家庭菜園の土作りに必要なポイントとは

家庭菜園で栽培した野菜のイメージ
レストランのメニューに『自家農園』の野菜とあると新鮮でいかにも美味しそうに思えますよね。家庭菜園でも、土作りをしっかり行うことで美味しく安全な野菜を作ることが出来るのです。一般的に作物を作るのには肥沃な土地がふさわしいと言われています。

その言葉通り野菜を作るのには栄養分が多い土であることはとても大切ですが野菜が根を十分に伸ばして空気・水・栄養分を取り入れるだけの空間を作ってあげることが肝心。土は、放っておくと雨でどんどん大きな塊になってしまい固くなります。畑を耕すのは、この固まった土をほぐして柔らかくするのが目的です。

もちろん、土以外にも野菜作りは花よりも気を使うことが多いものですが土が良ければ家庭菜園の8割は成功したと言えるのです。そこで今回は家庭菜園の土作りに必要なポイントについてお伝えします。

理想的な土は「団粒構造」

畑の乾いた土は手でつかむとほろっとくずれますが、これは土の粒同士の間にすき間があるからで、この状態を「団粒構造(だんりゅうこうぞう」と言い根が必要とする酸素を通し空気が入った道に水分が通り土の小さな塊の中に水や養分を蓄えるので肥料の持ちがよくなります。

団粒構造の土を作るには土を細かくするだけでなく、土の中に住む微生物の活動がなければなりません。昔はミミズのいる畑には微生物がたくさんいて、土を小さな団子状にしてそれをまとめて粒を作るため、良い土が自然に作られていました。家庭菜園では、団粒構造の土に微生物の食べ物となる有機物を入れて保肥性を高めてあげるのが、土作りの第一歩。

 

庭の土を使って家庭菜園を始めるには

庭での家庭菜園の土作りは、まず固まっている地面から30㎝~50㎝掘り返し、石ころや雑草の根などのゴミをどかさないといけません。そして土を処分して新しい土に入れ替えるか掘り起こした土を土壌改良するかどちらか。

掘った土が粘ついていたり、逆に砂利ばかりだったりした場合、新しく土を購入するほうが楽ですが、土の処分と購入費用がかかります。ホームセンターでは土を購入することで古い土の回収を行っているところもあります。

乾いた土ならば細かい粒にすることで土のベースが作れるので、土を一旦広げて1週間くらい日光にさらし殺菌消毒してからふるいにかけ石や古い根を取り除きます。土のベースができたら次は水はけや通気性などを改善する養分の高い堆肥をバランスよく加えることが大切。市販のブレンド済堆肥を利用するのが楽でおすすめ!

土を細かくして栄養分を入れてあげたら、すぐに野菜を植えず1ケ月ほど置いて中の微生物のバランスが整うのを待ちます。面倒で根気のいる作業ですが、ここを丁寧に行うことで次のシーズンからの家庭菜園の土作りがぐっと楽になります。大きな石ころや土の塊など使えないものの処分については、自治体の規則に違反しないよう気をつけましょう。

 

団粒構造が壊れやすいプランター栽培

プランターで野菜を栽培する場合は、耕すことができないため土が固まる頻度も高くなります。ですからプランターでの家庭菜園の土作りは土をどう作るかよりも良い状態をどれだけ保てるかが重要。

プランター栽培では水はけが悪くなりやすいため、赤玉土7:腐葉土3のブレンドを中心にし、日当たりが良すぎて水の蒸発が早ければ保水性を高めるバーミキュライト、乾燥した土を好む野菜を作りたいのなら排水性を高めるパーライトなど補助資材を入れて堆肥を混ぜます。

もし狭いスペースのベランダに家庭菜園を作るのであれば、野菜用の培養土を購入したほうが早道。安い腐葉土や堆肥には虫の卵が入っているまま消毒されていない商品も多く、これが虫の発生の原因につながります。虫や臭いなどはお隣の迷惑にもなるので、ベランダでの家庭菜園の土作りは清潔第一ですよ。

 

土のpHの管理とは

日本の土壌は酸性が多いので、アルカリ性の苦土石灰で中和すると言いという説は間違っていませんが、苦土石灰がいつも絶対必要というわけではありません。市販の完熟堆肥にはアルカリ性の物質も含まれているので、それだけで土はだいたい微酸性に落ち着きます。

やみくもに苦土石灰をまくのは逆に土がアルカリ性になりすぎることもあり逆効果。もし栽培したい野菜が決まっていて、厳密に土壌管理を行いたいのならpHメーターで土のpHを測り、調整資材を加えてください。

土のpHの目安

pH4.5~5.5
:ジャガイモ・スイカ・ブルーベリー

pH5.5~6.0
:インゲン豆・パセリ・サツマイモ

pH5.5~6.5
:キュウリ・なす・トマト・人参・エンドウ豆・キャベツ・白菜・ブロッコリー・レタス・メロン

pH6.0~7.0
:タマネギ・唐辛子・ほうれん草

 

土や肥料の寿命とリサイクル

培養土や肥料には、どちらもいわゆる有効期限はありません。培養土の袋には中の堆肥が少しずつ発酵して水分や熱を出すのを逃がす小さな穴が開けてあります。土も肥料も袋の口をしっかり閉めて、雨や直射日光の当たらない場所に置きましょう。

同じ土を繰り返し使っていると連作障害で育たないとよく言われますが、これは営利生産の場合に重要なことで家庭菜園レベルでは連作障害の管理は難しいもの。収穫の度に新しい土を用意できればベストですが経済的ではないので終わったあとの土は、まずふるいにかけて大きな根や土の粒を取り除きます。

天気の良い暑い日を選んで2~3日間日光消毒をしてから、市販の土のリサイクル材を使って土の元気を回復させます。殺菌をしっかりとすること、土壌改良をする時には完熟の堆肥を使うことで土の寿命はだいぶ延び、連作障害の心配も減りますが、それでも永遠ではありません。様子をよく見て土を新品にすることも家庭菜園の土作りでは重要なこと。

 

さて、家庭菜園の土作りには規模の大小にかかわらず最初はかなり重労働も多く出費も避けられないのが家庭菜園の土作りを敬遠したくなる理由で水耕栽培で作れる葉物野菜が人気なのも、この家庭菜園の土作りから解放されるのが大きなメリットだから。

葉物野菜を作るには身体を支えられて空気と栄養があれば、花を咲かせたり実をつけたりしなくて良いので水耕栽培が成り立つわけです。ただ根菜や実もの野菜への応用はまだ先になりそうなのが現実。

しかし、家庭菜園のための土作りを知ることで野菜作りを成功させられれば、草花や樹木はとても簡単だということにもなります。自家製菜園の野菜の味は掛かった手間を全て報われるほどに美味しく感じる特別な野菜ですので是非試してみてはいかがでしょうか。


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