先祖代々何代も前から続いている家では先祖供養をするために仏壇がありますよね。仏壇は親から子へ引き継かれていきますので、家で引き継がれている仏壇のマナーや伝統などを親から子へ伝えられます。
家に仏壇がある人は仏花についてある程度は知っているかもしれませんが、詳しくわからない人がほとんどでしょう。スーパーで買い物をしている時に携帯電話がなり電話に出てみると、「仏壇に供えている仏花が枯れてきたから新鮮で綺麗な仏花を買ってきて」と言われたらどうしますか?
もし仏壇について何も知らない人ならば、まず仏花がどんな花なのかわからないため、どんな花を買っていけばいいのかわかりません。こんな時は仏花にできるおススメの花を聞くため、勇気を出して店員さんに事情を説明してみます。きっと店員さんが親切に仏花用の花束を教えてくれるので、おススメの花束を買って家に持ち帰りますが、この時にどんな花を選べばよかったのか気になりますよね。
そこで今回は仏花としてどんな花がふさわしいか、また供え方のマナーなどについてお伝えします。ではご覧ください。
仏花とは2束で1セットの花
まずは仏花の基本を押さえましょう。
仏花とは仏壇やお墓に供える花で、両脇においてある花瓶や花差しに水を入れて花を活けます。基本的に同じ花束を2束用意して両脇の2か所に活けます。
仏花の生花が伝える生命の儚さ
仏壇やお墓に供えられた仏花の向きはお参りをする人へ向けられています。なぜお参りをする人に向けているのでしょうか?
仏花の生花は美しく咲き誇る時期を経て、やがて枯れていきます。私たち日本人は平均80年以上生きていくので、いつもの日々が繰り返されているように錯覚しがちです。
生花の一生はとても短いですが人の一生とよく似ていて、最後にはどちらも土に帰ります。まるで、人生の先輩のように私たちに生命の儚さを伝えています。
新鮮な仏花は仏様を敬う気持ち
新鮮で綺麗な仏花を見ていると心が洗われていきます。仏壇の中の世界に仏様はいますので、綺麗な仏花を供えることで仏様の世界を綺麗にしたい想いが伝わります。
仏様を敬う気持ちはとても大切ですが、毎日新鮮な仏花を用意していくことは大変です。仏壇の中の世界にいる仏様が綺麗な世界で暮らしていけるように、いつも仏様を想いお祈りすることが大事です。
仏花として多く使われている菊
菊は、季節を問わず仏花として用いられています。菊は一年中生産が安定していて、香りは邪気を払うと言われています。花持ちがとてもよく水はけもいいので、一般的な仏花として有名です。他に仏花として季節問わず使われているのは、カーネーションと小菊です。
春になると、アイリスとキンセンカが仏花として使えます。夏になると、キンギョソウとリンドウとグラジオラスとケイトウが仏花として使えます。仏花を探している時に迷ったら、菊やカーネーションが入っている花束を買うと失敗がないでしょう。
法事などで使う豪華な仏花を探している時は、大きめの菊や百合が入っていると見栄えがよく花束も大きくなります。
仏花は本数と組み合わせ方が大事
基本的に仏花の本数は奇数が一般的で、3本、5本、7本、がいいと言われています。仏花の色は本数により変わりますが、一般的に明るい色を使います。三本の場合は、白、黄、紫、がよく、五本の場合は、白、赤、黄、紫、ピンク、をメインにします。
仏花の形は、長めの花を一本を中心にひし形になるのが一般的です。仏花の長さや色のバランスを整えて、全体的に明るい色でひし形になるように作ります。
仏花として使ってはいけない花の特徴
仏花を選ぶ中で使ってはいけない花がありますので、ご注意を。
散りやすい花や傷みやすい花は、花差しに活けても長く持たないため使いません。毒のある花や臭いがきつい花、棘のあるバラは仏花として使いません。
仏様への気持ちが一番優先される
今まで仏花についてたくさんのルールを書きましたが、どんなルールよりも仏様を想う気持ちが優先されます。今までの伝統がルールのようになっており、最近では気持ちがあればどんな花を供えても問題がないです。仏様が生前好きだった花を仏花として供えると、きっと喜んでもらえるのではないでしょうか。
基本的に仏花は生花と言われていますが、毎日仏花を変えるのは経済的にも負担になり気持ちの面で辛くなる場合があります。
悩んだりして気持ちが辛くなるのは良くないので、こういう場合は仏花を造花に変えます。造花は生花のように枯れてしまうことがなく、長い間供えることができるので経済的に負担が少ないです。
法要やお彼岸やお盆など、特別な日には生花の仏花を供えます。造花と生花を時によって使い分けるのもいいのではないでしょうか。
仏花の知識が増えてから花を買いに行くと、自分好みの花束が作れるようになりますね。
仏壇の世界にいる仏様へのメッセージとして仏花の組み合わせを考えたり、生前の仏様をイメージして仏花の組み合わせを考えたり。どちらも仏様を想って仏花を選びますので、とても素敵な花束が作れるでしょう。
仏様が生前に好きだった供物と、自分好みに作った花束を仏花として仏壇に供えたら、仏様はきっと喜んでくれます。毎日仏様と向かい合って手を合わせてから花束を見ると、仏花は今日も優しく語りかけてくれるでしょう。
まとめ
仏花を供えるマナーと花の選び方
・仏花とは2束で1セットの花
・仏花の生花が伝える生命の儚さ
・新鮮な仏花は仏様を敬う気持ち
・仏花として多く使われている菊
・仏花は本数と組み合わせ方が大事
・仏花として使ってはいけない花の特徴
・仏様への気持ちが一番優先される