観葉植物は水やりをきちんとしていれば虫や肥料の心配をあまりしなくて良いし、お部屋の空気を爽やかにしてくれますよね。でも、毎日朝晩の水やりを欠かさないのにどこか元気がないことがありませんか。
私たちの周りにある観葉植物は、その多くが雨の多い高温多湿な熱帯雨林などに自生していた熱帯植物です。よく温室に入るとムッとした熱気と湿度を感じますが、そのような場所では普段見かける観葉植物たちも通常の何倍もの大きさに育っています。
そして見るからに快適。ですから、観葉植物は水やりをすればするほどよく育つような気がするかもしれませんね。でも、実は観葉植物によっては水やりのしすぎが枯れる原因になることもあるのです。そこで今回は観葉植物の水やりに効果的なポイントについてお伝えします。
観葉植物の水やりに
効果的な5つのポイント
葉の大きさや厚さで水やりをみきわめる
同じ観葉植物でも、水やりを1週間忘れていてもそれほど見た目が変わらないものと、1日でぐったりしてしまうものといろいろです。その理由は、幹がしっかりしていて大きな葉を持っている観葉植物と極小の葉を茂らせる観葉植物では、身体の中にキープできる水分に差ができてしまうから。
小さい又は薄い葉を持つグループのアジアンタム、プミラ、ワイヤープランツ、シダ類は乾燥してくるとすぐにしんなりと元気がなくなります。一方葉が硬いか肉厚のグループのゴムノキ、サンセベリア、オリヅルラン、カポックなどは土が乾いたなと思ってから2、3日水をあげなくてもびくともしません。
観葉植物の水やりで神経を使うのは小さい葉の植物です。日当たりの良い場所なら毎日あげたほうが安心です。それ以外の観葉植物は、しんなりしてきてから水をあげても手遅れにはなりませんのであまり気を使わなくても大丈夫。
メリハリのある水やりを
観葉植物の葉の先端を見た時、全体にはこれといって変わったところはないのに先端の緑色が白っぽかったり、ピンとしていなかったり、茶色を帯びていたりすることはありませんか。もしその時に土が湿っていたら、根が傷んで水を吸えない状態になっているかもしれません。
植物には水だけではなく、新鮮な酸素も必要です。水やりすることで鉢の中に空気の通り道ができて根が呼吸できるというわけ。ですから、「水を切らさない」「気がついたら何度でもあげる」を繰り返しているとその呼吸ができないので、根腐れが起きてしまいます。
水やりの前後の鉢の重さを確認しておく・土の色をよく見る・爪楊枝などを刺して引き抜くなどの方法で土が乾いたことを確認してから、鉢底から水が垂れてくるまで水やりをすることで、鉢の中へ新鮮な空気と水を送ってあげましょう。観葉植物の水やりは特に、土の中に空気を通すためでもあることを心がけるのが大切です。
暑い時に日中の水やりは避ける
窓際やベランダに観葉植物を置く場合、直射日光がどのくらいの時間当たるかによっても観葉植物の水やりは変わってきます。特に春から夏の直射日光が照りつける昼間に水を与えると土の中の水分が温まり、その熱によって葉が蒸れて焼けてしまうという現象が起こりがち。
最近は猛暑の時期が長くなってきていますが、6月から9月上旬頃までの暑い時期には、朝9時前か夕方6時過ぎの陽射しが弱くなっている時間帯を見はからって水をあげることで土の温度の上昇を防ぐことができます。
受け皿に溜まった水を捨てる
観葉植物の水やりは「鉢底から水が垂れてくるほどあげる」が基本ですが、受け皿にたまった水を放置しておくと、鉢底が常に水に触れている状態になります。そうすると鉢の下の部分の土が湿ったままで酸素不足に。気温の低い時はその水が冷えて根を痛めますし、逆に気温の高い時はたまったホコリやゴミでカビが生えたり虫が出やすくなるのです。
それを防ぐため、水やり後に鉢底から水が垂れなくなったら受け皿にたまった水を捨て、鉢カバーに水漏れシートが貼ってある場合はカバーをはずして水を捨て、軽く水を切れば完了です。たくさん観葉植物があるとこの作業もけっこう面倒ですが、受け皿の水を捨てるまでが観葉植物の水やりです。そして時々は受け皿の掃除も忘れないように注意しましょう。
乾燥している時期は霧吹きで全身に水やりを
私たちが室内で快適に過ごすのに欠かせないエアコン。でも、観葉植物にエアコンの風は禁物!特に繊細な葉が特徴の観葉植物は乾燥した風にあたると、葉がチリチリになってあっという間に枯れることもあります。
植物の周りの湿度を下げすぎないために霧吹きで植物全体に水をかけてあげることを「葉水(はみず)」と言います。湿度の高い時は毎日葉水をする必要はありませんが、冬は寒さで観葉植物も生育が止まり水を吸い上げる力が落ちているので、全体に葉水をしてあげると葉から水分を取り入れて元気回復。
100円ショップにもおしゃれな霧吹きがありますから、観葉植物の水やりには必ず持っていたいもの。インテリアとしても素敵です。葉の大きな観葉植物は、葉水をしてしばらくしたら軽くティッシュペーパーなどで拭うと、表面のホコリが取れて驚くほど葉がつやつやしますよ。
いかがでしたでしょうか。一口に観葉植物の水やりといっても同じ種類の植物でも手のひらサイズから天井に届くくらいのものまでバラエティに富んだ大きさになっていることが多いため、品種だけで水やりの頻度を判断できないのが難しいところ。
水やりの感覚をつかむのには、透明な容器でハイドロボールやゼオライトなど土の代用になり根腐れを防止する資材を使っているものを選ぶのも、鉢の中が乾いているかどうかがよく見えるのでおすすめ。
もし土の表面にカビが生えてしまった時はすぐに取り除き、しばらく葉水だけにすることも回復の手段です。そして水やりしてもしみこまなくなったら植え替えの時期かもしれません。
どの観葉植物でもそうですが、特にミニ観葉は様子を観察しながら水やりをするのが大切。観葉植物は元気がなくなるとちゃんとそれなりのサインを出してきます。室内で私たちと一緒に生活しているパートナーとして、愛情をかけてあげて下さいね。
まとめ
観葉植物の水やりで気をつけるポイント
・小さい葉・薄い葉はひんぱんに、硬く分厚い葉は間隔をあけて水やりをする
・土に空気を入れるために土が乾いたら鉢底から水が出るほどたっぷりとあげる
・気温の高い時の水やりは水が温まるので涼しい時にあげる
・受け皿・鉢カバーの中に水をためない
・霧吹きで葉水をして全身に水やりをする