ベゴニアの種類を知って上手く育てる5つのコツ

ベゴニアの種類を知って上手く育てる5つのコツ
初心者でも管理のしやすいベゴニアは、種類が豊富で花の色数も多いので色々な種類をたくさん集めたくなる花ですよね。大きさもデッドスペースの隙間埋めにちょうど良い小さな鉢から豪華な大鉢まであります。

複数の種類の栽培や寄せ植えなどのアレンジも楽しい花ですが、ベゴニアの種類は原種だけでも2000種類を超え、交配されたものを合わせるとその倍以上とかなりの種類を持つのです。

ベゴニアは木立性・球根性・根茎性と大きく3つの性質に分けられ、そこから更に8つの種類に分けられ、種類によって適した環境や育て方が異なるため、ベゴニアの種類に合わせたお世話をしてあげないと元気がなくなったり上手く育たない場合があります

ベゴニアの種類に合わせた育て方はこれからベゴニアを育てたい人や新しい種類のベゴニアを増やしたいと思っている人にはぜひ知ってほしい知識です。そこで今回はベゴニアの種類を知って上手く育てる5つのコツをお伝えします

 

ベゴニアの種類を知って

上手く育てる5つのコツ

 

木立性ベゴニアとセンパフローレンスベゴニア

木立性ベゴニアは種類の多いベゴニアの中でも育てやすいタイプのベゴニアです。茎の形状や性質で矢竹型・そうせい型・多肉茎型・つる性型の4つのタイプに分けられます。ベゴニアと聞いて多くの人がイメージするキュッと丸い艶のある葉に小さな花をたくさんつけるベゴニアはセンパフローレンスベゴニアと呼ばれる種類です。

このベゴニアは8つに分類されるベゴニアの中で最もポピュラーであり、園芸初心者でも育てやすい品種です。四季咲きベゴニアとも呼ばれるこの品種は開花の時期がベゴニアの中でも長く、4月の中頃から12月頃まで繰り返し小さな可愛らしい花を楽しませてくれます

基本的にベゴニアは暑さに弱い花ですが、センパフローレンスベゴニアは猛暑でなければ屋外でも夏越しできる品種です。花数や葉数の多いベゴニアは密度が高いと蒸れてしまってカビや病気の原因になりますので、花後や間延びしてきた際に風通しが良くなるようバランス良く切り戻します

夏に切り戻しする場合は、夏の暑さでそのまま弱ってしまうことがあるので深く切り戻さないようにします。花がらや傷んだ花や葉をこまめに取り除くことも病気の予防になる大切な作業です。この作業はベゴニア全ての種類に共通して必要です。

 

球根性ベゴニアの仲間の種類と育て方

球根性ベゴニアは5月の半ば頃から11月までの間を開花期とし、大輪の立派な花を咲かせる品種で、少しだけ名前の違う球根ベゴニアは球根性ベゴニアを交配させた種類で、咲き方や樹形のバリエーションが豊富です

暑さにとても弱いのにもかかわらず、開花期は暑い時期になるので綺麗な花を保つのが難しいのですが、夏場は明るい日陰や冷房のきいた室内で育てることで花を長持ちさせることができます。これらのベゴニアは茎を真っ直ぐ伸ばす直立型のものと、下に垂れ下がる下垂型に分かれます。

直立型のベゴニアは花の重みで曲がってしまったり折れてしまうので、蕾が見えたら支柱を立てます。茎の先には雄花と雌花の2種類の花をつけるのですが、大きな花を咲かせたい場合には真ん中の雄花を残して両脇の雌花を指で引っ張るようにして摘んでやります

雌花は一回り小さい上に、花の裏の額が三角錐のような形になっているので簡単に見分けがつきますから、見分けがついた段階で早めに摘む方がより大きく鮮やかな花を咲かせることができます。

休眠期である冬の間は球根の状態で過ごし、水や肥料を与えません。球根性ベゴニア、球根ベゴニアは育てるのが難しいですが、大きな花を咲かせることができたときの感動は他のベゴニアでは得られません。

ガーデニング経験の豊富な人にはぜひチャレンジして欲しい種類のベゴニアです。球根性ベゴニアや球根ベゴニアとは少し違った見た目でエラチオールベゴニアという種類のベゴニアがあります。リーガースベゴニアという品種が有名なエラチオールベゴニアは、球根ベゴニアを親に持つベゴニアです。

バラのように華やかな咲き方をするボリュームのある花をたくさんつける種類で花もちも良く、鉢植えを置いているだけで花束を飾っているような豪華さを感じることができ、一般家庭でも比較的育てやすいため大変人気な種類です

他のベゴニア同様直射日光に弱いので明るい日陰かレースカーテン越しに日光浴ができる室内で育てることが望ましく、室内で育てることを考慮して底面給水鉢で売られていることも多いです。室内で育てる場合はこまめに換気をして自然風を通すようにして下さい

 

根茎性ベゴニアとレックスベゴニアの特徴と育て方

ベゴニアの種類の多くは色鮮やかな花を咲かせるのですが、根茎性ベゴニアとレックスベゴニアは他のベゴニアとは違い主に葉の美しさを楽しむベゴニアで、斑入りの葉や、赤や薄紫の変わった色の葉、丸い葉に黒褐色が放射状に入ったものなど葉のバリエーションが豊富です

葉は派手ですが花は小さく控えめなので、他の花の引き立て役として側に置いたり植えたりするとガーデニングスペースをよりお洒落に演出することができます。根茎性ベゴニアは「根茎」という地面に接した部分から地中に根を伸ばす変わった茎を持つベゴニアです。この性質から、茎は地面を這うように伸びていきます。

根茎性ベゴニアはテラリウム栽培にも向いているので鉢花とは違ったお洒落なインテリアとして楽しむこともできます。レックスベゴニアは根茎性ベゴニアを交配して生まれたベゴニアなのですが、様々な品種との交配を繰り返して今では根茎性だけではなく木立性や球根性のものも存在する明確な分類が難しいベゴニアです。

基本的には根茎性ベゴニアと同じ育て方をしますが失敗なく育てるにはどの性質にあたるのか確認する必要があります。これらのベゴニアは熱帯や亜熱帯の森林といった日当たりが悪く湿度の高い場所に自生している種類のため、 強い日差しや乾燥に特に弱い性質を持ちます。

通年木陰や日陰の涼しい場所で育て、乾燥する季節には霧吹きをして湿度を上げるようにして下さい。この弱点は日当たりの悪い場所でも育てられる植物として、日当たりの良い環境を用意できない人にとってはメリットになります。

 

冬咲きベゴニアを上手に咲かせるための注意点とは

一般的に冬には花を咲かせないベゴニアですが、冬咲きベゴニアは秋の終わりから春までの間花を咲かせてくれるベゴニアです。開花時期がクリスマスの時期であることから、クリスマスベゴニアとも呼ばれています。

他の種類のベゴニアと開花時期が逆のため、水やりや肥料も冬に与え、夏には控えるようにします。梅雨が終わったぐらいから夏にかけては、摘心をこまめにして枝数を増やすことによって花数を増やすことができます。

夏は他のベゴニアと同じく極力涼しい場所で育てて下さい。冬咲きベゴニアは夏から秋の日照時間の変化に反応して花芽をつける植物です。あまり早くに室内に取り込んで明々とした部屋などで育てていると花芽をつけないことがあるので、秋の間は朝晩と日中の気温の変化が激しくない場所で育てます

冬は室内に取り込みますが、乾燥が苦手で花を落としてしまうので暖房のきいた場所には置かないようにするか、霧吹きなどで湿度を保ちます。せっかくの冬咲きベゴニアも日照不足だと花を咲かせることができませんから、日中は日光を十分に浴びることができる明るい場所に置いて下さい

 

8つのベゴニアの種類に共通する注意点とは

同じベゴニアでも見た目や性質の違いから全く違うような花に感じてきますが、ベゴニアの種類全てに共通する注意点もあります。ベゴニアは花や葉に雨が当たると傷んでしまいます。

傷んでしまったところをそのままにしておくと、そこから病気や腐敗が始まってしまうので綺麗な花と葉を保つためにも雨の日には鉢を移動させたりして雨に当たらないようにします。雨だけではなく暑さ、寒さ、直射日光も避けなければいけませんから、場所の移動を楽にするためにも基本的に鉢植えで育てます

購入時に底面給水鉢という鉢底に水を入れて管理する鉢に植えられているものはそのままでも構いませんが、そうでないものでプラスチックの鉢に植えられているものは鉢が熱を持ちやすく、水はけも素焼き鉢に比べて悪いので素焼き鉢に植え替えておくと夏場の暑さ対策にもなります

購入から日がたっているもので、鉢底から根が見えるようであれば5月頃に植え替えをします。その際古くなった土は新しいものに入れ替え、傷んだ根は取り除いてから植え替えます。使用する用土は水はけの良いもので育てます

ベゴニアは種類が多くそれぞれ性質が違うためにベゴニア専用の土というものはあまり売られていませんが、通気性の良い一般的な花の土に腐葉土を少し混ぜたり観葉植物用の土を使うことで初心者でも手軽にベゴニアの好む土に近いものを用意できます。

土の配合ができる人であれば、ピートモス、赤玉土、バーミキュライトもしくはパーライト、鹿沼土や腐葉土を3:3:3:1で配合したものをベースに、根茎性のものや大きな花を咲かせる球根ベゴニアなどは少し重ために作ることをおすすめします。

次に水やりの注意点ですが、ベゴニアの水やりは土の表面が乾いてから午前中に行います。夏場の水やりは気をつけなければ土の多湿が苦手なベゴニアが枯れてしまう原因になります。

比較的気温の低い朝方に水を与え、鉢の温度が上がりにくいように周りに打ち水をします。暑さで心配になりますが、過度な水やりをしないためにも土の表面が乾いてから水を与えることを守って下さい

夏の暑さには水やりを増やすのではなく直射日光の当たらない日陰に置き、鉢が直接地面に触れないようレンガやフラワースタンドを利用したり二重鉢にするなどして対応します。冬咲きベゴニア以外のベゴニアは秋口から徐々に水やりを控えめにしていくようにして下さい。どのベゴニアも、寒い冬は室内に取り込みます

レースカーテン越しに光が入る場所が置き場として適していますが、ガラス窓のすぐ近くに置くと朝晩の冷え込みによってダメージを受けてしまいますから、窓からは少し離して置くか窓辺にスペースがないなら十分に光量を得られる場所に置いて下さい

 

いかがでしたでしょうか。ベゴニアはどの種類もデリケートなため、どれほど手入れに気を遣っても気候によって枯れてしまったり病気にかかってしまうことがあります。根詰まりで元気がない程度なら植え替えで復活することもあります。

どうにも立ち直れないこともしばしばある花なので、その場合は残念ではありますが思い切って処分して、新しいベゴニアを育てましょう。処分せざるを得なくなったベゴニアが植えられていた鉢にもう一度ベゴニアを植える場合は、病気の予防のために必ず鉢を消毒して、新しい土を使うようにして下さい。

何千種類とあるベゴニアですから、育て方も人それぞれで正解もありません。もう一度同じ種類にチャレンジしても良いですが、今回は自分に合わなかった品種だったと割り切って、新たに違うベゴニアを育ててみると案外長生きすることもあります。

せっかく種類豊富な花ですから、初心者も経験者も自分にぴったりのベゴニア探しをしてみてはいかがでしょうか。育て方も今回お伝えしたポイントや色々な情報を元にして、自分のベゴニアに合ったベストな育て方を見つけられるように工夫してみて下さい。

まとめ

ベゴニアの種類で育て方を迷わないために覚えておきたいこととは

・花がらや傷んだ部分はこまめに取り除いて病気の予防をしよう
・大きな花を咲かせるベゴニアは蕾が見えたら必ず支柱を立てること
・大きな花を咲かせたり根茎性のものには腐葉土を足そう
・根茎性・レックスベゴニアには葉水を与えよう
・ベゴニアの種類によって水やりを調整しよう


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