例え庭がなくても、ベランダ菜園を楽しむ人々が増えています。野菜の育て方のコツをマスターすれば、どんどん楽しくなるのが野菜作りです。何といっても自分で育てた野菜は安心して頂くことができます。子どものいる家族では、時には挫折も経験しながら野菜の育て方を親子で研究し、その野菜を食べる過程が生きた「学び」に繋がります。
しかし、ベランダ菜園を始めるにあたり、全てのベランダが必ずしも適した環境ではないかもしれません。特に日当たりは特に生育の大きな鍵を握る部分であり、この点がネックになっている方もいるでしょう。
しかし野菜の育て方をそれぞれの種類に分けて調べてみると、選んだ野菜によっては置き場や風通しなどを工夫することで解消も可能です。条件に合った品種を選ぶことも、野菜の育て方のコツのひとつ。育てる楽しみ・食べる楽しみを実現させるべく、ベランダでの野菜作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ベランダ野菜の育て方!
環境に合わせて品種を選ぶコツ
ベランダの日照時間に合わせて品種を選ぼう
植物には光合成が必要であり、日照は野菜の育て方の重要なポイントです。多くの野菜の中には、日光の当たる場所を嫌う種類や、少しの日光で丈夫に育つ種類があります。以下にまとめましたのでご覧ください。
・陽性植物:
6時間以上直射日光が当たる場所を好み、日陰では育たない植物→トマト・オクラ・スナップエンドウなど多くの野菜・半陰性植物:
3~4時間ほど直射日光が当たれば育つ。木漏れ日くらいの日光が一日中当たっている場所でもOK→リーフレタス・パセリ・ルッコラ等・陰性植物:
直射日光の当たらない半日陰~日陰を好む→ミョウガ・ミツバ・シソ・ニラ等
このように、日光がずっと当たらなくても育つものには「ハーブ」に属するものが多くみられます。日当たりに不安がある家庭ならば、ハーブを選ぶことで野菜の育て方のポイントをひとつクリアできるでしょう。料理に良く用いるハーブを寄せ植えにして育てても良いですね。
置き場所にひと工夫
ベランダ野菜の育て方をマスターするには、限られたスペースをいかに活用するかが不可欠です。野菜を植えたプランターや鉢などの置き方に工夫をして、生育に最適な環境に近づけましょう。
○ベランダの方角ごとの置き場所
・南向きのベランダ:
野菜がよく育つ環境ではあるが、真夏は日差しが強くなるので床にウッドパネルを敷く(通気性を良くし、照り返しを和らげることができる)。手すりのそばに陽性植物にあたる野菜を置くと良い。・北向きのベランダ:
手すりまわりにプランターや鉢をハンギングし、少しでも日光が当たるようにする。冬場は寒さに強い野菜を育てると良い。・東向き・西向きのベランダ:
秋~冬にかけては日照時間が短くなるので、北向き同様、手すりまわりにプランターや鉢をハンギングして、日光が当たるように工夫する。
○風通しについて
・風通しの悪い場所は、台などを用いてプランターや鉢を立体的に置く。軽いものが下にくるようにすること。
・風の通り抜ける場所があったら、防風ネットを張っておくと良い。
・エアコンの室外機・換気扇の吹き出し口などのそばには鉢やプランターを置かないこと。傷みの原因となる。
また、日がよく当たるベランダでしたら、冷房の電力消費を抑える効果がある「緑のカーテン」にチャレンジしても良いでしょう。「緑のカーテン」とはネットを張り、そこにつる性の植物を育てて遮光効果を狙うものです。近年話題になっているので、目にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。生育にはゴーヤーや豆類が向いていますよ。
「コンパニオンプランツ」にチャレンジしよう
「コンパニオンプランツ」を知ることも、野菜の育て方のポイントのひとつ。コンパニオンプランツとは、一緒に植えるとお互いに良い影響を及ぼし合う植物のことを指しています。
害虫や病気を防ぐことができる組み合わせもあるので、ベランダの野菜作りに取り入れると、収穫できる品種が増えますし、安心して育てることができるなど、いいことづくめです。ぜひとも取り入れてくださいね。
・トマトとバジル:
お互いよく育つようになり、土中の水分が調整されるので風味が良くなる。また、アブラムシを防ぐことができる(この2種類は一緒に料理しても相性の良いものです)。・リーフレタスとラディッシュ:お互いの生育を良くする。
・マメ類とローズマリー:害虫を防ぐことが出来る。
・ネギ類とシソ→お互いの生育を良くする(ネギ類には防虫効果がある)
また、カモミールは野菜ではありませんが「植物のお医者さん」と言われ、弱った植物のそばに植えると元気を呼び戻してくれる植物ですので、覚えておくと良いでしょう。他にもたくさんの相性の良い組み合わせがありますよ。
ベランダでの野菜の育て方の最重要事項、「野菜の品種選び」を少し工夫をすることで、あまり環境が良くないベランダでも、野菜栽培が可能であることがおわかりいただけたでしょうか。
野菜の育て方をマスターしているベテランなら、あらゆる野菜をどこでも育てられますが、これから野菜の育て方を一から学ぶ人ならば、ベランダにおいては「小型の野菜」から始めるのが、成功する野菜の育て方のポイントです。育てていくうちに様々な発見があり、その発見が次の野菜の育て方にも生きていくことでしょう。
項目の中で述べましたが、日当たりの条件がそれほど良好ではなくても育てやすいのが「ハーブ」や「薬味」と呼ばれる野菜です。食卓にも存分に生かせ、料理のレパートリーも増えるかもしれませんね。何よりごく新鮮なものを常に頂けることは嬉しいことです。楽しみながら野菜の育て方をマスターしていきましょう!
まとめ
ベランダ野菜の育て方!環境に合わせて品種を選ぶコツ
・自分のベランダにあった特徴を持つ品種を選ぼう
・限られたベランダスペースを有効に利用して配置しよう
・一緒に植えると効果的な「コンパニオンプランツ」