパンジーの色にこめられたthink of me(私のことを思って)

パンジーは3色だった時代が長く、単色のパンジーの歴史はまだ浅いものです。特に斑点や模様の出るパンジーは色の分量の違いでガラッと印象が変わり、色のイメージが固定できない品種がたくさんあります。すべての色のパンジーに言える花言葉は「物思い」に始まり「ピュアな愛」「平和な心」「慎み深さ」そしてthink of me(私のことを思って)

気になる人が物思いにふけっている姿を見ると、何を考えているんだろう?と気になりますよね。顔に見立てたパンジーに自分の気持ちを見透かされているのか、相手も自分を思っているのかを推し量りあう複雑な思いを、パンジーは抱えているかのようです

 

さて、今は実際にあるパンジーといったら、セピア調の渋い色、グレーがかったシックな色、ほとんど真っ黒に近い濃い紫、黄色やピンクのグラデーション・・・と、無い色は全身緑(虫を引き付ける必要のない色)くらいしかありません

さらに、昔は花が大きければパンジー、小さかったらビオラとある程度の目安があったものの、パンジーが1つ花が咲くまで時間がかかるのを嫌いたくさん花をつけるビオラと交配したハイブリッド種も生まれているので「パンジーのこの色の花言葉はこう!」と言っても「このグラデーションはどう説明するの?」「そもそもこれはパンジーなの?」という問いには窮してしまうでしょう。

幸い、パンジーの花言葉には「思慮深い」「平和な心」「memories(想い出)」「think of me(私のことを思って)」など、すべて心を重んじる原点があります。たくさんの色の組み合わせのパンジーを贈りたい時は、これらを伝えることであなたの気持ちもきっと伝わりますよ。

まとめ

パンジーの花言葉を色別に使い分けて贈る意味とは

・パンジーの象徴のような「思慮深い」紫のパンジーを正統派を好む人へ
・「つつましい幸せ」の暖かな記憶を呼び起こす黄色のパンジーで思い出を共有
・自由でパワーあふれる人へオレンジ色のパンジー「天真爛漫」
・素直で心優しい人へ「温順」の白いパンジーを
・すべての色のパンジーには心を重んじる花言葉が似合う


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