レモンよりも強い柑橘系のやや甘くさわやかな香りがするレモングラス、タイ料理のトムヤムクンに使われていることが多いですよね。料理やハーブティー、アロマのエッセンシャルオイルに用いられるなど幅広い用途があるレモングラスの育て方を知って、お家で育てられると嬉しいです。
レモングラスはネロール、ゲラニオールといった主成分を持ち、防虫作用があるため自分で育てられれば虫よけやペットのノミ対策に用いることができます。また、殺菌力が強いため芳香による空気の浄化に一役買うことも。
ハーブを育てるのは園芸上級者でないと難しそうなイメージもありますが、多年草であるレモングラスは寒い冬の時期さえ越えてしまえばぐんぐん成長してくれるので、意外とお近づきになりやすいのです。そこで今回はレモングラスの育て方と長く楽しむための5つのコツについてお伝えします。
レモングラスの育て方と
長く楽しむための5つのコツ
日当たりと風通しを良くする
主に東南アジアの熱帯地域が郷里であるレモングラス、育て方の最初のコツは日当たりを良くすることです。気温の高い場所で生まれたレモングラスは暑さに強く、夏には特に育てやすいハーブです。
地植えするときは植えつけの際にあらかじめ日当たりを確認し、レモングラスが日光をしっかりと浴びられる場所を選んでください。鉢植えにした場合は室内屋外問わず、日当たりが良くなる場所に季節ごとに移動してあげると良いです。
また、成長して葉が茂ると、株元が蒸れやすくなるため風通しの良い場所で育てます。特に地植えで育ちすぎてぎっしりと株が密集しているときは、株分けしてあげると風通しが良くなります。
地植えする
レモングラスは大きく大きく育ちます。成長すると高さが1.5mほどにもなり、可能であれば地植えにするのがレモングラスの育て方のコツです。根が地中で下に向けてよく伸びるため、地植えする際の土は深く耕しておく必要があります。
やわらかい土にしておくと根も伸びやすく、水はけが良い場所であればやせた土壌でも育ちます。ただし酸性の強い土壌はあまり好まないため、苦土石灰等を土に混ぜ込み中和させておくと育ちやすくなります。
育ちに勢いがあるため地植えにすることがレモングラスの育て方の基本になっていますが、鉢やプランターでも育てることはできます。鉢植えにする場合には出来るだけ大きい鉢を選び、1株に対して最低でも6号サイズ(直径18cm)程度の鉢に植えつけるとのびのび成長してくれます。
株分けして増やす
ぐんぐん大きくなるレモングラス、沢山育てて長く楽しみたい!そんなときは株分けを行うことをおすすめします。大きく成長したレモングラスに見合う鉢が無い場合や、鉢植えでの栽培方法は変えずに株を増やしたい場合には特に株分けが必要です。
方法はいたってシンプルで大きくなったレモングラスを根元から掘り起し、軽く土を落とします。ぎゅっと株元が締まっているため、ハサミやナタのような園芸用の道具を使って茎の生え際から株を分け、ある程度小分けにしたら手でさらに分けてください。
鉢のサイズや増やしたい地面積の範囲に合わせて株を分けたら、植え付けます。小分けした株に根が残っているほうが早く根付くため、分けていく際には根が分散されるように工夫すると良いです。
植えつけたら水やりをしっかり行い、根が伸びるようにします。冬を越すために鉢に植え替えたものを暖かくなる春の4月以降に株分けして、地植えで増やしていくのもレモングラスの育て方のひとつです。
水やりは土や葉の状態で決める
雨の日も風の日も1日1回必ず水やりを行う必要はありません。植え付け直後は根が土に定着するように、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行います。根がしっかりと伸びて根付き、葉がみずみずしく茂っている状態であれば水が足りている状態なので、土の内部が乾きかけてきた頃に水やりをして下さい。常にたっぷりと水を含んだままだと根腐れを起こすことや根が成長しないことがあります。
土の表面が乾いていてもパッと見て分からないときは土を少々掘り返して内部を確認すると良いです。地植えの場合は雨がよく降ったときや湿気が多い日には水やりを控えて大丈夫です。肥料は必要ありませんが、冬の間でも土が乾いたら水やりをしてください。
越冬のために地植えから鉢植えにして、室内に移動させた場合には根付くまで特に乾燥させてしまわないように気を付けます。レモングラスの育て方は、葉や土の状態を見て水やりするかどうかの空気を読むと長く元気に育ってくれます。
越冬準備にひと手間かける
暑さに強いレモングラスは、寒さにとても弱いのです。地植えしてそのまま冬越しさせようものなら凍えてしまいます。日本国内ではやや気温が高い関東より西の地域の場合、寒さが厳しくなり霜が降りる前の時期になったら地面から際、もしくは10cm程度の茎を残して上部の葉はバッサリと刈り取ってしまいます。
ワラを敷いたり腐葉土をかけて覆ったりして保護し、凍るのを防ぎます。関東より北の地域では根元から掘り起し、大きな鉢に植え替えてたら室内に。地植えしたまま雪に覆われてはせっかくのレモングラスが泣いてしまうため、冬をいかに乗り越えるかがレモングラスの育て方の最も重要なポイントです。多年草であるレモングラスが次の年も元気に成長できるよう、長く楽しむためのコツでもあります。
いかがでしたでしょうか。想像していたよりも、レモングラスの育て方は挑戦しやすいですね。元気に育ったレモングラスの葉は刈り取ったあとにサッと水洗いして水気を拭きとり、室内でよく乾燥させておくとドライハーブになります。
手作り石けんの材料としても良し、玄関先に飾るポプリにしても良し。クラフト以外にも塩と合わせて料理用のハーブソルトや、葉をカットして熱いお湯を注げばすぐにドライハーブティーに。
レモングラスの育て方をマスターして、自家製のドライハーブとともに寒い冬さえ乗り越えてしまえば、夏には収穫したてのレモングラスで冷たいフレッシュなハーブティーを楽しめます。新鮮なレモングラスは香りもピカイチです、ぜひレモングラスの育て方とコツを掴んで、日常にひと味違うスパイスを効かせてみてください。
まとめ
レモングラスの育て方と長く楽しむためのコツは
・日当たりと風通しを良くする
・地植えする
・株分けして増やす
・水やりは土や葉の状態で決める
・越冬準備にひと手間かける・畑に直接種蒔きして間引きを2回行う
・美味しいうちに収穫をする