少し前までは珍しいオイルだった亜麻仁油・えごま油・しそ油などのオメガオイル。すっかりスーパーでもお馴染みですよね。そして肌に直接つける美容オイルも人気を伸ばしています。肌にはオイルの成分である各種脂肪酸が必要不可欠ですが、私たちの肌が健康で美しい状態であるためには、この脂肪酸たちのバランスが大切です。
その割合として、オレイン酸約40%、ワックスエステル(液状ワックス)約25%、スクワレン約10%が理想的な肌の目安ですが、性別、年齢や環境によってもその割合が大きく変わるので、必要なオイル成分を必要なだけ補うことが大切になってきます。
美容オイルの成分割合も種類によって違うため、オイルが自分に合うか合わないかの判断がつきにくいのが、美容オイル選びの難しいところです。そこで今回は美容オイルとして効果の高い、とっておき5選についてお伝えします。
美容オイルとして効果の高い、
とっておき5選
液状ワックスを含む唯一の植物オイル、ホホバオイル
肌質を選ばないといわれるホホバオイルは、美容オイルブームの先駆けでもあります。では、どうして肌質を選ばないのでしょうか。私たちの細胞に存在するオイル成分「ワックスエステル」は、ロウでありながら液状のため酸化を免れていますが、植物オイルの中でこれを持っているのはホホバオイルだけです。
他のオイルにはないワックスエステルが補充できるので、肌質を選ばないと言うわけです。このワックスエステルは、消化吸収できないのが短所です。ワックスエステルを持つバラムツと言う魚がありますが、食べて強烈な下痢をおこし、どろりとしたワックスエステルがそのまま出たと言う話もあるほどです。
口に入っても大丈夫ですが、食べたりするのは控えましょう。ホホバオイルは、極度に乾燥する冬はもちろん、何かと乾燥に傾きやすい室内環境の中では万能のオイルだといえます。
ナッツオイルの代表的存在スイートアーモンドオイル
食用のナッツとして昔から親しまれているアーモンドに含まれる主成分はオレイン酸とリノール酸で、両方を含むことから偏りがなく脂肪酸を取り入れられる点で優れています。また豊富なビタミンEは、オイルにしてもやはり多くなっていて、乾燥を防ぎ肌を柔らかくしてくれ、ビタミンEの抗酸化作用が老化を防ぎます。
アロマテラピー用にはホホバオイルと並んでよく利用されていたスイートアーモンドオイルは、アーモンドの栄養価が再認識されたのがきっかけに、単体の美容オイルとしての優秀さも改めて認められています。
スイートアーモンドオイルの低刺激性と肌なじみの良さから、赤ちゃんの沐浴やマッサージに使うこともできます。熱に強いことから料理に使うこともでき、身体の内側と外側の両方からケアができるのがスイートアーモンドオイルの魅力です。
注目の高まる成分を持つマカダミアナッツオイル
マカダミアナッツオイルには、スイートアーモンドオイルと同じような成分が含まれています。オレイン酸が乾燥を防ぎ、ビタミンEが肌の再生を助ける点で美容オイルとしてはほぼ同じような効果が得られます。
スイートアーモンドオイルとの違いは、パルミトレイン酸を含んでいることです。これは20代までの若い人に多く、毛穴の開きやつまりを招き、ニキビを引き起こす原因になりやすい脂肪酸です。
また、男性にも多くパルミトレイン酸の酸化が加齢臭を引きおこす物質を生むと言われています。この、一見悪いもののように思えるパルミトレイン酸ですが、これがあることによって血管の老化を防ぎ、動脈硬化などの血管トラブルに効果があることがわかってきました。
血管の老化は肌の老化にも直結するものです。30代になると減少するパルミトレイン酸を補うのに、うなぎやマグロよりも多く含まれているマカダミアナッツに注目が集まり、マカダミアナッツオイルの存在価値も急激に高まっています。
アンチエイジングに効果大のアルガンオイル
アルガンオイルは、モロッコに自生している植物「アルガンツリー」の実から作られるオイルです。生産数の少ないオイルですが、オリーブオイルの3倍ほどのビタミンEを含むため、若返りのオイルとも呼ばれています。
細胞の酸化を防ぐビタミンEのおかげで、日焼けのダメージを回復させ肌のターンオーバーを正常に戻してくれますし、オレイン酸が皮脂の水分と油分のバランスが整え乾燥を防ぎます。そのため集中ケアに最適です。普段使っているクリームや美容液に数滴アルガンオイルを混ぜるだけでも効果が上がります。
ただし、アルガンオイルは非常に浸透力が高いためクレンジングには向いていません。アルガンオイルも酸化しにくいオイルなので、希少なオイルだからといって冷蔵庫に保管する必要がないのは嬉しいところです。
昔からあった椿油の価値が見直されている
今、世界でも大きく注目されている美容オイルが、日本のヤブツバキから採れる椿油です。椿油の大きな特徴はオレイン酸を豊富に含んでいることです。このオレイン酸はホホバオイルのワックスエステルを除いて一番酸化しにくい脂肪酸です。
皮脂の成分の中で40%と多くを占めるのがオレイン酸ですから、同じ成分を持つ椿油は肌に非常に馴染みやすくまた蒸発しにくいため、肌を乾燥から防いでくれます。また、椿油には「サポニン」と言う天然の界面活性剤が含まれているのも特徴です。
これには殺菌効果もあるため毛穴の古い角質や老廃物を浮かせて落とし、ニキビの元であるアクネ菌を防ぐことでニキビ肌にも大変効果があります。もちろん髪の毛にも効果が高く、外国人観光客の間では日本人の髪の美しさの秘訣として、椿油がお土産として大人気だそうですよ。椿油はメイド・イン・ジャパンが誇る美容オイルです。
いかがでしたでしょうか。他にも優れた美容オイルはたくさんありますが、ここでは、酸化がしにくく臭いやクセのない植物性のオイルをお伝えしました。使っている美容オイルが違うなと感じる時は、より純度の高いオイルに切り替える、オイルを変えてみるなどの工夫をしてみてください。
美容オイルは、使い心地や浸透性を高めるために食用オイルよりも濾過の回数が多いので、食用オイルを肌につけることはおすすめできません。また、べたつく原因は大抵オイルのつけすぎです。マッサージにはすべりを良くするためオイルを多く使っても大丈夫です。
しかし肌を保護する目的の時には、水分を含んでいる状態の時に少量伸ばすだけでも水分を肌に留めてくれます。美容オイルと食べるオイル、両方を上手く使って美肌と健康を維持したいものですね!
まとめ
使い勝手の良い優れた美容オイル
・他の美容オイルにはないワックスエステルを含むホホバオイル
・オレイン酸とリノール酸を含み低刺激のスイートアーモンドオイル
・血管の老化を防ぐパルミトレイン酸を含むマカダミアナッツオイル
・アンチエイジングに最適なビタミンEを豊富に含むアルガンオイル
・オレイン酸を含み酸化しにくい点で再評価されている昔ながらの椿油