爽やかな酸味の中に甘味とほのかな苦味が感じられるグレープフルーツは、ちょっと大人のフルーツという感じがしますよね。そして最近はダイエットに使えるとグレープフルーツの効能に注目が集まっています。
「グレープフルーツ・ダイエット」というダイエットは大きく分けると、食事前やお腹が空いた時にグレープフルーツの香りを嗅いでおく事で食べ過ぎを防ぐ、食事前にグレープフルーツを食べると苦味成分の効果で食欲を抑える。どちらかと言えば食欲を抑えて食べ過ぎを予防する「守り」のような効果によるものです。
しかし、グレープフルーツにはその香りや苦味成分で食欲を抑える働きがあるだけではなく普通に取る食事の中でグレープフルーツの持っている成分を効果的に働かせること(攻め)で、ダイエットばかりか様々な病気や老化現象に立ち向かえるだけの高い効果があるのです。そこで今回はグレープフルーツの効能が注目される理由についてお伝えします。
グレープフルーツの効能が
注目される5つの理由
ビタミンCとクエン酸他との相乗効果
グレープフルーツの効能で一番目立つのが、1個でほぼ1日に必要な量を取ることができる豊富なビタミンCです。ビタミンCはスキンケア製品にも多く配合されていますが、コラーゲンの生成やシミやソバカスを予防するため美白や美肌に効果があります。
また、身体が睡眠不足や不安や緊張から来るストレスにさらされた時、副腎からアドレナリンが分泌され身体を守ろうとしますが、アドレナリンが大量に消費されると再び生成するのにビタミンCが大量に必要になります。
グレープフルーツにはクエン酸やビタミンPも含まれているためビタミンCの吸収を高めるばかりか、クエン酸が疲労物質の乳酸の分解を促すことで、疲労回復とストレス緩和への相乗効果も期待できます。
カリウムなど豊富なミネラルを含むグレープフルーツ
グレープフルーツには現代人に不足しがちなミネラル分がいろいろ含まれていますが、一番多いのがカリウムです。グレープフルーツ1/2個にはカリウムが280mgと豊富に含まれていますが、カリウムは知らず知らずに多く摂ってしまいがちな塩分であるナトリウムの排出を促し、高血圧の予防に。またむくみの解消に効果があります。
カリウムの他にも、骨や歯を作りイライラやストレスの解消にも役立つカルシウムや、カルシウムとも関係が深く酵素の働きを高めるマグネシウム、代謝に不可欠なリンも含まれています。ビタミンCやクエン酸などと一緒にこれらの必須ミネラルを摂ることができるのも、グレープフルーツの効能としては見逃せません。
低GI食品のグレープフルーツ
ダイエットや老化防止に注目されているのが「糖化」という考え方。食後に血糖値が上がると体内のタンパク質と結び付いて「糖化」という現象が起こり、これがあらゆるトラブルと老化の元になるのですが、血糖値を急激に上げるとこれが起きやすくなります。
糖化を起こしやすい食品の代表は白米や食パン、さつまいもなどの炭水化物です。糖化を避ける方法として、食後に急に血糖値を上げないことが重要になりますが、食物繊維の他に「低GI食品」という血糖値をゆるやかに上げる食品を積極的に摂ることで、糖化を遅らせることがわかってきました。
グレープフルーツは「低GI食品」で、高GI食品の白米や食パンをグレープフルーツを食べてから食べるとそうでない時に比べて、血糖値をゆるやかに上げることが証明されています。そのため、グレープフルーツは老化防止やダイエットにも効能があると認められるようになりました。
苦味成分でポリフェノールの一種「ナリンギン」
グレープフルーツの効能成分の中で、他にあまり見られないのが「ナリンギン」です。グレープフルーツを食べると口の中が苦味を感じるだけでなく何となくピリピリしませんか。これは、グレープフルーツに含まれているナリンギンの結晶が針のような形をしていて、それが口の中の舌や粘膜を刺激するから。
ナリンギンはグレープフルーツの苦味の元ですがポリフェノールの一種で、血液中に含まれる脂肪酸を分解する作用や、免疫力を上げるため花粉症などのアレルギー症状を和らげる効果があります。また食欲を抑制するため、ダイエットをさらに助けてくれます。
リラックス効果と代謝を促進する精油成分
グレープフルーツの独特の酸味と苦味が苦手でフルーツとしてはあまり食べられない、という人もいますよね。そういう場合はグレープフルーツの香りでグレープフルーツの効能を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
グレープフルーツの香りは単独でリフレッシュコロンなどが作られているように、フレッシュでみずみずしい爽やかさの中に、ほのかに苦味のある香りは柑橘類の中でも奥行きがあるものです。アロマでもグレープフルーツの精油に含まれるリモネンやピネンは副交感神経を優位にするため大変リラックス効果があります。
心を解放して安定させると共に、前向きに頑張れる力を与えてくれるでしょう。またグレープフルーツの精油に含まれるリモネンやピネンには血液やリンパの循環を促進し、水分代謝を良くするためむくみやセルライトを解消する働きもあります。
グレープフルーツの精油を0.5%以下にしてトリートメントオイルを作りマッサージするのが効果的。ラベンダーやイランイラン、ゼラニウムなどとブレンドするのも良いですね。特にシダーウッドとの組み合わせは血流促進効果が高まるので、むくみ対策には最適です。
いかがでしたでしょうか。グレープフルーツの効能は研究中のものも含めて、まだまだたくさんあります。アメリカでは特にグレープフルーツの効能が認められていて、心臓疾患撲滅のための任意機関アメリカン・ハート・アソシエイション(AHA)ではフロリダ産グレープフルーツとその果汁を心臓病予防食品として認可しています。
また、ハーバード大学ではグレープフルーツを食べていた人が食べない人より脳梗塞の発症率が25%低いことを12万人の調査結果から確認しました。ただ、このようにグレープフルーツの効能は大きいだけに、内服薬の中にはグレープフルーツと一緒に摂ってはいけないものがあります。
血圧を下げる薬、高脂血症の治療薬や、三叉神経痛、てんかんなどの治療薬など多くの薬はグレープフルーツと相性が良くありません。薬を常用している人はグレープフルーツを食べて良いか医師に必ず相談して下さい。
でも、グレープフルーツを食べてはいけない場合でも、精油で香りを嗅ぐのは大丈夫。十分、グレープフルーツの恵みを得られます。ぜひ生活に取り入れてグレープフルーツの効能を活用してみて下さいね。
まとめ
グレープフルーツの効能が注目される理由
・グレープフルーツ1個で1日分のビタミンCが摂れる
・食後の血糖値をゆるやかに上げ糖化=老化を防ぐ「低GI食品」
・余分なナトリウムの排出を促すカリウムなどミネラル豊富
・ポリフェノールの一種ナリンギンが血中脂肪酸を分解
・リモネンなどの精油成分はリラックス効果と食欲抑制効果