梅の花言葉に隠された5つの意味


まだ寒い2月の頃、春の訪れを真っ先に知らせてくれる梅の花ですが、実は食用として重宝され、私たち日本人にはとても馴染みの深い花ですよね。ところで梅の花言葉をみなさんはご存知ですか。

梅の花言葉は、想像通り日本人のイメージにしっくりとくる花言葉が多いのですよ。春を代表する花の座は桜に奪われていまいちスポットを浴びませんが(梅は本当のところ冬の花です)、奈良時代には花見と言えば梅を指すほど古くから愛されてきた花なのです

梅の木を観賞はしても、なかなか梅の花を誰かに贈る機会は少ないもの。それ故、これほど身近な花なのに、意外にも梅の花言葉をご存知だという方は少ないようです。そこで今回は梅の花言葉に隠された意味についてお伝えします

 

梅の花言葉に隠された

5つの意味

 

日本人の美徳である忍耐

梅の花言葉はそのイメージから付けられたものがほとんどです。その一つが「忍耐」冬で言えば一番寒いとされる2月頃、梅は花を咲かせ始めます。寒い冬、ひたすらその時を待ち続ける梅のイメージにぴったりの花言葉です。

ところで梅の花は「ほころぶ、こぼれる」、桜は「咲く、散る」と表現されることが多いですが、いかにも日本人らしい感性にただただ感動します。こんなニュアンスの違いを言葉を変えて表現する日本文化を、この先も大切にしていきたいものです。

 

誰もが求める高潔さ

「高潔」とは、気高く立派で、けがれのないこと。日本人が大切にしてきた精神です。これもイメージから付けられた梅の花言葉。雪が積もっても、永年変わらず凛と咲く梅の花言葉には、まさしく高潔と言う言葉がぴったりです。

震災や大きな事故が起きても、日本人が常に忘れない高潔な心は世界中の人々から賞賛されます。それは私たちの遺伝子に脈々と受け継がれてきたものとしか言いようがありません。静かに時が来るのを待ち続ける梅の花は、日本人の精神を表している花と言えます

 

厳しさの中に見える美しさ

梅の花言葉のひとつに、「厳しい美しさ」というものがあります。厳しい美しさ、なんとも難しい表現ですね。一体どういう意味なのでしょうか。雪の降り積もる中、凛として咲き誇る梅の花を見て、昔の人々は身の引き締まる思いをしたはずです。どんな逆境にも耐え忍び、自分が今できることをする。

そんな厳しさの中に美しさを見たのでしょう。いつの世も、負けじと歯を食いしばり立ち向かう人には、厳しい美しさが見えるものです。わたしたちもただ漠然と日々を過ごすのではなく、目標に向かって努力する姿勢を大切にしたいものです

 

女性的な艶やかさ(あでやかさ)

「艶やか」とは、華やかに美しく、なまめかしい様のこと。これは紅梅の花言葉です。紅梅を女性に例え、その美しさを褒めています。桜もほのかな香りがありますが、梅の香りは昔から和歌にも謳われてきたように、ハッとするほどの芳香を漂わせます。

見た目には桜ほどの華やかさはありませんが、匂いも含めて、人々を魅了してきた梅の花言葉に相応しい言葉です。潔く散る桜を男性に例えるなら、静かに、そしてそこはかとなく存在感を漂わせる梅は女性的とも言えるでしょうか。

 

伝説から生まれた忠実

唯一、伝説から付けられた梅の花言葉が「忠実」です。平安時代、藤原時平との政争に敗れた菅原道真は、都から遠い大宰府に左遷されました。道真が愛した梅に向かって詠んだ歌は、みなさんも聞き覚えがあるでしょうか。「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ梅の花 あるじなしとて春なわすれそ」主人を慕う梅は、一夜にして大宰府の道真の元へと飛んだと言われています。

これには別の話もあり、道真を慕った白太夫という人物が大宰府に下る際、都の道真邸から道真の愛した梅の枝を夫人の手紙と共に持って行きました。それを、道真が「梅が飛んできた」ということにしたというものです。この飛梅伝説から、忠実と言う花言葉が付けられることになったのです。

 

いかがでしたでしょうか。梅の花言葉に隠された意味をお伝えしましたが、意味はどれも、日本人が大切にしてきた精神を重ね合わせたものでした。それは、梅の花が古くから私たちの生活に寄り添って、愛されてきた花である証だからです

一瞬で咲いて散る桜とは違い、梅前線は約3カ月間かけて、日本を北上します。花が落ちれば梅の実が店頭に出回り、それとともに梅雨がやって来ます。梅酒は何十年もかけて飲むことができ、昔ながらの製法で作った梅干しに賞味期限はないと言います

江戸時代に作られた梅干しも、問題なく食べられたとのこと。梅の花は毎年散っても、こうやって遥か昔の梅の実が受け継がれているいると思うと、なんとも感慨深い気持ちになりますよね。梅と日本人。その背景に隠された古(いにしえ)の人々の思いを、この先も伝えていきたいものです。

まとめ

梅の花言葉に隠された意味

・寒い冬、咲く時を待ち続けるイメージから「忍耐」と付けられた
・「高潔」は日本人が持ち続けた誇り
・昔の人々は、積もる雪の中に凛と咲く梅の花に「厳しい美しさ」を見た
・豊かな香りと静かに咲く紅梅に、女性らしい「艶やかさ」をイメージ
・藤原道長の飛梅伝説から「忠実」が付けられた


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