菊の花言葉に隠された5つの意味


菊と言えば仏花のイメージが強く、お供え用の花というだけでなく贈り物にする花としては向かない縁起の悪い花と一般的に認識されているので、菊の花言葉もあまり良くない言葉が付けられているのではないかと思いがちですよね。

縁起が悪いと言われているために菊をなんとなく敬遠してしまう人も多いですが、菊は国花であり、天皇の紋のモチーフにもなっている花ということを考えれば菊が悪い意味を持つ花ではないことがわかります。

大切に思っている故人のお墓に供える花に悪い意味が込められている花は向きません。菊は2万を超える種類を持ち、仏花という認識だけでは勿体無いぐらいそれぞれに美しさや可愛らしさがありますから、菊に込められた花言葉を知って菊のイメージを一新させて下さい。そこで今回は菊の花言葉に隠された意味についてお伝えします。

菊が格調高い花である理由とは

菊全般の花言葉は「高貴」「高尚」「高潔」と国花や天皇・皇室を表す紋章のモチーフである花に相応しい言葉が付けられています。菊の中でも菊花展で並んでいるイメージの強い直径18cmを超える花を真っ直ぐに伸びた一本の茎に咲かせる大輪菊はまさに菊全般の花言葉を表した姿と言えます。

「菊の御紋」の呼び名で知られる天皇や皇室を表す紋章の歴史は、自らの印に用いるほど菊の花をとりわけ愛していたと言われている後鳥羽上皇の時代である1183年に始まり、その後の天皇らも菊の紋を継承し、1869年には公式に皇室の紋として定められ、現在まで継承され続けています。

このように、古くから変わらず皇室で愛され続けているぐらい格調高い花とされている菊であるからこそお供えに使われているのであって、菊自身に忌み嫌うような悪い意味はありません。

 

菊が仏花として使われるようになった由来

仏花や献花のイメージが強い菊ですが、実は菊をお供えの花として扱うのは日本だけではなく、中国や韓国、フランスやイタリア、ポーランドなど、多くの国が菊を仏花や献花に使っています。

菊が日本でお供えの花として使われるようになった由来は「元々、菊をお供えの花として使うのはヨーロッパの習慣で日本はその習慣に倣って菊を使うようになったから」という説があります。

他には「花の香りがお香に似ているため」「国花であるから」「皇室を表す花で格調高い花であるから」など色々な説が挙げられますが「菊の花言葉のように品格のある花だから」という理由もそのうちのひとつ。

 

西洋での菊の花言葉とは

西洋では菊全般の花言葉は日本の花言葉と全く違う「cheerfulness=元気・上機嫌」と「You’re a wonderful friend=あなたはとても素晴らしい友達」の2種類で西洋での花言葉はお供えに使う花のイメージに囚われず菊の花の姿そのものが人々に明るい印象を与えていることがわかる花言葉ですよね。

日本での菊のイメージからはとても連想できない言葉ですが、一重の花を思い切り開かせて咲く菊も、ギュッと花びらが詰まった大輪の花を咲かせる菊も、それぞれに個性と生命力を強く感じさせてくれる花で、西洋の菊の花言葉はその魅力を上手く汲み取っていると言えます。

 

色によって違う菊の花言葉は

菊には赤、白、黄色と定番の花色それぞれに違う花言葉が付けられていて、鮮やかな赤や紅色の菊の花言葉は友人から恋人、家族まで幅広い相手に対して贈ることができる「愛情」。

日本・西洋のどちらでもお供えの花によく使われる白い菊の花言葉は「真実」黄色の菊は「破れた恋」という花言葉を持ち、西洋でも赤い菊は「I love you=あなたを愛しています」白は「truth=真実」黄色なら「slighted love=軽んじられた恋」と日本の花言葉とほとんど意味は変わりません。

黄色の菊は菊の属名の由来であり、属名のクリサンセマムは「Chrysanthemum」と書き、ギリシャ語で黄金を意味する「chrysos」と花を意味する「anthemon」を合わせてできた名前で、黄色い菊の花から付けられました。

黄金の花とされながらも黄色い菊の花言葉には失恋の花言葉が付けられていますが、色別の花言葉は花よりも色のイメージで付けられている事が多く、赤い花に愛を意味する花言葉が付けられていることが多いように、黄色の花にはよく失恋の花言葉が付けられるので、黄色い菊の花言葉も色のイメージで付けられていて属名の由来は関係ないものと考えられます。

 

菊の花言葉に悪い意味の言葉はないのか

日本ではお見舞いやプレゼントに向かない縁起の悪い花と言われることも多い菊の花。菊と言うだけで苦い顔をする人もいますが、実はネガティブな花言葉として気になるのは黄色の菊の花言葉の「破れた恋」のみで、それ以外に悪い意味を持つ言葉は一つもありません。

花言葉とは違うものの、古来中国で菊の花は不老不死の妙薬の謂れがあり、日本に渡来してからも「無病息災」や「延命長寿」「邪気払い」や「不老不死」の意味と薬効を持つ花として広まり、9月9日の重陽の節句には中国の風習を倣って菊酒と呼ばれる酒を飲んだり、料理にも菊を用いて無病息災を願いました。

また、菊の花は打掛や着物に描かれる吉祥文様と言われる縁起が良い図柄の一つでもあり、季節を問わず身に着けることができる図柄として現在も愛されています。昔から縁起の良い花として愛されていたことを考えると菊の花言葉に悪い意味がないことは不思議ではありません

 

さて、菊の花言葉には失恋に関わる言葉はあったものの、気分を害する酷い言葉はなく、むしろ良い意味の言葉がほどんどということがわかりましたよね。菊は贈り物にするにはマナーを守った上で、贈る相手に誤解されないよう気を遣わなくてはいけない花ですが、理解してもらえれば愛を伝えることも、友人に感謝することもできる花です。

とはいえ、菊がどんなに素敵な花言葉を持っていても一般的に菊の花は仏花のイメージが強いので、実際に誰かに贈るのは難しいですが自宅で楽しむのであれば問題ありません。

菊はとにかく種類が多く、仏花には見えないような菊もあり、フラワーショップへ行けば通年美しい菊の切り花やアレンジメントを入手できますから、フラワーショップに立ち寄ることがあればチェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

菊の花言葉に隠された意味とは

・菊全般の花言葉は昔から皇室に愛され続けた格調高い花ということを表す言葉
・西洋での菊の花言葉は菊のネガティブイメージを覆す言葉が付けられている
・赤い菊は恋愛に限らず家族や友人へ贈ることができる「愛情」の花言葉を持つ
・お供えの花に使われる白い菊は「真実」を意味する
・黄色の菊には失恋の悲しみを表す「破れた恋」という花言葉がある


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