寄せ植えは、鉢の中に様々な植物を組み合わせることによって、四季折々の表情を楽しむことができます。たとえ広い庭がなくても、マンション暮らしでも、季節を感じて生活したいですね。寄せ植えを日常の風景に取り入れて、季節ごとの美しい花々の様子を楽しみませんか?
寄せ植えをする際の基本となるのが、性質が似ている植物を組み合わせることです。植物の原産地の気候や風土によって、植物ごとに栽培特性が違ってきます。同じコンテナの中で、いくつかの植物を育てるには好む環境が似たもの同士を組み合わせる必要があります。
また、センスよく花々を組み合わせるにはカラーコーディネイトや形のバランスなども重要なポイントになります。これらの点もふまえて、季節感のある寄せ植えを作ってみてくださいね。
今回は季節を彩る寄せ植えの組み合わせ方をお伝えします。四季やイベントを意識した、楽しい花々の組み合わせを考えていきます。寄せ植えを作る際のヒントとして役立ててみてください。
寄せ植えのデコレーション☆
季節を彩る組み合わせ
八重咲きのラナンキュラスで春を感じよう
3月から4月にかけて花を咲かせるラナンキュラスを使って、春先を明るく彩る寄せ植えを作りましょう。キンポウゲ科のラナンキュラスは、豪華な八重咲きが見事な花です。朱色のラナンキュラスをメインに、白いゼラニウムとクローバーを組み合わせます。
【 ラナンキュロスとクローバーの寄せ植え 】
① 背丈の高いラナンキュラスとクローバーを交互に植えていきます。
② ゼラニウムも生長すると立ち上がってきますので、クローバーのような葉もので空間を埋めるようにしてください。
チューリップやパンジーでにぎやかに春を飾ろう
春らしいチューリップやパンジーの花をふんだんに使った寄せ植えはいかがですか。ブルー系のパンジーとイエロー系のパンジーのように、2種類以上のパンジーを組み合わせるとインパクトが出ます。
【 チューリップとパンジーの寄せ植え 】
① 中央に背が高くなるチューリップを植えます。
② チューリップの周囲にパンジーを配します。
③ 苗の間をグリーンで埋めていきます。
苗の間に植えるグリーンは、シロタエギクやアイビーがおすすめです。パンジーがカラフルな時は、チューリップは白など落ち着いた色がよいかもしれません。パンジーのいずれかの色と同系色を選んでもまとまりがよいです。
ハーブの寄せ植えで夏を爽やかに演出しよう
ハーブは実用性があるだけでなく、見た目にも上品で可憐な印象があります。過湿にならないように、素焼きの鉢を使うのがおすすめです。葉の形や色合いもそれぞれに特徴があるので、育てるのが楽しい寄せ植えです。
【 いくつかの種類のハーブを寄せ植え 】
① 背の高いフェンネルやルコラ、カモミールなどを背景に植えます。
② 中間にラムズイヤーやセージなど、やや低いハーブを植えます。
③ 手前にはラベンダーやパイナップルミント、ヘリクリサムなどを配します。
このように、背の高さの順番に段々と植えて行くと、バランスよく仕上がります。風にそよぐ様子も美しい鉢になり、人気の寄せ植えアレンジです。
カリブラコアの夏らしいハンギングを作ろう
カリブラコアはナス科の多年草で、ペチュニアの仲間です。ペチュニアよりもまめな切り戻しをする必要がないので、管理は楽です。
コンテナが小さくても栽培できるため、育てやすい植物です。5月から10月頃に咲くので、爽やかな夏のハンギングバスケットを作ることができます。
【 カリブラコアの寄せ植えハンギング 】
① 落ち着いた黄色のカリブラコアを中心に配します。
② 小花を咲かせるロベリアを配します。
③ 縁の周囲をシルバータイムで飾ります。
カリブラコアとロベリアの小花で、ナチュラルで愛らしい雰囲気の鉢植えができます。バスケットから咲きこぼれる花の様子が素敵です。
秋の訪れを感じさせる花々を組み合わせよう
紫色の花をメインにした寄せ植えは、シックで上品なイメージがあります。夏から秋への移り変わりを感じさせる、落ち着いた色合いの寄せ植えを作りましょう。
【 紫色がメインのシックな寄せ植え 】
① 濃い紫色のサルビアを背景にします。
② 淡い紫色のブラキカムやノコンギクといった愛らしい小花を植えます。
③ ほふく性のあるラミウムやヘデラを手前に這わせます。
ほふく性の植物を手前に這わせることで、全体に動きが出ます。アクセントとしてメギの葉のような黄色の葉ものを加えると、コントラストが美しい秋のアレンジになります。
ベニカエデと赤い実で紅葉を楽しもう
落葉するベニカエデに常緑樹や秋の草花を加えて、深まっていく秋を楽しむ寄せ植えを作ってみるのも、季節を感じるガーデニングで赴きがあります。紅葉する木は美しいですが、落葉後が淋しくなるので様々の種類の草木を組み合わせることによって、長く楽しめる鉢になります。
【 ベニカエデと赤い実の寄せ植えアレンジ 】
① 背丈のあるベニカエデを、奥の中央に植えます。
② その手前にガマズミやピラカンサのような、赤い実をつける木を植えます。
③ モクビャッコウやカルーナなど背丈の低いグリーンで、苗の間を埋めていきます。
さらに愛らしくアレンジしたいならば、手前にビオラやアリッサムなどの小花を添えると愛らしく仕上げることができます。
赤いシクラメンでクリスマスを飾ろう
クリスマスシーズンの寄せ植えは、赤と緑のクリスマスカラーを意識したものがおすすめです。赤いシクラメンをふんだんに取り入れて、インパクトのある美しい寄せ植えを作りましょう。
【 赤いシクラメンの寄せ植え 】
① シクラメンは2、3種類を組み合わせると華やかです。
② 赤い実がかわいらしいチェッカーベリーと、小花をたくさんつけるミヤマシキミをサブとして植えます。
③ その周囲にヘデラなどのつる性植物を絡ませたり、下に垂らしたりして動きをつけるとおしゃれに仕上がります。
シクラメンはフリル咲きのものやガーデンシクラメンなど、調べてみると様ざまな種類がありますので、好みの品種が見つかります。
季節を彩る寄せ植えの数々はいかがでしたでしょうか。愛情を込めて植物を育てながら、移ろいゆく季節を感じるのは素敵です。一つのコンテナの中にいくつもの植物を盛り込んでいく寄せ植えは、次第に独特の世界観が出来上がっていくのも魅力。出来上がった世界に、作る喜びもひとしおです。
今回お伝えした例をもとに自分なりにアレンジを加えて、あなただけの世界観を仕上げてみても、楽しいガーデニングライフが送れます。
植物には日光を好むものや、半日陰を好むものがあります。また必要な水の量も植物によって違いがあるものです。なるべく似たような環境を好む植物同士を組み合わせてあげるのが、ポイントです。
花と花を組み合わせる時に、同系色の組み合わせにすると相性よく仕上がります。逆にお互いを強調してインパクトを出したいのであれば、反対色を組み合わせるという方法もあります。数をこなすうちに、コツをつかむことができるはずです。
ガーデニングには注意すべきポイントもありますが、楽しく植物に親しむことが一番です。ぜひ季節ごとに咲く美しい花々に癒され、寄せ植えを楽しんでみてくださいね。
まとめ
季節を美しく演出する、おすすめの寄せ植えの組み合わせ・八重咲きのラナンキュラスは、クローバーと合わせて春を感じよう
・チューリップの周囲にカラフルなパンジーを散りばめて
・ハーブの寄せ植えは、背の高い順から低い順へ段々と配置を
・カリブラコアとロベリアの小花で可憐なハンギングアレンジ
・紫色のサルビアと淡い紫色の小花、ブラキカムでシックな秋
・ベニカエデと赤い実の寄せ植えは、カルーナなどの緑を添えて
・数種類のシクラメンと赤い実、ミヤマシキミの冬の寄せ植え