バジルの育て方を知り長く楽しむ5つのコツ


キッチンハーブとしても役に立つバジルは育て方の簡単な家庭菜園初心者向きのハーブで、イタリア料理には欠かせないハーブの一つですよね。バジルは生育旺盛なので特別な工夫をしなくても収穫量に困ることはありませんが、植えっぱなしにしていると大きく育ちすぎて食用にするには使いづらいバジルになってしまいます。

バジルは上手に育てれば霜が降りるまで収穫が可能で長い期間楽しめるハーブですから、せっかく苗を手に入れなたら収穫期間いっぱいまで収穫を楽しみたいもの。使い切れないほど収穫できたら、よく乾燥させてフードプロセッサーで粉末状にしたり、粉末状にしたものを塩やバターと混ぜてハーブソルトやハーブバターにしてみたり、バジルペーストにして保存可能です。

このようにバジルには使い道がたくさんあるのでたっぷり長く収穫出来るバジルの育て方を覚えておいて下さい。そこで今回はバジルの育て方を知り長く楽しむコツについてお伝えします。

質の良いバジルを育てる苗の選び方と土の選び方

バジルは種からでも苗からでも育てられますが、鉢植えやプランターで育てるのであれば苗を必要な分だけ植える方が手間も損もありません。苗を植える時は、間延びしていなくて害虫の付着や葉の変色のない健康な苗を選びます。

バジルの苗は一つのポットに数本生えている場合がありますから、その場合は一本ずつ分けてから植えるか後で間引いて下さい。植え付けられる株数は65cmのプランターに3株、7号の鉢植えなら1株が限界。

バジルは育て方を間違えなければどんどん育って株間が混み合ってくるので病害虫を予防するためにも植え過ぎは禁物。植え過ぎると養分が全ての株に十分なだけ行き渡らず、どの株も育ちが悪いなんてことになりかねませんから、自分が管理できるだけのバジルを植えて下さいね。

家庭で料理をする時にたまに使う分のバジルが収穫できれば良いのであれば1株で十分です。苗を選ぶ時にポットにバジルが何本も生えているものを選ばず数本がしっかり育ったポットを購入すると良いですよ。

さて、バジルの育て方は他のハーブとは少し違っていて、用意する土も他のハーブと違います。水はけの良い土を好むハーブが多い一方、バジルの植え付けには湿り気があり有機質の豊富な土が適していますから、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3の割合で作った土か、ハーブ用の土、もしくは野菜用の土を使って下さい。

もし新しく土を購入するのであればハーブ用の土よりも有機質が多く入った野菜用の土のほうがバジルには向いています。用意した土が元肥入りのものでない場合は緩効性の化成肥料を混ぜておきましょう。

 

バジルの植え方と注意点

バジルの植え付けの時に注意したいのが気温。一般的にバジルの育て方では種蒔きや植え付けは4月から6月と言われていますが、バジルは寒さに当たると葉が傷んでしまいます。ですから種と苗のどちらから育てる場合でも20℃以上の日が安定して続く5月に入ってから植える方が安心です。

もし4月に種蒔きや苗を植え付けた後で気温がぐっと下がる夜は部屋に取り込んで傷むのを防いで下さい。種を蒔く場合はポットに土を入れて種を蒔き土は被せず霧吹きをして芽が出るまで待ちます。

芽が出た後は本葉が2、3枚出てきた時に間引きをして、本葉が10枚程になる頃には定植可能。苗から育てる場合や定植出来る程度に育った苗を植える時は、根鉢を崩さずに苗の土の表面が少し埋まる程度に植え付け、たっぷり水を与えてから日当たりの良い場所で管理します。

 

バジルを大きく育てるためには摘芯が必要

摘芯と切り戻しはバジルの育て方での中でも欠かせない大切な作業です。特に切り戻しは長期間バジルを楽しみたいのであれば必要な作業になるので忘れずに注意。バジルが育っていく中で最初に行うのが摘芯。

バジルが20cmに育った頃、真っ直ぐ伸びたバジルの上の葉4枚を切り取ります。すると脇芽が伸びて来るので20cm程伸びた頃に上の葉4枚を切り取り、どんどん伸びてくる脇芽を繰り返し摘芯しながら収穫量を増やしましょう。

また、摘芯作業に加えて花が咲く7月上旬頃に一度切り戻しを行います。バジルは花を咲かせた後は枯れてしまいますから、花が咲く前に切り戻しをすることで長期間バジルの収穫を可能にします。また、葉が混み合っていると感じた部分は摘芯や切り戻しのタイミングでなくても葉を摘み取り、風通しの良い株を保って下さい。

 

水やりと追肥を忘れず与えよう

バジルの普段の育て方で重要なのは水やりを忘れないこと。バジルは乾燥に弱いので土の表面が乾いたら水切れする前にたっぷり水を与えます。水やりの時葉の裏にも水を与えるとハダニの予防にもなりますから、定期的に葉をめくって水をかけておきましょう。

暑い陽射しが続く夏場は土が乾くのが早く、水やりを忘れるとあっという間にバジルが弱るので決して忘れないように注意が必要。土が乾くのがあまりにも早い場合はマルチングが有効。

また、バジルは日当たりが好きな植物ですが、直射日光に当たると葉やけするため、日差しが強い場所に置いている場合は明るい日陰か半日陰に置き場を変えて管理して下さい。バジルの育て方では水分と同じぐらい肥料も大切で肥料切れすると株の下の方から葉が落ちてしまうので、生育期間中は1週間に1回液体肥料を与えます。

 

バジルの病害虫被害を防ぐために

バジルの育て方をしっかり覚えて実践しても途中で失敗してしまうことがあります。その原因は病害虫による被害。病害虫の被害が少ないイメージのハーブですが、新芽の部分にはアブラムシが付きやすく、ヨトウムシやガの幼虫の食害にも注意が必要。

葉が育ちすぎて風通しが悪くなれば灰色かび病やうどんこ病にかかりやすくなりますし、土が乾かないうちからどんどん水を与えていれば根腐れしたり軟腐病にかかる可能性もあります。

ですから、バジルを摘み取る作業中は害虫チェックも忘れずに行い、正しい水やりをしながら風通しの良い株を保ち、葉水を与えて出来る限り予防して病害虫を見つけたら早めに駆除したり食品成分で作られた薬剤などで対処しましょう。

 

このようにバジルの育て方には注意する点がいくつもありますが、葉の収穫と病害虫の早期発見が最も大変な作業と言えます。管理が行き届くようにするためにも育てる苗の数には気をつけて、初めてバジルを育てる場合はまずは1株だけ育てることをおすすめします。

バジルは水やりを忘れなければすくすく育つため、失敗のための保険として余分に育てる必要はありませんし、もしも1株では物足りない場合は摘芯や切り戻した枝を湿らせた赤玉土に挿しておけばすぐに根が出るので、ある程度育ってから鉢に植えればもう1株育てることが可能だから。

管理する量が少なければ手間のかかる収穫や害虫チェックの負担も少なく、手に負えないからと途中で投げ出さずに済みますよ。今回お伝えしたバジルの育て方を参考に、適量を上手に育ててフレッシュなバジルを長く楽しんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

バジルを長く楽しむための育て方とコツは

・湿り気のある有機質の豊富な土に植え付ける
・植え付けは十分に気温が上がった5月が最適
・定期的な摘芯と、花が咲く前の切り戻しは必ず行う
・夏場は置き場の移動やマルチングで水切れ対策をする
・害虫はこまめに株をチェックして早めに駆除する


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