カサブランカの花を長く楽しむ5つのコツ


カサブランカの花はユリの女王の別名に相応しい、広げた手に負けないぐらいの大きな花と甘く濃厚な香りを持つため、ユリの中でも人気の高い花ですよね。視界に入れば思わず心が惹かれる強い存在感を持っているので冠婚葬祭の飾り付けでもよく使われている花です。カサブランカはユリの仲間の中では花を咲かせるのが難しいデリケートな種類と言われています。

植え付けた最初の年は綺麗に咲いたのに翌年は花芽がつかないという悩みも多いのですが、育て方や花を長持ちさせるコツを知ればカサブランカを育てるのが初めての人でも3年は同じ球根で大きく美しいカサブランカの花を咲かせることができます。そこで今回はカサブランカの花を長く楽しむコツについてお伝えします

カサブランカに適した栽培環境で育てる

ユリを育てたことがある人は同じユリの仲間であるカサブランカも日当たりの良い場所に置いてしまいがちですが、カサブランカは西日を避けられる明るい日陰や、半日陰の風通しの良い場所を好みます。

置き場所の次に重要なのは鉢選び。カサブランカは水分や栄養を吸収する球根から伸びた茎から生える根と、球根の下から生える長い茎を支えるための根の2種類の根を伸ばすので、どちらの根も十分に育つよう球根3個分〜5個分の深さ、球根同士の間隔は20cm以上空けてに植えるのが鉄則。

必ず8号以上の深鉢を用意して下さい。この2つの根が十分に育たなければ翌年にも花を咲かせる力のある球根に育ちません。鉢の素材はできるだけ水はけの良い素焼き鉢や駄温鉢が向いているものの、土が入ると重みで鉢の移動が困難になるので丈夫であればプラスチック鉢を選んでも構いませんが、水はけの良い土にする工夫が必要です。

 

植え付けと植え替えの時期は逃さずに

カサブランカの植え付け時期は10月から11月の中旬で、地植えは3年、鉢植えは毎年植え替えを行います。植え付けと植え替えの時期が遅れると十分に根が育たず茎や花芽の生育にも問題が生じますから遅くても11月末までに済ませなくてはいけません

鉢植えで育てているカサブランカも花が終われば葉が自然と枯れるので、葉が全て枯れた頃を目安に植え替えを済ませますが、たまに11月中旬頃になっても葉が残っている場合があります。

11月中旬以降は新しい根が伸び始め、植え替え作業により根が傷つき病気に感染してしまう場合があるので11月中旬頃になれば葉が残っていても全て枯れるのを待たずに早めに植え替えを行いましょう。

また、翌年以降も元気なカサブランカを育てたいのであれば植え替え前の球根の消毒作業にもチャレンジしてみて下さい。掘り起こした球根は上根を手で切り離し、よく水洗いして綺麗にした球根を指示通りに希釈した消毒剤に30分程浸けてから日陰で数時間乾かした後、新しい土に植え付けます。この作業をすることで病気のリスクを減らすことができますよ

 

肥料を与えて不足しがちな養分を補う

植物は日光に当たり光合成することで栄養を作り出しますが、カサブランカは直射日光が苦手で半日陰で育てるため自ら作り出す栄養だけでは大きな花を咲かせるだけの栄養分を供給できませんから元肥、追肥、お礼肥を与えて栄養を補います。

植え付け時に使う培養土に元肥が混ぜ込まれている場合は元肥は必要ありません。地植えであれば1回目の追肥は春に芽が出る頃、2回めは夏にカサブランカの花が咲いた後に緩効性肥料を1株当たり10gを目安に与え、花が終わった後にも体力を回復するために1、2回目の追肥と同じ分量のお礼肥を与えます。

鉢植えの場合も地植えと同様の肥料の与え方で構わないのですが、固形肥料にすると水やりと共に肥料の栄養分が流れ出てしまうので1回目追肥の後から液体肥料を使用して固形肥料のサポートすることをおすすめします

液肥を芽が出てから花が終わるまで10日〜2週間置きに規定量を水やり代わりに与えることで安定した栄養を与えることができるからです。ただ、肥料の与え過ぎにメリットはないので肥料過多にならないよう1回ごとに与える量は規定の量を守って下さい

 

カサブランカの花が咲いた後は

カサブランカの花が咲いたら早めに花粉を取り除くことで花持ちが良くなります。カサブランカの花は真っ白なので、花粉の汚れも目立ちますから花粉を取り除くことには花を汚さないメリットもありますよ。

花粉を取り除く他にも、屋外であれば雨風に当てないようにしたり、室内であれば日当たりの良い場所に置き、換気して新鮮な空気と入れ替えるといった小さな気遣いもカサブランカの花を長持ちさせるために欠かせないポイント

花が終わった後は球根が育つ大切な時期で、この時どれだけ球根に栄養を蓄えられるかで翌年花を付けられるかどうかが決まりますから花が終わっても放っておかずに来年の開花のためのお世話が始まっていると思って丁寧に管理しましょう

まず、花が終わればすぐに花を根元から折り取って栄養が球根に送られるようにします。この時葉を自然と枯れるまで置いておくことで球根に送る栄養を作り出してくれますから、根こそぎ刈り取ってしまわないよう気をつけて

カサブランカの花を切り花にする時も同様に茎葉を半分は残しておくようにして下さい。次にお礼肥を忘れず施し、葉が自然と枯れるまで水やりは続けて植え替え時期を待ちましょう

 

できるだけ屋外で育てる

カサブランカの花が綺麗に咲いているうちはやはりいつでも眺めることができる室内に置きたくなりますが、来年の花も咲かせたいなら球根を育てるためにもできるだけ屋外で育てましょう

開花期に室内に取り入れたとしても数日間に留めておいたり、咲いた花を切り花にして室内で楽しんで鉢植えは外に置くなど、外に置いて日照不足の解消や風を通して病気の予防をすることでカサブランカの健康を保つことができます

また、寒さに当てなければ茎葉が十分花芽が作られませんから、芽が出てからは霜や凍結の危険がある時期だけは避けて、極力屋外で寒さに当てるようにします。鉢植えの場合は鉢植えを発泡スチロールで覆ったり、エアパッキンのような厚みのある梱包材で鉢植えを包んで寒さを和らげてやると中の土の凍結を防げます。

 

さて、カサブランカの花を咲かせるのは難しいと言われますが、言い換えれば育てがいのある花ということ。翌年も香りの良い大きな花が咲いた時は本当に頑張って育てたかいがあった!と感動できます。

今回お伝えしたコツを実践しながら手間をかけて育てれば翌年にもカサブランカの大きな花を咲かせられますが、2年目に花が咲かなかった場合、そのほとんどが寒さに当てるのが足りなかったか肥料不足が原因

例え2年目に花が咲かなくてもしっかり球根を肥らせれば3年目で開花する望みはあるので、もう1年だけ球根にたくさん栄養を送ることができるよう意識しながら肥料の量や回数、花後の管理を見直しながら頑張って育ててみて下さい。

また、カサブランカの花は蕾が出来てから開花まで時間がかかる植物ですから、蕾が出来たら開花時期である7〜8月まで水切れにならないように注意しながら焦らずじっくり待ちましょう。

まとめ

カサブランカの花を長く楽しむためには

・8号以上の深鉢に深く植えて2つの根をしっかり育てる
・10月からできる植え付け・植え替え作業は11月中旬までに済ませる
・肥料は適宜与えて開花や来年のための栄養を蓄えさせよう
・終わった花は葉を残して早めに折り取り、お礼肥を与えて球根を肥らせる
・半日陰の屋外で育てて日光と寒さに当てて育てる


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