野菜は育て方で味が変わる?自分好みのトマトを作る方法

野菜は育て方で味が変わる?自分好みのトマトを作る方法

おいしい野菜を育てたいと日々工夫を重ねている方もいらっしゃることでしょう。自分で育てた旬の野菜を頬張る喜びは格別です。しかし野菜は育て方や環境によって、味が大きく変わってしまうことがあります。特にトマトは、気候、風土、作り方などに影響されやすい野菜です。

トマトの原産地は南米で、乾燥し昼夜の寒暖差が激しい過酷な環境に耐えて育つ植物です。そのため過湿が苦手で、肥料を与え過ぎるとあまり上手に育たないという傾向があります。家庭菜園では欠かすことのできない人気の野菜ですが、おいしいトマトを作るのはなかなか難しいのです。日本で好まれているのは甘みが強くてフルーティーな品種ですが、欧米では酸味がある料理用の品種も好んで作られています。

今回は育て方によって大きく味の変わってしまうトマトを、自分好みに作るためのヒントをご紹介しようと思います。トマトを甘くするためには、いくつかのコツがあります。上手に育てて、自分好みのおいしいトマトを楽しみましょう。

 

野菜は育て方で味が変わる?
自分好みのトマトを作る方法

 

トマトは厳しく育てよう

トマトが本来生まれ育ったのは、南米アンデス山地の乾燥して痩せた土地です。日中は暑くなり夜は冷え込み、雨のほとんど降らない環境に生育していました。そのため、トマトを育てるためには、十分な日光と湿気の少ない畝が必要です。

おいしいトマトを作る秘訣は「ストレスを与えること」だと言われています。トマトにとって過酷な環境が与えられると、いつ枯れるかわからないので少しでもおいしい実をつけ、種をばら撒いて子孫を残そうとします。厳しい環境がかえってトマトを甘くするのです。

 

水を与え過ぎないようにしよう

トマトは過湿を嫌う植物です。トマトを栽培している農家では、雨よけのための対策をしているところが多いです。ハウス栽培にしたり、雨よけのルーフの下でトマトを栽培したりと工夫しています。トマトは日本の梅雨が苦手なので、梅雨時だけでも雨よけをするといいでしょう。

甘くておいしいトマトを作りたければ、植え付けをした後に根が張り出してきたら、水を少しずつ減らしてください。開花後は特に重要な時期ですので、水を与え過ぎないように育てます。

 

塩分を含んだ土地に植えよう

「塩トマト」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。もともとは沿岸の近くで、海水をかぶった畑に植えられていたトマトのことを言い、塩害を受けたトマトとされていました。ところが食べてみると、甘くて塩分とのバランスがよく、おいしいと評判になったのです。

塩トマトは通常の畑で育ったトマトと比べると、小ぶりで皮が固いのが特徴です。味は通常のものよりもかなり甘くなります、塩分が水の吸収を抑える働きをするので、水を与えない栽培法のような効果が得られます。

 

プランターで育てよう

畑がなくても手軽に野菜の栽培ができるプランター栽培が人気です。プランター栽培でも甘くておいしいトマトを育てることができます。畑と比べても、プランターで育てたトマトの方が甘く育つ場合も多いようです。これはどうしてでしょうか。

プランターで野菜を育てる場合、限られた用土の中で生きていかねばなりません。畑なら好きなだけ根を広げ、水分と養分を摂取することができますが、プランターでは限られた用土しかなく土も乾きやすくなります。トマトにとってはこのストレスが、甘みを増す要因となるのです。

 

土づくりを工夫しよう

おいしいトマトを育てるには、土づくりがたいへん重要です。トマトを甘くするために水やりを少なくすると、土づくりの差が顕著に出ます。肥料3要素といわれる、窒素・リン酸、カリのうち、トマト作りのポイントになるのはリン酸です。

有機栽培にこだわりたいのであれば骨粉を使うとよいでしょう。元肥として油かすに混ぜて使います。無機の場合は過リン酸石灰を使います。リン酸はトマトをはじめとした野菜の花や実を作る働きをし、おいしい果菜類を実らせるのに欠かせない成分です。

 

肥料の種類による味の違いを知ろう

肥料の種類によってもトマトの味は変わります。化学肥料で野菜を育てると、土壌は窒素分が多くなります。見た目は大きくて立派に育ちますが、香りや味は薄くなる傾向があります。畜ふん中心の堆肥もまた、香りや味はやや薄くなることが多いです。

ぼかし堆肥中心で育てた野菜はビタミンも糖度も多くなり、野菜本来の香りや味が際立ちます。ただし、病害虫が発生しやすい点は注意が必要です。植物性の堆肥中心で育てると成長はゆっくりですが、野菜本来の濃い味の実に育ちます。

 

有機栽培に挑戦しよう

健康でおいしいトマトを作るなら、有機栽培がおすすめです。良質の堆肥を使い、土の中に多様な微生物を増やすことが良い土づくりのポイントとなります。

先ほどご紹介したぼかし堆肥は、米ぬか・油かす・草木灰・魚粉などをブレンドして発酵させた堆肥です。養分、ミネラルがバランスよく含まれており、野菜を甘くするのです。植物性堆肥の一例としては、落ち葉と米ぬかを混ぜて作る、落ち葉堆肥があります。ミネラル豊富で野菜の味が良くなります。混ぜものをしない落ち葉堆肥がおすすめです。有機栽培でトマト本来の濃い味を楽しんでみてください。

 

いかがでしたか。おいしいトマトを作るには、日当たりと風通しのよさ、水のやり方、土づくりなどにコツが必要です。トマトをはじめとした果菜類は実をつけるためにたくさんのエネルギーを必要としています。支柱をしっかりと組んで、たっぷりと日を当て風通しをよくしてあげてください。プランターで栽培する時には大きめのコンテナを使って、肥料切れを起こすことのないように気をつけましょう。

今回ご紹介した育て方のコツを参考にして、ぜひ自分好みのおいしいトマトを作ってくださいね。トマトをそのまま輪切りにして、オリーブオイルなどをふってもよし、トマトとコンソメ、他の野菜を合わせてスープを作ってもよし。料理に大活躍すること、間違いなしです。

 

まとめ

野菜は育て方で味が変わる?自分好みのトマトを作る方法

・トマトは厳しく育てよう
・水を与え過ぎないようにしよう
・塩分を含んだ土地に植えよう
・プランターで育てよう
・土づくりを工夫しよう
・肥料の種類による味の違いを知ろう
・有機栽培に挑戦しよう


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