盆栽の育て方に失敗しないポイント

立派に育つ盆栽のイメージ
上品で和の雰囲気が魅力的な盆栽ですが、育て方が難しそうなイメージがありますよね。時間をかけてじっくりお世話する必要がある盆栽ですが作業自体はそんなに難しく考えなくても良いものです。

近年では両手の上に載るぐらいのミニ盆栽が若い人や海外の人達に人気で、古臭かったり年配の方の趣味というイメージからは離れたものになっています。盆栽として育てられる植物の種類は定番である松をはじめ、梅や紅葉、桜のような日本が持つ魅力である四季を感じさせる植物や実を楽しめる姫リンゴや万両など豊富にあり、鉢を上手に選べば洋室にも合いますよ。

何年もかけて自分の理想の盆栽を完成させるのも面白いですが、まずは盆栽で失敗しない為に盆栽の育て方をしっかり覚えて下さい。そこで今回は盆栽の育て方に失敗しないポイントについてお伝えします。

鉢選びにこだわろう

盆栽の育て方で一般的な植物の栽培と大きく違う点が鉢の大きさ。植物の大きさの割に小さな鉢植えで育てる為に水やりで失敗しやすいので水やりで失敗しにくい鉢を選ぶ事が初心者にとって盆栽の育て方で失敗しないポイントの一つと言えます。

自分の好みに合った鉢を選ぶのも盆栽の楽しみですが、盆栽の育て方に慣れていない内は育てやすい鉢で育てる事を優先して下さい。水切れするとあっという間に元気を無くしてしまう植物も少なくないですから、最初は出来るだけ容量の多い鉢を選びましょう。

根腐れを防ぐ為にも必ず鉢底に穴が空いている鉢を選び、鉢底ネットを敷いてから植え付け、その後は基本的に日当たりと風通しの良い場所で管理します。それは室内で盆栽を育てている場合も同じで、室内インテリアとして人気のあるミニ盆栽も1日に4〜5時間は日当たりの良い場所に置いた方が葉の色や艶が良くなります。

ですので、真夏や冬場以外はこまめな日光浴が必要です。日差しがきつすぎる真夏や寒さが厳しくなり植物がダメージを受けたり霜や凍結の心配がある冬場は室内の明るい場所でこまめに換気をしながら育てます。

 

盆栽は水やりをマスターする事が大事

盆栽の育て方では植木鉢やプランターで植物を栽培する時のように水やりの際水を一時的に貯められるウォータースペースを作らないのでゆっくり少しずつ水やりをするのが基本。シャワーのように水が出るハス口付きのじょうろを使って、少し高い位置から株の根元にそっと注げば土や砂が溢れにくいです。

底穴から水がしっかりと流れ出るまで土や砂が溢れないよう途中で休憩しながら鉢の中全体に水と新鮮な空気が行き渡るように水やりをします。受け皿を置いている場合は鉢の水が抜けきって受け皿に水が溜まったら早めに捨てましょう。水を溜めっぱなしにしていると根腐れしてしまうからです。

盆栽の育て方では春や秋の日照りが柔らかく植物にとって過ごしやすい季節は1日1回、気温が高く日照りが強い夏場は1日2回朝と夕方に、気温が下がり土が乾きにくくなる冬は根腐れ防止の為に2日に1回を目安に水を与えます。

盆栽の育て方に限りませんが、土の乾き具合も水やりが必要かどうかの判断材料になりますので、時期的には春と言えど夏場のように気温が上がって土が乾いてしまった時は水やりの回数を増やす必要がありますし、秋でも寒さが早く来た場合は水やりの回数を減らすなど、気候と土の状態に合わせた水やりが必要です。

ただ、盆栽の場合は苔や化粧砂を敷いていると土の乾き具合がわかりにくいですから、竹串を刺して土が乾いてないか確認するなどの工夫をしなくてはいけません。水やりをマスターすれば盆栽の育て方もぐっと簡単に感じられますから、慣れない内は毎日竹串で土の乾き具合を確認しながら、時間をかけて水やりしましょう。

 

栄養分を切らさないよう肥料を忘れずに

一般的な栽培に比べ、土の量が少ない盆栽は栄養分が不足しがち。生き生きとした姿を保つためにも肥料は定期的に与えて下さい。新芽が伸び植物が成長する期間を迎える春と、夏の暑さを乗り越えて落ちてしまった体力を補い厳しい冬の寒さに備える為の秋にそれぞれ固形の長持ちする肥料を与えます。苔を敷いている場合は肥料が苔に直接触れると枯れてしまうので鉢の四隅だけ苔を取り除いてから固形肥料を置くようにしましょう。

 

難しい剪定は「忌み枝」を覚えて成功させる

盆栽と言えば樹形を整えるのも楽しみの一つ。樹を小さく保つ必要がある盆栽の育て方では剪定は大事な作業です。しかし、剪定作業は初心者にとっては難しい作業と言えます。不要な枝の見分け方を覚えれば剪定で失敗して大きく樹形が崩れる事はありませんから、「忌み枝」と呼ばれる剪定対象である枝の形を覚えて下さい。

まず、下向きに伸びてしまった枝や真っ直ぐ上に向いて伸びた枝、鉢を正面に置いて自分の方に飛び出るように伸びた枝や幹を横切るように伸びた枝は迷わず枝の元から切っても良い枝です。次に、枝が伸びる方向と逆方向に伸びた枝や2本の枝が交差してしまっている枝も整える必要があります。

この2種類の枝は針金で向きを修正する事も可能ですが、難しい場合は手軽に枝元から剪定してしまっても大丈夫。後は徒長している枝を整えれば剪定完了です。忌み枝は他にもありますが、最低限これらの枝を整えれば見苦しい盆栽にはなりません。

 

水はけが悪くなったら植え替え時

小さい樹形を保っていても、根は伸びるので2年もすれば鉢の中には根がぎっしり詰まっている場合もあります。盆栽の育て方で忘れてしまいがちな植え替えは2年経つか水はけが悪くなったと感じたら3月か4月頃に行いましょう。植え替えには市販の盆栽用の土を使うと失敗を減らせます。

 

さて、育てたい植物を選び、お気に入りの鉢に植えて自分が表現したい小さな世界を作る事が出来る盆栽はインテリアとして栽培する観葉植物や花を咲かせる為に植木鉢やプランターで植物を育てるのとは少し違った楽しみがあります。水やりや剪定といった普通の栽培ではざっくり終わらせる事が出来る作業も、盆栽の育て方ではじっくりと時間をかけて行わないといけない重要な作業です。

ただ、盆栽の育て方を知っていれば盆栽を枯らせてしまう確率はぐっと減らせますし、実践してみれば考えているよりも簡単に作業出来ますよ。こだわりを突き詰めて行けば自分が理想とする樹形作りに難しさが感じられるようになりますが、まずは枯死させてしまわないよう深く考えずに木と触れ合う事を楽しみましょう。

そして、初心者が盆栽を始めるなら盆栽の育て方を把握する他に育てやすい樹から始める事も失敗を防ぐポイントと言えます。楓や盆栽の定番植物である松、梅、紅紫檀やさくらんぼは初心者にも育てやすい種類ですからまずはこれらの木から盆栽のある生活を始めてみてはいかがでしょうか。


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