ギリシア神話には、花にまつわる話がたくさん残っています。美しいものには美しい物語を作りたくなるものなのでしょうか。可憐な菫(スミレ)もヨーロッパの人たちに好まれていた花の中の一つで、イアという美しい娘の悲しいお話を残しました。
ある日、太陽神アポロンは、イアに一目ぼれをしました。アポロンはイアを追い掛け回して、求愛を続けました。でも、イアはアポロンがどんなに追い回しても、アポロンの愛を受け入れようとしませんでした。
なぜなら、イアには羊飼いの婚約者がいたのです。そのことに怒ったアポロンがイアを菫に変えてしまったといいます。
自分のものにならないのなら、いっそ花にしてしまおうと思ったのでしょう。
菫の花が可憐なのは、イアの可憐な面影を残しているからだといいます。その可憐な菫の花言葉はこのギリシア神話の影響を受けて付けられています。ロマンチックな菫の花言葉を添えて相手にピッタリな贈り物を選んでみましょう。
菫の花言葉と、
ピッタリな贈り物の選び方7例
「貞節」でありますように
ギリシア神話のイオは、太陽神アポロンの求愛を断り続けました。それは、羊飼いの婚約者への貞節を守るためでした。ここにイオの凛とした姿を菫に重ねることができます。
菫は小さな花ですが、一つ一つの花は、花の大きさにしては少し太目も茎の先に咲いています。それぞれの茎は上にまっすぐ伸び小さい花が集まっているからか、小さいながらも意志の強い女性を感じます。
「貞節」の花言葉に添えて、家庭的なものを送るといいでしょう。相手への一途な気持ちが伝わりますように。
「小さな幸せ」を見つけましょう
菫はいろいろな色の花がありますが、その花の色によって、花言葉が異なります。
青い菫の花言葉は「小さな幸せ」です。「小さな」というのは、やっぱり小さな花からきているのでしょう。西洋で愛されている小さな花は、青色や紫色のことが多いそうです。それは、小さな青い花が、美女の青い清らかなな目を連想させるからだと思います。
また、青には、「青い鳥」のように西洋では幸せな色を表します。小さな青い菫の花を見ていると幸せを運んでくれるような気がするのかもしれません。何か青いものと一緒に「小さな幸せ」の花言葉を送ってみませんか。
「誠実」であり続けるために
一方で、紫の菫には、「誠実」という花言葉があります。誠実さは仕事でも恋愛でも相手に一番望む性格の一つです。事実、不誠実な人や、信用できない人との付き合いはとても疲れます。
いつも相手の動向をうかがい、不審な点がないか確認していなけばいけません。
長い付き合いを続けるためにはまず、自分が相手に対して誠実な対応をして行きましょう。嘘はつかない。時間を守るといった当たり前のことも守るだけでいいのです。
誠実さは日々の行動に出ます。何か改めてものを贈るのではなく、誠実な態度を贈ってみましょう。
「愛情」を捧げましょう
イアのように婚約者を一途に愛して、太陽の神であるアポロンの求愛を断り続けることは大変だったに違いありません。だって、太陽の神ですよ。権力もあるし、プライドも高い。そんな人の誘いを断るには勇気がいったはずです。
でも、イアは自分が菫に変えられても、婚約者への自分の愛情を曲げなかったのです。素敵な話ですよね。そんな大きな愛情を持っていても、相手に自分の気持ちを分かってもらうのは、とても難しいことです。
贈り物の大きさでは、愛情の大きさを図ることはできないものです。相手に自分の気持ちを伝えたいときは、記念日でもなんでもないときでもいいです。「愛情」の花言葉を添えて、花を贈りましょう。
気持ちを伝えたいときが伝えるときです。チャンスを逃さず、自分の気持ちを分かってもらいましょう。
「用心深さ」も時には必要です
太陽の神アポロンはプライドが高いがゆえに、嫉妬深く、自分の求愛を断った女性をそのまま許すわけありません。事実、ギリシア神話にも、アポロンがイアを菫に変えた説と、アポロンの復讐を恐れたイアが自分から菫に身を変えたという説があります。
なぜ、イアはアポロンの目に留まったのでしょう。美しく可憐であっても、派手に目立つタイプではありません。ギリシア神話に詳しく書かれてはいませんが、もしかすると、イアは油断をしていたのかもしれません。
自分がアポロンの目に留まるはずがないと。人は大切なものを守るためには、用心さに時には必要になります。
「あどけない恋」をお探しですか
まだ少女だったイアと婚約者の恋は、かわいらしく初々しいものっだったでしょう。羊飼いをしている婚約者ですから、野山に住み、自然の中で、のびのびと暮らしていたに違いありません。そんな二人のあどけない恋は、アポロンによってあっけなく終わってしまいました。
もし、二人がもっと大人だったら。もっと狡猾であったら、イアは菫にされることがなかったかもしれません。でも、幼かったからこそ、互いのことを不器用なまでに想えたのかもしれません。
あなたも昔の「あどけない恋」を思い出してみましょう。古いアルバムをめくって。あなたの素敵な過去があなたへの一番のプレゼントかもしれません。
「つつましい喜び」を探しましょう
黄色い菫には、「つつましい喜び」という花言葉があります。黄色は目立つ色ですが、黄色い菫はなぜかそんなに目立ちません。土の色、葉っぱの色と同化することで、ひっそりと咲いている雰囲気があります。
黄色は平和の象徴の色です。平和で穏やかで、特別な出来事はなくても、逆にそれが平和な日々にはぴったりなのかもしれません。二人でゆっくりと夕食を食べたり、コーヒーを飲みながらおしゃべりをするのも、平和な毎日があるおかげです。
取り立てて贅沢をする必要なんてないんです。つつましい喜びにはもしかしたら特別な贈り物は必要ないかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。
菫にまつわるギリシア神話が他にもあります。昔、菫は白い花だけでした。それが、愛の神キューピッドの放った矢が偶然、純白のスミレにあたり、その傷から青色と菫色のスミレが生まれました。
ある春の日、野に降りた天使たちが、紫色に咲く一群の菫をみつけます。地上にもこんなに美しい花があるのかと驚き、花にキスして天上高く舞いあがって行きました。そのため、菫は、春のよろこびを告げる使者として世界の果てまで広がったと言われています。
幸せは探してもなかなか見つからないのに、気付いたらそこにいたというものなのかもしれません。菫の花言葉を思い出しながら、あなたのそばにある小さな幸せを探してみてください。きっと見つかるはずですよ。
まとめ
菫の花言葉と、ピッタリな贈り物の選び方7例
・「貞節」でありますように
・「小さな幸せ」を見つけましょう
・「誠実」であり続けるために
・「愛情」を捧げましょう
・「用心深さ」も時には必要です
・「あどけない恋」をお探しですか
・「つつましい喜び」を探しましょう