名前が知られているわりに、実際の花は良くわからないと考える方が多い花のひとつにヒヤシンスがあげられますよね。そんなヒヤシンスですが育て方はとても簡単なので、春のガーデニングには大変重宝される花なのです。
ヒヤシンスはとても良い香りがすることでも知られ、青葉を思わせる爽やかな香りが特徴です。その香りは、グリーンノート系の香水の主成分になるほどで、初めてヒヤシンスの香りを嗅いで驚く人も多いです。
また、ひとつひとつの花は小さいけれど、1本の茎に小さな星型の花がたくさん咲く様子は、それだけでブーケを思わせる華やかさがあります。興味はあるけど、ヒヤシンスの育て方がわからないという方のために、今回はヒヤシンスの育て方に必要な5つの知識についてお伝えします。
ヒヤシンスの育て方に
必要な5つの知識
球根を植える
ヒヤシンスはチューリップのような秋植え球根です。ちなみにヒヤシンスは水栽培ができますが、今回は土に植えるヒヤシンスの育て方をお伝えします。10~11月に球根を植えます。鉢やプランター、もしくは、寒さに強いので地植えでも構いません。
ヒヤシンスは酸性の壌土を嫌うため、培養土か水はけの良い土に石灰を撒いて中和させ、緩効性の肥料を混ぜ込みます。5号鉢に対して球根1個、球根の頭が出るくらいに植えて根が張るスペースを十分に確保します。
1年で終わりと割り切るなら、球根を隙間なく植えて咲きあがりの鉢をゴージャスに仕上げるのも良いです。地植えの場合は球根1,5個分の間隔を開けて10㎝ほどの深さに埋めます。植えた後はたっぷりと水をあげます。
鉢にしろ地植えにしろ、日当たりの良い場所を選んでください。ヒヤシンスの育て方で重要となるポイントは、一定の寒さにさらされて花が開くということです。鉢の場合も、冬は戸外に出したままにしてください。
水やり、肥料
生育期(植えてから葉が枯れるまで)は、鉢の場合、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげます。この時、受け皿に残った水は必ず捨ててください。地植えは雨に任せても構いません。
5~6月には休眠期に入りますから、それ以降は水やりをしません。芽が出て花が咲くまでは、1週間に1回、液体肥料を与えます。花が終わったら、お礼肥に緩効性の肥料を与えます。
花後の管理
4月くらいになると、ヒヤシンスの花が咲き終わりを迎えます。花が枯れると種ができ、栄養がとられてしまい球根が弱ってしまいます。来年も綺麗な花を咲かせるためには、花がら摘みをしっかりと行うことです。残った茎は光合成で球根に栄養を蓄えるために必要ですから、絶対に切り取らないでください。
葉が1/3~1/4黄色く変色してきたら根元から切り取ります。もちろん種からヒヤシンスを育てることはできますが、花が開くまで長い年月がかかりますし、品種改良以外では、ヒヤシンスの育て方は球根からというのが一般的です。
球根の堀り上げ
チューリップと違って、ヒヤシンスの球根は毎年掘りあげる必要はなく、2~3年に1回のペースで十分です。ところが鉢の場合は土の中の栄養分が残っていないこともあって、そのままだと翌年も花を咲かせることが難しいので、掘り上げるか他の土に植え替えることをおすすめします。掘り上げた球根は水洗いし、よく乾燥させます。ネット袋などに入れて風通しの良い日陰で保存します。
球根の増やし方
ヒヤシンスを増やす方法は分球と言い、球根に新しい球根がくっついてできるので、それを分けて埋めます。そもそもヒヤシンスの球根は、チューリップのように自然に分球することが少なく、人為的に分球させる必要があります。掘り上げた球根の底面に、深く十文字の切り込みを入れます。
これを「ノッチング」と言います。この時、球根に含まれるシュウ酸カルシウムの影響で、かぶれたり炎症を起こすことがあるので注意してください。そのまま風通しの良い場所に保存しておけば、切れ目に小さな球根ができます。これを秋に植えれば、2~3年で花が咲きます。ちなみに、切り込みを入れた親の球根は、二度と花を咲かせることはできません。
いかがでしたでしょうか。ヒヤシンスの育て方に必要な知識についてお伝えしました。これでヒヤシンスの育て方がおわかりいただけたはずです。親の球根と子どもの球根で、育て上げたヒヤシンスの違いを比べるのも楽しそうじゃありませんか。
他の植物に比べて害虫がつきにくいというのも、ヒヤシンスの育て方が簡単な理由のひとつです。ごくたまに、細菌が原因で葉が変色して腐ってしまう軟腐病にかかることがありますが、その場合は見つけ次第、他の花に感染するのを防ぐために引き抜いて処分します。
過湿が原因となることが多いので、水はけの良い場所を選ぶことが大切です。同系色でまとめるも良し、色とりどりのカラフルに仕上げるも良し、ぜひご自宅で華やかなヒヤシンスを育てゴージャスな鉢植えや春の花壇を楽しんでみてはいかがでしょうか。
まとめ
ヒヤシンスの育て方に必要な5つの知識
・日当たりの良い場所に植えよう
・鉢の場合、生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげよう
・来年の球根の為に、花がら摘みをこまめに行う
・2~3年に一度掘り上げよう
・自然に分球することがほとんどないので、ノッチングで増やす
・ヒヤシンスの育て方で最も重要なポイントは、一定の寒さにさらすこと