チューリップの原産地は地中海沿岸から中央アジアにかけて、およそ150種の原種があり、品種改良によってさらに多くの品種が生まれています。花の色形も様々、それらの特徴を生かして公園や遊園地などの花壇では、庭デザインの一部として、チューリップはよく利用されています。毎年楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
綺麗に咲くチューリップを見ると、育て方にポイントがあるのかな、と気になりますよね。その通り、チューリップの育て方には、幾つかのちょっとしたポイントがあります。そして、それさえ気をつければ、だれでも楽に、綺麗なチューリップを咲かせることができますよ。
そこで今日は、初めての方でもチューリップの育て方に失敗しない5つのポイントをお伝えします。ポイントをマスターして、あなたのお庭にも沢山のチューリップを咲かせましょう。
チューリップの育て方に
失敗しない5つのポイント
球根を選ぼう
チューリップの育て方で大切なポイントは、球根です。お店で沢山のものを見ると、どれを選べばよいか、迷いますよね。初めてチューリップの球根を買う方は、この条件を満たすものを選んでください。育て方が楽になります。
・大きく、持ってみてずっしりと重たいもの
・薄皮に艶があるもの(薄皮は、多少剥けていても大丈夫です)
・傷のないもの
・病斑のないもの
・分球していないもの(分球とは、百合根のように、ちいさな球根が周りについていることです)
土壌を整える
どんな作物にも言えることですが、何かを育てたあとの土壌は酸性に偏ります。チューリップの育て方で、次に大切なのは、土壌です。植える前に土に石灰をふって良く耕し、土壌を中性にしましょう。チューリップは酸性の土壌より、中性の土壌のほうが良く育ちます。
鉢やプランターでチューリップを育てるときは、球根用の土を買ってくると便利です。球根用の土には、肥料が十分に含まれています。球根はそのものの栄養だけでも十分育ちますが、花のあと大きく太った球根を得るために、植える土壌の栄養を豊かにする事はとても大切です。
また、球根が土中にいる間に根腐れを起こさないよう、あらかじめ鉢やプランターの選び方に注意して、水はけの良い土壌を作ることも忘れないでください。
球根植えと水やり
チューリップの球根は秋(10月から11月にかけて)に植え、土中で越冬させます。庭植えも鉢植えも、球根を植える場合は、球根2個分ほど(約10センチ)の深さに土を堀ってから植えましょう。球根同士の間隔は、6センチほど開けると安心です。
また、チューリップは土中にいる間も水が必要です。しかし、土中いる時は何も目印がないため、うっかり水やりを忘れてしまうことも。そんな時のために、冬に花が咲くパンジーやビオラを、一緒に植えるのはいかがでしょうか。冬に花を楽しめ、かつチューリップの水やりを忘れることが無くなりますから、チューリップの育て方が楽になります。
チューリップが育つ気候
チューリップの育て方は易しいのですが、育つ気候に大きく左右されます。もともとチューリップは湿潤で、夏は乾燥した涼しい気候を好みます。国内では日本海側地域のように、春の気温上昇が緩やかな涼しい土地がチューリップの育て方では好相性で、よく肥大した球根が得られ、病気も少なく育てられます。
もし鉢植えで育てるなら、できるだけ涼しい環境をつくるように心がけてください。冬の間、暖房のきいた室内にチューリップの鉢植えを置くのは厳禁です。適温は10〜15度。20度以上のあたたかい土は球根が育ちませんので、必ず寒さに当ててください。
花と収穫
春になり、チューリップの芽が出、葉が増えます。そんな時、チューリップの育て方で注意したいのは、害虫です。暖かく乾燥した地域はアブラムシの発生や、それによる病気がでる可能性が高いため、もしアブラムシや病気を見つけた場合は、付着した葉を抜くなどして病気の広がりを防ぎましょう。そのまま放置すると、花色や球根の出来に影響します。
やがてチューリップが開花します。花を十分に楽しんだ後は、めしべが残らないよう、花茎だけを切り取りましょう。そのまま放置すると、めしべが種を作るため、球根の栄養が種に奪われてしまいます。
チューリップの種は植えても育ちますが、花が咲くまでに7〜8年もかかります。そのため毎年花を楽しむならば、種を付けさせずにしっかりした球根を作る方がおすすめです。良い球根づくりは、チューリップの育て方の中で、来年への準備となる大切な場面です。
花茎を切ったら、日光からの栄養を球根に送るため、葉はそのままに残します。葉が黄色く枯れてきたら、球根が太ってきているサインです。球根を収穫する場合は、葉が枯れてから掘り起こしましょう。掘り起こした球根は、涼しく風通しの良い所へ保管してください。
いかがでしたでしょうか。チューリップの育て方は、球根を植えてから越冬させるまでの管理で、良い花が咲くかが決まると言っても良いかもしれません。涼しい気候を好むチューリップですが、乾燥した暖かい地域でのチューリップの育て方は、気温や水やりなど、できるだけ気を付けてあげてください。
良い球根が出来上がると、また来年の春の楽しみができますよね。チューリップの国、といえばオランダ。実はオランダでチューリップが栽培されたのは16世紀に入ってからなのです。トルコを経由してヨーロッパにもたらされたそうです。その後、品種改良により様々な希少種がもてはやされ、2度にわたって大きな経済的混乱が起こりました。
それだけ長い間、人々に愛され続けてきたチューリップ。今も私たちの身近で、春ごとに目を楽しませてくれます。あなたもぜひ、お気に入りのチューリップの球根を見つけて、このサイトのチューリップの育て方を目安に毎年可愛い花を咲かせてください。
まとめ
チューリップの育て方のポイントは
・大きくしっかりした艶のある球根を選びましょう。
・球根用の土で水はけを良くしましょう。
・球根は深く植えて、水やりを忘れずにしましょう。
・涼しい環境で球根を冬越しさせましょう。
・花が咲いた後は、花茎を切り取って球根を育てましょう。