シャキシャキした食感ととろっとした粘りが美味しいオクラは栽培しやすい人気の夏野菜ですよね。5月頃になればナスやトマトなどの夏野菜の苗と一緒にホームセンターや園芸店にたくさんの苗が並びます。
さて、オクラの栽培は夏の暑さや害虫に悩まされる必要もなく、長期間収穫できる上に置き場所を選びません。あまり手がかからない野菜ですから、植えるスペースさえ確保出来れば他の植物のついでに栽培するだけでたくさんのオクラを収穫出来ます。
とは言え、オクラを栽培する時に丈夫だからとあまり手をかけずにいると食感が硬い美味しくないオクラになってしまいますから、美味しく育てる為の最低限のポイントは覚えておきましょう。オクラの栽培をする上で難しい作業はありませんから、誰でも実践出来ます。そこで今回はオクラを栽培する時に気を付けたいポイントについてお伝えします。
オクラの栽培環境を整える
オクラの栽培は種から育てる場合は4〜5月、苗から育てる場合は5月頃に開始します。種から育てる場合、低温環境下では発芽しにくいので気温が10℃以上になってから植え付けます。一晩常温の水に浸けてから種を蒔くと発芽率が良くなりますよ。
ただ、プランターでの少量の栽培の場合は苗から始める方が簡単で確実です。オクラの苗は5月頃に出回りますから、早めに良い苗を購入して植え付けましょう。さて、オクラは夏の強い日差しにも負けない丈夫な野菜で栽培場所を選びません。
日陰が出来ない場所や、逆に半日陰になってしまうようなベランダ栽培でもしっかり育ちます。ただ、オクラは根を深く張る野菜なので用意する容器は深さが30cm以上のものを選んで下さい。苗を複数植えるのであれば株間が20cm以上空けられるよう幅60cm前後のプランターを選ぶか、鉢植えに1株ずつ植え付けます。
オクラの栽培をする時は連作障害を避けるため前回オクラを育てていない場所で育てたり、新しい土を使うのは大事なポイント!植え付ける土は元肥を混ぜ込んだ市販の野菜の土で構いませんが、オクラは多湿を嫌うので水はけの良い土を選んだり、鉢底石をしっかり敷いておくなどの工夫をしておきます。
オクラには肥料が欠かせない
オクラの栽培で欠かせないのが肥料です。元肥はもちろん、たくさんオクラを収穫するためには定期的な追肥が必要になります。オクラは肥料を好む野菜なので最初の花が咲いてからは窒素、リン酸、カリの成分の割合が同じ化成肥料を大体10日置き、新しい花が咲くタイミングを目安に与えて下さい。
開花が遅くなかなか実が付かない時や葉が細く痩せている時は肥料不足が考えられます。開花の早さと葉の形や草勢の程度を見て与える肥料の量を加減しましょう。また、追肥する時は株元に土寄せをして株を安定させる必要があります。
オクラの株を整えよう
オクラは葉が大きく、背が高くなる野菜です。なので、生育がピークになる夏場は蒸れやすいので病害虫対策の為にも株の風通しが良くなるように、収穫時期以降は実の収穫の度にオクラを収穫した枝より下の葉を掻き取って蒸れ対策をします。
また、草丈が高くなると風で倒れやすくなるので、株の高さが30cm程度になったら支柱を施します。オクラの栽培に使う支柱は背の高いオクラをしっかり支えられる1m以上の長いものを用意して下さい。台風で強風に煽られる事が予想される日は風除けを施しておくとダメージを最小限に出来ます。
オクラの病害虫予防
オクラは暑さにも害虫にも比較的強い野菜ですが土壌の多湿には弱く立枯病にかかってしまう場合があるので、水やりは土の表面が乾いてから与えて下さい。極端な乾燥はハダニの原因になるので、乾かし気味に育てつつも水切れしないように気をつけます。
また、株が十分に生育するまではアブラムシが付きやすいですから、株が若い内は防虫ネットや薬剤で対策をしましょう。株が育ってからもカメムシや蛾の幼虫などの食害に遭う事がありますから、水やりのタイミングで虫がいないかチェックしておいて。
美味しいオクラを収穫する為に
オクラは日が経つに連れて実が硬くなるので美味しいオクラを食べるには、実が成った後出来るだけ早く収穫しなければいけません。大きさの目標は7cm前後、オクラは成長が早いので実がついてから3〜5日で収穫出来るのですが、ある程度食べられる大きさに育ったら実が硬くならない内に収穫しましょう。
強い日が当たりすぎたり乾燥しすぎても実が硬くなりますから、暑さがピークを迎える8月は水やりの頻度を増やしたり、より早めに収穫します。オクラの実より上部の葉の育ちが悪くなってきたら養分不足が考えられるので、株の一番下に成っている実より下の葉を掻き取った後、一度既に付いている実も全部収穫してから肥料を与えてみて下さい。一度株を休ませる事でまたたくさんの実を付けてくれますよ。
このように、あっという間に育ち、どんどん収穫出来るオクラは初心者でも栽培できる野菜です。害虫の付きやすい株が若い時期を乗り越えて開花時期まで育てることが出来れば、後は花が付く度に追肥をしながらこまめに収穫していくだけ。
オクラを栽培する時に最も気をつけたいのは肥料切れですがすぐに対処すれば持ち直してくれますから、肥料不足のサインがないか株の状態をこまめにチェックして下さいね。肥料不足にさえ気をつけていればオクラの栽培そのものは簡単ですが、美味しい実を収穫する頃合いを見極めるのは難しいかもしれません。
もう少し大きくしたいなと思って一晩置いておくと翌日には実が硬くなっていたなんてこともあるぐらい成長が早いですから、育った実を軽く手で押してみてちょうど良い柔らかさであれば収穫してしまう方が美味しい実を食べられます。栄養豊富で食欲が低下する夏でも美味しく食べられるオクラを栽培して夏の楽しみを増やしてみてはいかがでしょうか。