フラワーアレンジメントには欠かせないカーネーション。色や花の大きさがとても豊富で、アレンジの主役にもなれば脇役もこなすなど、様々な場面で私たちの目を楽しませてくれます。
そのような事情から「切り花」で扱うイメージが強く、母の日のギフトの鉢植えを除いては「土に植えて育てる」という発想にたどりつきにくいのも事実です。しかし、上手く育てれば長期にわたって花をたくさん咲かせてくれます。あの繊細でカラフルな花が、ベランダや庭先で咲いたら嬉しいですね。
最近では母の日に鉢植えのカーネーションを贈る人々も増えてきました。子ども達に贈られたら、やはり丁寧に手入れして長持ちさせたいところです。
そこで本記事では、カーネーションのお手入れの方法や、育て方についてお話します。気になる種類についてもお伝えしますので、お好みの花姿のカーネーションをぜひお手元で楽しんでくださいね。
カーネーションの育て方☆
気になる種類とお手入れ法
カーネーションの咲き方による「3つのタイプ」
カーネーションはもともと、地中海沿岸に自生する一重咲きの小さな花でした。セキチクなどの同じナデシコ属との交配により品種が増え、現在では実に3500種以上を数えます。そのカーネーションは、咲き方により3つのタイプに分類されます。
★ スタンダードタイプ
八重咲きの花を、一本の茎に一輪咲かせるタイプのカーネーションで、カーネーションと言えばこのタイプを思い浮かべる方が多いでしょう。
・ 比較的日持ちが良く、大きめの花をつけます。
★ スプレータイプ
一本の茎から枝分かれをし、3つ以上の花を咲かせるタイプのカーネーションです。現在日本ではこのタイプが最も多く栽培されています。ほとんどが八重咲きですが、ごく一部一重咲きの品種もあります。
・ 花の直径は、スタンダードタイプの花の直径の3分の1から6分の1ほどになります。
★ ダイアンサスタイプ
枝分かれをして咲きますが、スプレータイプとは逆にほとんどが一重の花です(一部に八重咲きもあります)。つぼみをたくさんつけそのほとんどが開花します。
・ 花の大きさはスプレータイプよりも一回り小さめです。
「ポットカーネーション」について
【ポットカーネーションとは】
鉢植え向きに育成されたカーネーションのことです。・ 草丈10~20cmほどで花を咲かせます。茎の間にある節が詰まっていて、葉も密に茂ります。花の大きさは直径5cmほどの大輪から、ミニカーネーションとも呼ばれる小輪まで様々です。
前の項目でお伝えした、スタンダードタイプ・スプレータイプ・ダイアンサスタイプとも、それぞれポットカーネーションとして育成された品種があります。
★ ポットカーネーションの種類
・ 花弁の重なり方が美しいバラ咲き。
・ 花弁の縁がギザギザしたフリンジ咲き。
・ とがった花弁が特徴的なスター咲きなど。
このように、花姿もいろいろな上に色も豊富なので、お花好きな人々には人気のカーネーションです。
鉢植えを買ったり貰ったりした場合のお手入れ法
最も手軽にカーネーションを育てようと思ったら、鉢植えのカーネーションを購入し、お手入れをして楽しむのが最も手軽です。母の日などで鉢植えを貰った場合にも、同じようにお手入れをすれば長く楽しめますよ。
★ 置き場所
・ カーネーションは明るい場所と、風通しの良い場所を好む植物です。
【適温は10~25℃です。】
・ 春の暖かい日中は屋外で陽の光を。
・ 強すぎる直射日光が苦手です。
・ 極端な暑さ(気温30℃以上)と寒さ(気温0℃以下)はNG。
・ そして多湿は苦手です。
このような性質のため、夏は木陰程度の明るさのある、涼しく風通しの良い場所に置きます。雨が当たらない場所であることも大切な条件です。
★ 水やりと肥料
【水やりの仕方】
・ 水は、鉢の表面の土が乾いたら株の際からたっぷり与えるようにします。
花やつぼみは水に弱い性質を持っているので、開花中は水がかからないよう十分注意しながら水やりをします。
【肥料の与え方】
・ 液体肥料を1週間に1回
・ 化成肥料を1か月に1回これを、定期的に与えます。
ただし真夏は生育自体が弱まるので肥料は与えません。冬も同様です。
★ 花がらや枯れた葉はこまめに摘み取る
・ 咲き終わった花(花がら)や枯れた葉は放置しておくと病気の原因になるので、こまめに摘み取ります。
スプレー咲きのカーネーションでは、花がらとともに余分なつぼみも取り除くと、花が咲きやすくなります。
★ 花が終わったら切り戻そう
・ 一通り花が咲き終わったら、茎を2節目で切り戻すと、次の花茎が伸びやすくなります。切り戻しの目安は梅雨前と秋です。
また、冬には茎の長さを全体の3分の1程度に刈り込み、部屋の中でよく日に当てておくと、春に芽吹きます。
★ 株が大きくなったら植え替える
・ カーネーションは根詰まりを起こしやすい植物でもあるので、大きくなってきたら一回り大きな鉢に植え替えましょう。
苗から育てる方法
次に苗を購入して育てる方法をお伝えします。植え付けの時期は9月頃が最適です。カーネーションに向いた土は、水はけと通気性の良い土です。
【おすすめの土の割合】
★ 小~中粒の赤玉土5:ピートモス3:バーミキュライト2の割合
この割合で混ぜた土を用意しましょう。苦土石灰も一緒に混ぜ込んでおくと、さらに育ちが良くなります。
植え付けたらしっかり根付くまで十分に水やりをして、その後は過湿に注意します。後は前の項目のように、明るく風通しの良い場所で育て、お手入れを欠かさず行います。
種から育てる方法
カーネーションは種も市販されていますので、こちらも育て方をお伝えしておきます。
【カーネーション、種からの栽培法】
① 9月下旬頃に、連結ポットに種蒔き用の土を入れます。
② 種をひとつづつ置きます。
③ 薄く土を掛けましょう。
④ 十分に水やりをします。
⑤ 涼しいところで発芽させます。
本葉が4~5枚になったら3号のポットに移植して、春まで日当たりの良い室内で育てます。時期が来たら、前項と同じように土を用意して植え付け、育てます。
カーネーションの種類とお手入れの仕方、そして育て方のお話はいかがでしたか。なお、カーネーションはさし芽でも増やすことができます。
茎の節目から出てくる、5~6cmに育った「わき芽」を土に挿し、根が出るまでは水分が蒸発しないよう半日陰の場所で育て、しっかり育ってきた時点で鉢に植え替えればOKです。鉢植えのカーネーションを増やしたいと思ったら、この方法を試してみてくださいね。
カーネーションのの花を楽しむためには、様々なお手入れをし、育て方のポイントを常に踏まえていく必要があります。それでも元気に育ち、たくさんの花を咲かせてくれたら、きっとその作業も楽しみに変わります。
花がたくさん咲いたら、少しずつ贈ったり、自分でフラワーアレンジをして楽しんだりと、さらに楽しみの幅が増えていきます。まずは一鉢からチャレンジして、カーネーションを楽しみましょう!
まとめ
カーネーションの育て方☆気になる種類とお手入れ法
・3つの種類のカーネーションの咲き方を知っておく
・鉢植えで楽しむならば、「ポットカーネーション」をチョイス
・鉢植えは木陰で明るく、風通しの良い場所で育てる
・苗から育てる時は、適切な割合の土を用意しよう!
・種から育てる時は連結ポットで、発芽させる