レモンバームは名前の通り、レモンの爽やかな香りが特徴のハーブ。レモンの香りを特徴とするハーブは、その他にもレモングラスなどがありますが、どちらも柑橘系の果物ではなく、いわゆる「草」です。
開花時期が6・7月と言う初夏の植物ですが、寒さに強く育てやすいことも特徴のひとつ。それでもアロマセラピーとして使う場合の精油は、高価なことでも有名です。その高価のほどは、あの人気のローズやジャスミンと並びます。
ちなみに精油ではレモンバームよりも「メリッサ」の別名で知られ、効能としては疲労回復や老化防止、記憶力やリラックス、安眠効果なども挙げられている有能ハーブ。せっかくなら育てて、上手に活用したいものです。
そこで今回はレモンバームを家庭で育てるために、マンションでもどこでも始められる鉢植えのケースで、7つのポイントを解説します。
レモンバームの鉢の選び方
初心者の場合には、レモンバームは苗から育てる方法が簡単ですが、それでもプランターの用意や土の準備に迷うかもしれません。
【 必要な材料 】
・ 鉢(プランター)深さ15cm程度が目安。
・ 土 … 培養土
・ 鉢底ネット
・ 底石
【 レモンバームのプランター 】
① プランターの底に、まず「鉢底ネット」を敷く。
② 鉢底ネットの上に、底石を。
③ 培養土を入れる。
これでレモンバームの苗植えをする、プランターの準備が出来ました。
レモンバームの苗の選び方
初心者がレモンバームを育てる時には、やはり丈夫な苗選びは重要です。どの植物でも元気さが感じられれば丈夫なのですが、具体的にどのような苗が丈夫なものか、ご説明します。
【 丈夫なレモンバームの苗 】
~ 葉の様子 ~
・ 葉が多い
・ 緑色が鮮やか(黄色く変色していない)
~ 茎の様子 ~
・ 枝の間の間延びがない
・ ヒョロヒョロしていない
このような苗であれば、丈夫なレモンバームと言えます。
レモンバームの苗の植え付け
レモンバームの苗を植え付けるなら、春先の4・5月、秋口の9・10月が適切です。適温が20℃弱が目安なので、地域によって適切な時を判断して下さい。プランターや土の準備などはお伝えしたので、この項ではレモンバームの植え付け後をご説明します。
【 レモンバームの植え付けたら 】
① たっぷりの水遣りで乾燥を抑える
・ 畑などで栽培する時にはさほど気にならないのですが、鉢植えで育てる場合には乾燥が早いので、意識して毎日水遣りをして下さい。
② 水遣りは、涼しい午前や夕方が良い時間帯です。
③ 乾燥も注意ですが、湿度にも注意が必要です。特に梅雨時期の蒸れには注意が必要なので、以降でお伝えする間引きや収穫をしながら、風通しを良くします。
置き場所は直射日光が強い場所を避けて、「明るい日陰」を選んで下さい!
育てるなら押さえる、レモンバームの特徴
【 レモンバームの「蒸れ」に注意! 】
★ レモンバームは蒸れやすい傾向があります。
・ 蒸れることで、病気にも掛かりますし、枯れるリスクも出てきます。
風通しの良い場所に置くことはもちろん、レモンバームは集中して繁殖する傾向があるため、意識して間引きをしながら、枝と枝の間をスッキリとさせて、風を通す必要があります。
後ほどお伝えする「レモンバームの1/3収穫」でも、蒸れを防いで風通しを良くする効果があります。
レモンバームの香りを大切にするなら
【 レモンバームは若い株ほど、香りが強い 】
★ ただし、株の若返りが出来ます。
・ 数年(3・4年が目安)経ったら、植え替えをすることで若返ります。
また、新芽を出させる方法もあります。茎が固くなったレモンバームは老化の合図です。花が咲くと老化が進んでしまいます。そんな時は新芽を出してもらいます。
★ 固い茎は株元まで切ってしまいます。
レモンバームの花が咲く前に
前項でも少し触れましたが、レモンバームは花が咲くと枝が固くなり老化が進む傾向があります。レモンバームを食卓や暮らしに活用したいなら…。
【 レモンバームを1/3収穫 】
★ レモンバームの花がつぼみのうちに、1/3ほどを目安に収穫する。
つぼみのうちに収穫したレモンバームは、香りも強いのも嬉しいです。たくさん収穫した場合には、ドライハーブとして乾燥させても、後々まで活用できます。
レモンバームの植え替え
老化が進んだ株を若返らせるために、植え替えが効果的であることはお伝えしました。一年のうちで植え替えに適した時期は、春先なら4・5月、秋口なら10月がおすすめです。
【 レモンバームの植え替え 】
① レモンバームの茎葉は、地面まで切り落とす。
② 鉢の土ごと引き上げる。
③ 手で古い土を振るい落とす。
④ 土を振るい落としながら、根を整える。
⑤ 新しい土の鉢植えに植え替える。
⑥ 1週間程度で安定。
植え替え後、安定するまでの1週間は丁寧に管理します。特に極度の乾燥と強い日差しは避けて扱って下さい。
レモンバームはちょっとしたポイントさえ抑えれば、「半放置」でも元気に育ってくれるので、ハーブ栽培初心者には最適のハーブです。ただし、鉢植えの場合には、乾燥が進みやすいため、本記事のようなちょっとしたポイントが必要なのです。
収穫したレモンバームは、両手で叩くようにパンッとするだけで、香りを強く放ちます。他のハーブのようにお湯のティーポットに、収穫したてのレモンバームを入れた、フレッシュハーブティーとしても楽しめますし、アロマバスなどにも使えます。
また、レモンバームのミツバチを引き付ける習性は、虫を寄せ付けないためのコンパニオンプランツとしても知られています。レモンバームと同じく湿度のある土が適切な、コリアンダーや同じシソ科のシソ、バジルなどの寄せ植えもおすすめです。
本記事を参考にして、レモンバームから寄せ植えまで、どんどんハーブの暮らしを満喫しちゃいましょう!
まとめ
レモンバームを鉢植えで元気に育てるポイント
・プランターは深さ15センチを目安に。培養土を準備する
・苗は葉がたくさん付いていて、色鮮やか、茎も丈夫なものを
・朝か夕方の涼しい時間帯に、毎日たっぷりの水で乾燥を防ぐ
・レモンバームは蒸れやすい!間引きや1/3収穫で風通し良く
・数年(3・4年)を目安に植え替えをして、株の若返り
・花が咲くと株が老化し、香りも弱く…。つぼみ時期の1/3収穫!
・レモンバームの株は植え替えをすることで若返る!