花を長持ちさせて、一日でも長く出会いを楽しみたいもの。巷では漂白剤や10円玉など、数多くの「裏ワザ」がありますが、どうぜ試すなら、フラワーショップで働くプロの技で、花を長持ちさせませんか?
切り花の大敵はバクテリア。長く水を放置すると繁殖するバクテリアが、茎の切り口を塞いで水の吸い上げを悪くしたりします。このバクテリアの繁殖をいかに抑え、清潔な水環境を保つかが、ポイントのひとつです。
さらに切り花を長持ちさせるためには、根と違い水の吸い上げ量が限られているため、こまめな摘み取りも不可欠です。多すぎる葉や咲かない蕾は早めに摘み取り、(ただし光合成ができなくなるので、葉は数枚残します。)全体に満遍なく、栄養が行き渡るようにして下さい。
今回は花を長持ちさせるために、プロが行っている手入れ法を、花がぐったりした時もシャキッと復活する方法も併せてお伝えします。参考にして下さい。
花を長持ちさせて楽しむには☆
プロが教える7つのポイント
花を長持ちさせるのに、裏ワザはない
巷で人気の花を長持ちさせる裏ワザはご存知ですか?確かに理にかなったものも幾つかあり、間違えなくできれば、通常よりも花を長持ちさせる事が、できる場合もあります。
【 噂の花を長持ちさせる方法 】
・ 漂白剤を入れる
・ 10円玉を花瓶に入れる
・ 砂糖を入れる等々…
漂白剤も10円玉もバクテリアの殺菌効果が期待できますし、砂糖は花に栄養を与えるための工夫です。ただし、プロ目線でお伝えすると、漂白剤の量が多すぎたり…、と間違えも多く、劇的な変化は見受けられません。
★ ひと工夫を加えるなら、素直に切花を長持ちさせる「延命剤」がベストです。
まずは、信頼できるフラワーショップを
花を長持ちさせることは、もちろん大切ですが、そもそも花が長持ちするような、新鮮なものを選んで、長くお家で楽しみたいもの。フラワーショップにも良し悪しがある事、気付いていますか?
【 良いフラワーショップの見分け方 】
・ ショーウィンドウがキレイに磨かれている
・ ひとつのバケツに、花の種類が1~2種類
・ 店頭に、花を束ねた「ミニブーケ」が飾られている
・ 定期的に店頭のショーケースなどが入れ替えられている
・ ギフト鉢などが美しく整えられている等々…
花々にホコリがなく、一見して清潔で手入れがされている様子が見受けられることがポイントです。そして店員さんも生き生きと仕事をしている!店員さんが生き生き→お花も生き生き!なのです。
毎日の水の入れ替えが、花を長持ちさせる
前項で花を長持ちさせるのに裏ワザはない!と言うお話をしましたが、ごくごく当たり前の「手入れ」が花を長持ちさせる最大のコツです。
【 花が長持ちする手入れ 】
・ 毎日の水の入れ替え
・ 水の入れ替え時に、花瓶も洗う
・ 枯れた花は摘み取る
・ 多すぎる葉は、程よく摘み取る(数枚残す)
・ 風通し良く、涼しい場所に飾る等々…
切り花の最大の敵は、バクテリアであることは、冒頭でお伝えしましたが、毎日の新鮮な水と、キレイな花瓶に勝るものはありません。
水揚げと水切りの基本をおさえる
ここでプロの基本である、水の入れ替え時に行う「水揚げ」と「水切り」についてお話します。「水揚げ」とは、根がなく水を吸い上げにくい切り花が、水を吸い上げやすくするための、ひと手間を差しています。
【 花を長持ちさせる基本「水切り」 】
★ この「水揚げ」の方法として、最も多く利用できるのが「水切り」です。
・ 茎を水の中でスパッと切り、切り口を広げる事で、水が吸いやすくなります。
潰すように切れてしまっては、水切りとしては失敗です。園芸用ハサミなど切れやすいもので一気に切ることがポイントです。吸い口を広げるため、茎は斜めに切ることもポイントのひとつです。
しおれた花を元気にする新聞紙
もう見た目にもぐったりとしおれてしまい、元気がない花を長持ち、復活させる方法もあります。これもプロが行っている花の手入れの基本です。
【 花を長持ちさせる「深水」 】
★ バケツなどに新鮮な水を張り、充分に茎を漬けてあげる方法です。
・ この時、しおれた花に新聞紙を巻きつけます。「ちょっとキツイかな…」くらいに巻きつけるのがコツ。新聞紙を巻いた花をバケツに挿して、半日~1日ほど置いておきます。
この「深水」だけでも蘇る事が多いですが、前項の「水切り」の後に行うことで、相乗効果も期待できます。野草や野花におすすめの方法です。
茎を焼いたら、花が復活?
ほとんどの種類で役立つ「水切り」ですが、例えばダリアや薔薇、紫陽花など、「ちょっと茎が太いかな…」と言うような花を長持ちさせるには、「焼き揚げ」と言う方法があります。
【 花を長持ちさえる「焼き揚げ」 】
★ 茎部分を焼く方法ですが、他の部分まで焼かないよう、上部は新聞紙でくるみます。
・ 花を新聞紙でくるんで水で塗らし、茎部分のみを焼きます。黒くなるまで焼いたら、水を張ったバケツなどに差して下さい。
バケツなどに張る水は冷水にすると、より効果的です。この時、新聞紙はそのままくるんで、3時間以上は置いておきます。
お湯で煮沸して、花が長持ち
例えばマーガレットなど、水切りを行うと茎の切り口から、白い液体が垂れる花々はありませんか?また水切りだけでは、「吸い上げの力が心もとない…」そんな場合には、「湯揚げ」法があります。
【 花を長持ちさせる「湯揚げ」 】
★ 新聞紙にくるんだ花の茎の先を、沸騰したお湯につけます。
・ 茎は数センチ(3センチほど入れればOKです。)煮沸消毒が目的ですので、つける時間も10秒から20秒もあれば充分です。
この後すぐに水を張ったバケツに、新聞紙でくるんだまま挿します。この水も冷水がおすすめ!ただし、水切りで充分に水揚げができる花々は、湯揚げの必要はありません。
いかがでしたでしょうか。フラワーショップのプロが伝える噂ではない、本当の花を長持ちさせる方法をお伝えしました。毎日の水の入れ替えや花瓶洗いなど、基本を大切にしながら、水を吸い込む力が弱い花々には「水揚げ」で手助けをしてあげるスタンスです。
花を長持ちさせるには、本来の花の生態も理解しておく必要があります。例えば花は咲き頃を迎えると、新しい花を咲かせるために「受粉」をして、しおれていきます。そのため、受粉の役目を終えれば、あっと言う間にしおれていくのです。
これを防ぐためには、そもそもの「花粉」を拭き取ってしまう…。そんな、花を長持ちさせる方法もあります。ユリなどの花々では、すでにフラワーショップで花粉を拭き取っているケースも多いです。
本記事を参考にして、少しでも長く、出逢った切り花との日々を楽しんで下さい!
まとめ
フラワーショップでの基本!花を長持ちさせる手入れ法
・家庭でひと手間加えるなら、切り花の延命剤が一番!
・そもそも長持ちする、新鮮な花を良いフラワーショップで選ぶ
・毎日の水の入れ替えと、花瓶を清潔に洗う事に勝るものはない
・水の入れ替え時に行いたい、水中で茎を切る「水切り」
・ぐったりとしていたら、新聞紙でくるんで水に浸ける「深水」
・紫陽花など花の茎が太い場合には、「焼き揚げ」
・水を吸い上げる力が弱いなら、「湯揚げ」で刺激を