クロッカスの育て方に大切な5つの知識


北風が冷たい寒さの中で花を咲かせ始めて、春を告げる早春の花クロッカス。黄色や白の春らしい元気な花の色は、見る人の心も明るく元気にしてくれますよね。もしそんなクロッカスの育て方を覚えて小さな可愛らしい花たちと一緒に春を迎えられたら…。

想像するだけでとても素敵な春になりそうですよね。クロッカスは球根花で、鉢植えや地植えだけでなく、土を使わず水だけで育てる水栽培なら部屋の中で育てることもでき、育て方や楽しみ方はいろいろ。球根から育てたり、苗から育てたり、咲いた花を迎えたり。

自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができます。小さな芽を出して、茎が伸びて、やがて小さな蕾が膨らみ始めて。1日ごと数時間ごとにぐんぐん成長する自然の美しい力強さに、感動したり、目を奪われたり。

春の始まりをクロッカスと過ごす、季節を感じる豊かな暮らし。自然を取り入れた生活、ちょっと憧れますね。そこで今回はクロッカスの育て方に大切な5つの知識についてお伝えします。

 

クロッカスの育て方に

大切な5つの知識

 

開花時期で品種を選ぼう

クロッカスはアヤメ科の球根花で、花丈2〜6cm、草丈5〜20cmの小さな植物です。花の色は、黄・紫・白・青紫・藤色などの種類があります。広く一般的に春に咲く花として知られていますが、開花時期は2種類。春だけでなく秋に咲く種類もあります。春もさらに早咲きの種類もあるので、どの時期に花を咲かせたいかで品種を選んでみましょう。

 

自分のライフスタイルに合わせて育てる場所と方法を選んでみよう

クロッカスは草丈も低くたくさんの花が咲くため、広いスペースの1カ所にまとめてたくさん植えたり、器の中にぎゅっと密植させると、ブーケのように花いっぱいでボリュームあるクロッカスを楽しむことができます。

地植えして花壇や庭の木々の根元にくっきりとした春の色を加えて楽しんだり、鉢やコンテナ、ハンギングバスケットに植えれば、玄関周りやベランダなど土のないところにも彩りをそえることができます。水栽培なら、部屋の中で秋から春までに球根から根が伸びていく様子を楽しめたり、一緒の空間で生活して成長を身近に楽しめるという魅力もあります

植物を育てるときに気になる、虫のつく心配がほとんどないのもクロッカスを育てるうれしいポイントです。どんな場所でどんな風にクロッカスを育てたいのか、自分のライフスタイルに合った育て方を選んでみましょう

 

苦手なことから守ってあげよう

クロッカスは植え付けから花が咲き終わるまで、日当たりのよい場所で、水はけのよい土で育てます。球根が腐ってしまわないように、土の乾燥や水分量を見極めて育てるのが大切なポイント

水栽培の場合は根だけが水に浸かるようにし、球根自体は水に浸からないよう注意が必要です。水やりは土の表面が乾いたら与える程度が原則ですが、芽が出てからは気温も高くなるので、乾きすぎに注意が必要です。

花が終わると土の中では新しい球根を育て始めるため、咲き終えた花を摘んで、葉が枯れるまで同じように水やりを続けます。水栽培の場合は、週に1回程度汚れやぬめりに注意して水を替えるようにします

春先のクロッカスなら植え付けは土植えも水栽培も10〜11月が適期(生育に適した温度は5〜15℃)、土は市販の草花用または球根植物専用の培養土を使用すると、失敗なく育てられます。

元肥入りの培養土を選べば、後で追肥の必要がないのでおすすめです。株間は球根2つ分程度の間隔、深さも球根2つ分程度で植えていきます。毎年花を咲かせたい場合は、新しい球根が土の中でしっかり育つように深めに植え付けます。

 

球根を増やしてみよう

クロッカスは、花が咲き終わった後に葉を茂らせ、栄養分を蓄えて、古い球根の上に新しい球根を育てて増えていきます。葉を切らないように注意して、カリ分が多めの肥料を与えましょう

地植えで水はけの良いクロッカスに適した環境なら、そのまま植えっぱなしで翌年も花を咲かせますが、高温多湿に弱いため、環境が悪ければ夏の間に土の中で球根が腐ってしまうこともあります。地植えでも水はけの悪い土に植えている場合には、6月頃に葉が枯れてきたら球根を掘り起こし、涼しい日陰でよく乾燥させ、風通しの良い冷暗所で夏を過ごさせましょう。

鉢やプランターの場合は、器ごと日差しや雨にあたらない涼しい場所に移動させたり、同じように堀り上げて球根の状態で保管します。水栽培の場合、翌年は土で植え付けをすれば、また花を咲かせることができます。

 

球根を整理しよう

堀り上げは鉢やプランターで育てる場合に必要なこと、というイメージをもたれがちですが、植えっぱなしで毎年花をつける地植えの場合でも、数年に1度程度の堀り上げが必要です。

何年もそのままにすると球根の数が多くなりすぎて窮屈になり、花をつけなくなることもあります。毎年の必要はありませんが2〜3年に1度程度、球根の数の多いものを分けたり、大きな型のよいものを残して小さいものを除くなど、定期的に球根の整理をしてみましょう。花が終わった後の丁寧なお手入れが、毎年春に元気なクロッカスの花を咲かせる秘訣です。

 

いかがでしたでしょうか。少し難しそうと思われがちな球根花クロッカスですが、育て方はとてもシンプルなのです。寒さに強く丈夫なので「日当たりと水はけに十分注意すること」「花が終わった後に新しい球根を育て、苦手な蒸し暑さから守って夏を冷暗所で過ごさせてあげること」。

こんなことに気をつけてあげるだけで、来年の春はまた元気に咲く花たちを見ることができます。花束のようにぎゅっと咲きそろうクロッカスと一度でも一緒に春を過ごしてみれば、花が咲き終わった後の、少し大変かなと思う球根の掘り出しや整理も、きっとまた来年の春を一緒に過ごすための楽しい準備の時間になっているはずです。

植物と一緒に生活していると、いつのまにか何気なく土や水の状態を確認したり、葉やつぼみを元気かなと気にしている自分に気がつきます。毎日、毎朝、決まった時間に、静かに植物とやりとりしながら心が落ち着いていく気持ちの良い時間

懸命に成長していく姿に励まされたり、膨らんでいく愛らしい蕾にわくわくしたり、咲きはじめた花を見て心がほっと和らいだり。小さな自然を暮らしのサイクルに取り入れて、季節を感じながら生活していきたいですね。

まとめ

クロッカスの育て方に大切な知識とは

・どの時期にどんな色の花を咲かせたいのか開花時期で品種を選ぶ
・自分のライフスタイルに合わせて育てる場所と方法を選ぶ
・育て方の基本ポイントを押さえて苦手なことから守る
・来年もクロッカスの花を咲かせたいなら球根を増やす
・毎年元気なクロッカスの花を咲かせる球根を整理する


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