トマト栽培のコツと上手に育てる5つの方法


育てているトマトが、葉を茂らせるだけで花が咲かないと不安になりますよね。トマト栽培初心者は特に、実を付けさせるコツがあったら知りたいと思うはず。トマトの苗は日当たりが良ければまずはぐんぐんと枝を伸ばし、茎や葉の数が充実すると花を付けるようになります。

ただ、トマトはナス科の野菜でありながらナスのように花が咲けばほぼ確実に実が生る野菜と違って、花が咲いたのに実ができず花が落ちてしまうことが意外に多い気難しさを持っています。

ミニトマトのようにたくさん実が生るものだと特に、花が咲けば花の数だけ実ができると計算してしまうのもですが、それが落ちてしまった時のがっかり感といったら、次にいつ実が生るのか心配でたまらなくなるでしょう。花が咲いてから実ができるまでがトマト栽培の気の抜けないところです。そこで今回はトマト栽培のコツと上手に育てる方法についてお伝えします

苗を植え付けた時の肥料分だけでは不足

植物が育つための栄養素は葉を茂らせるチッソ・花や実を付けさせるリン酸・根のためのカリの3つですが、花と野菜の培養土はこれらがバランス良く配合されています。培養土に苗を植え付け、日当たりの良い場所で土が乾いたらたっぷり水をやっていると、トマト苗は光合成を活発に行い、茎や葉が茂ってきます。

そして1ケ月くらい経つと、あとは花が咲くばかりなのでトマト栽培のコツをつかめてきたような気分になり、肥料をあげなくてもいけそうな気がしてきます。でも、実際はその頃には最初の貯金を使い果たしたような状態

花を咲かせ、実を付けるのにはとてもエネルギーを使うのは、人間にとっての出産や子育てと同じなので、その頃には栄養を付けさせないと実付きが悪くなります。有機肥料・化成肥料どちらでも良いので、リン酸の多く含まれている肥料を追肥するようにしましょう

 

脇芽を目の敵にするのはなぜ

トマト栽培のコツは脇芽かきにあり、と、伸び放題で葉っぱだらけでぼうぼうになっていると実を付けにくいので、脇芽を取るのが大切だとよく言われていますが、なぜそれが必要なのでしょうか。

トマトの属しているナス科の植物は、茎や葉を充実させ身体を大きくする「栄養生長」と、花を咲かせ子孫を残すための「生殖生長」を同時に行いますが、そのターニングポイントが、ミニトマトだと最初にできる花房になります。その花が受粉しないとそれは無駄だったということでまた栄養成長に戻ろうとするのがトマトの生理現象

ただ、最初の花を失ったら全くだめというわけではなく、伸びた部分を切りその部分の栄養成長を止める刺激を与えることで、また「生殖生長」を行うのであきらめず少し様子を見ることも、トマト栽培の大切なコツです

 

花に水がかかると大事な花粉が流れてしまう

トマトは思いのほか高さがあるため、水やりも勢いよく全体にかけてやりたくなりますが、花に水をかけてはいけません。水が溜まって傷み腐りやすいのはもちろん、受粉に重要な花粉が流れてしまい、そうなるとこれまた実がつかなくなってしまいます。

水やりはトマトの株の周りに静かにかけるようにしましょう。これは花のためだけでなく、脇芽を取ったところが傷になっているためそこに水が入って腐れや病気の元にならないようにするためでもあります。

トマトは水やりの頻度もメリハリが大切ですが、雨の少ない高地の原産であることから水が大好きな野菜ではないことも、トマト栽培のコツとして押さえておきたいものです

 

受粉作業を手助けして確実に実を付けさせる

プロが使うトマト栽培のコツは受粉作業をマルハナバチという蜂に行わせること。トマトの花には蜜がなく、ハウス栽培では虫が寄って来ないため花粉を食用に集めて花から花へ移動する蜂が受粉に一役買っているのです。

一方、家庭の屋外で栽培するトマトは風や振動で受粉が行われますがベランダでプランター栽培のミニトマトなどはうまく受粉できていないことがよくあります。第一花房の受粉は特に重要なので、花が咲いていたら受粉の手助けをしてやると確実に実になります

受粉の方法は、花首が飛ばない程度に軽く指ではじいて花粉を飛ばすか、トマトトーンというホルモン剤を花にかけてやります。ただしトマトトーンを使うのがトマト栽培で重要な受粉のコツではなく、使いすぎてもダメで花に1回だけスプレーで吹きかけるのがポイント

 

高温多湿が苦手なトマトの梅雨時の雨対策

日本で多くのトマトがハウスで栽培されている大きな理由は、実を雨に当たらせないため。特に中玉以上の大きなトマトだと、日中太陽の光を浴びて大きくなる最中に雨が大量に降ることで、水分で実が急激に大きくなり皮の成長が追い付かなくなって実が割れたり、濡れたところが蒸れて腐る原因になるのを防がなくてはなりません

トマトは中身がジューシーなため水分が大切だと思われがちですが、雨に弱く病気にもなりやすい性質を持っています。プランターなどでトマト栽培を行っている場合は直接雨に濡れない場所に置き、畑の場合は支柱とビニールなどで雨除けをしてあげるのがトマト栽培で水っぽくないトマトを作るコツです。

 

さて、トマト栽培はミニトマトから、という人はとても多いもの。家庭栽培用のトマトの品種もそれに合わせて年々種類が増えています。安い苗は200円程度で手に入りますが、初心者がラベルなしの安い苗を選ぶと、どんな品種かわからないため実の付きが悪い、皮が硬いなどの問題が起こりがち。

もちろん、育て方によって上手くいくことも多いのですが、まずはどういうタイプのトマトが欲しいかを考え「実が一度にたくさんつく」「次々に実が生る」「皮が柔らかい」などといった特徴がきちんと書いてある、メーカーのラベル付き苗を選ぶのが、トマト栽培初心者が上手に育てるための最初のコツ

そしてミニトマトが上手くできたら、中玉以上のトマトにチャレンジするのがおすすめです。朝採りのトマトはへたもピンとしてみずみずしく、最高です。トマトの木を触るとトマトの香りが指につくのも、トマト好きにはたまりません。ぜひ、お家で育ててみて下さいね。

まとめ

トマト栽培で美味しい実を付けるコツ

・植えてから1ケ月以上経っていたら追肥をする
・茂りすぎている葉や伸び放題の脇芽は整理しよう
・開花したら花に水がかからないようにする
・一段目の花に実を付けさせるため人工授粉しよう
・梅雨の時期は特に雨に当てない対策をする


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