秋は花を植えて、秋冬のガーデニングを楽しむには、ピッタリの季節です。庭仕事をするのによい気候であるだけでなく、夏の間に生育を止めていた植物たちにとっても過ごしやすい季節なのです。
秋の花…、つまり秋から冬にかけてが開花期の花々もたくさんあります。秋から冬へと季節が移り変わる時期は、草や樹木も枯れ色に包まれ、少しもの淋しく感じられるかもしれません。けれどもガーデニングの植物の中には、秋の花や冬を明るく彩ってくれる可憐な花がいくつもあり、私たちの目を楽しませてくれます。
秋に植えた花が長く咲き続け、住まいの周辺を飾ってくれたら素敵ですよね。庭がある方は秋の花を庭に直接植えてもいいですし、鉢やコンテナを使って狭い空間でも季節を感じるガーデニングをすることができます。それぞれの暮らしに合った方法で、秋の花との暮らしを楽しんでみませんか?
そこで今回は、秋に花を植えて、その冬まで楽しむことができる、初心者でも育てやすい秋の花々をお伝えします。秋の花を小さな鉢を愛でたり寄せ植えにしたり、あなたなりのガーデニングを工夫して楽しんでください。
秋に花を植えて楽しむ☆
育てやすい秋冬に咲く花々
秋の花、ユリオプスデイジー
秋の花ユリオプスデイジーは花が少なくなってくる、秋の終わりごろから冬にかけて咲く、黄金色の秋の花です。原産は南アフリカで、キク科の丈夫な常緑多年草。切れ込みのある灰緑色の葉も特徴的です。
【 秋の花:ユリオプスデイジーを育てる 】
☆ ガーデニング用の秋の花、ユリオプスデイジーは矮性のものが多く出回っています。
・ この矮性の鉢花を購入して、寄せ植えなどに用います。寒さに強く冬でも戸外に置くことができるので、初心者にもおすすめ!
秋の花ユリオプスデイジーは、日当たりがよく北風の当たらない場所で育てるのが、元気に育てるポイント。鉢土が乾いたらたっぷりと水を与えます。春と秋に薄い液肥を10日に1回施してください。
室内植物として人気、セントポーリア
室内で育てることができるので、室内植物の鉢花の女王とされる秋の花が、セントポーリアです。秋から冬にかけて、花の色や葉の形が様々な美しい花を咲かせて室内を彩ってくれます。元々は青紫の花だった原種から、約1万種ほどの園芸品種が作り出されています。
【 秋の花:セントポーリアを育てる 】
☆ 秋の花セントポーリアは、葉に厚みとつやのあるものを選びます。
・ 中央に出てくる新しい葉が上を向いていることもポイントです。栽培適温は18℃から25℃とされています。
直射日光は大敵ですので、レースのカーテン越し程度の光で育ててください。週に1度に汲みおきした水を与えます。春と秋に薄めた液肥を月に1、2度施します。
丈夫で愛らしいオキザリス
秋から冬の時季に、長く花を楽しむことのできる秋の花オキザリスは、育てやすい植物として知られています。中央アメリカから南アメリカ、南アフリカなどを原産とするカタバミ科の球根植物です。種類が豊富で開花期も長く、寒さにも比較的強いという特徴があります。
【 秋の花:オキザリスを育てる 】
☆ 秋に出回るポット苗は、花や葉の色が鮮やかでしっかりしたものを選びます。
・ 日当たりのよい戸外に置いてください。オキザリスは光に反応して開花するという特徴があります。
過湿を嫌うので乾かし気味に管理し、鉢土が乾いたらたっぷり水を与えます。生育期に緩効性の置き肥を施してください。
華やかなエラチオールベゴニア
シュウカイドウ科のエラチオールベゴニアは、豪華に花をつけるのが魅力の非耐寒性多年草の秋の花です。赤やピンクの華やかな秋の花が、株全体を覆うように咲きます。一鉢だけでも花かごのようにボリュームが出る、秋冬の鉢花です。
【 秋の花:エラチオールベゴニアを育てる 】
☆ エラチオールベゴニアは、茎が太くて伸びすぎていない株を選びます。
・ つぼみが多くついているものがおすすめです。春と秋には戸外の半日陰に置き、真夏は50%ほど遮光してください。
冬は室内のレースのカーテン越しの窓辺に置きます。鉢土が乾いたら水をたっぷりと与えることが丈夫に育てるポイント!冬は水やりを控え、開花期には月に2、3回液肥を施せばバッチリです。
愛らしく人気の花、パンジー
パンジーはもともと春の草花ですが、園芸の世界では秋から植えることのできる花として定着しています。秋から翌年の春頃まで花を楽しむことができ、品種も多彩なので人気があります。小型のパンジーはビオラと呼ばれ、区別されます。
【 パンジーを秋に育てる 】
☆ 秋からパンジーを育てるには、冬越しが鍵です。
・ パンジーを丈夫に冬越しさせるためには、秋のうちに根をよく張らせることが大切。日当たりを好むので日光によく当ててください。
心配に思う人もいるかもしれませんが、寒さには強い傾向があります。水やりは鉢土が乾いたらたっぷり与え、植えつけ時に緩効性肥料を施して、開花期には10日に1回液肥を施していれば、安心です。
明るい花を咲かせるシャコバサボテン
晩秋から冬にかけて、室内を明るい色の花で彩ってくれる、秋に花を植える植物が、シャコバサボテンです。原産地のブラジルでは熱帯雨林の木の幹に着生するサボテンの仲間です。自然状態では12月頃に開花するので、「クリスマスカクタス」とも呼ばれます。
【 秋に花を植える植物:シャコサボテン 】
☆ 秋に花のつぼみがついた鉢花が出回ります。
・ 葉が肉厚で葉の色が濃いものを選んでください。管理は日当たりのよい室内の窓辺で行います。
秋に花を植え始め、開花中は10日に1回ほど水やりをしますが、生育期の5月から7月は鉢土が乾いたらたっぷりの水を与えてください。生育期には緩効性肥料を与えますが、7月以降は控えます。
炎のような花びらのガーデンシクラメン
冬を彩るシクラメンの中でも、小型で耐寒性が強く育てやすいのがガーデンシクラメンです。地中海沿岸が原産で、花びらが反り返った形が印象的です。赤・紫・ピンク・白などの花色があります。
【 秋に花の準備を:ガーデンシクラメン 】
☆ ガーデンシクラメンは秋のうちに購入して、早めに植えつけるようにします。
・ 葉数が多く、花が真ん中に集まっていて全体の締まったものを選びます。
秋に花を植えつけるガーデンシクラメンは、日中は日当たりのよい窓辺やベランダに置いてください。鉢土が乾いたらたっぷりの水を与えます。開花中には月に2、3回ほど、1000倍に薄めた液肥を施してください。
秋に花を植えて楽しむ、秋冬の花々はいかがでしたか。秋や冬に開花する花を楽しむためには、秋から準備をしておくことが大切です。咲く花が少なく淋しくなってくる季節を、愛らしい花々で彩ってみてくださいね。
秋から冬へと移りゆく季節は、植物にとって気をつけたいポイントがいくつかあります。熱帯を原産とする植物は霜に当てないよう室内に取り込む必要がありますし、室内で育てている植物たちは窓辺で十分な日光に当てなければなりません。
あるいはセントポーリアのような直射日光を嫌う特性の植物もありますが、育てたい植物の好む環境をきちんと把握しておくようにすれば、安心です。
四季折々の花のある暮らしは心をなごませ、日頃の疲れを癒してくれます。冬越しが難しそうだからと秋冬のガーデニングをためらっている方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合は今回ご提案した秋の花を参考に、育てやすい植物を選んでみてださい。
きっと暮らしに豊かさを運んできてくれるはずです。
まとめ
秋から準備を始めて楽しむ、秋冬に開花する育てやすい花々とは
・晩秋に咲く黄金色の花、ユリオプスデイジーを寄せ植えに
・室内植物の女王とされるセントポーリアに直射日光は大敵
・丈夫で愛らしいオキザリスは、光に反応して開花する
・一鉢でも華やかなエラチオールベゴニアは、半日陰に
・愛らしく人気のパンジーも寒さに強く、秋から始められる
・明るい花のシャコバサボテンは日差しの当たる室内に
・ガーデンシクラメンは秋のうちに購入して、早めに植え付け