お祝い事があると、ちょっと品格のある贈り物の一つとして胡蝶蘭を贈ることがありますね。花色はピンク、紫、白、黄色と色々あり、上品な雰囲気が喜ばれます。花もちも良いので、長く楽しむことができます。
花言葉は「幸福の飛来、あなたを愛します」。結婚55周年を記念するエメラルド婚式の花ともされていて、花が好きな方への贈り物には最適です。でも、もし突然頂いたら、どうやって育てたらいいの?と戸惑うかもしれません。そこで今日はそんな時のために、胡蝶蘭の育て方のコツをお伝えします。
胡蝶蘭を頂いたら
頂いた時に、必ずと言っていいほど素敵なラッピングがされていると思います。勿体なのですが、株が蒸れてしまい、カビが生えたり根が腐ったりしやすいので、ラッピングは外して下さい。最初に水をやるときでも大丈夫です。
鉢の中が乾いたら水をたっぷりやります。鉢を持ち上げて軽かったら乾いていると判断できます。暖かい時間に、冷たすぎない水を下から流れ出る位やります。そうすると、新鮮な空気も入っていきます。受け皿に水がたまったら捨てましょう。乾燥している時期は、水やりの回数を増やします。霧吹きで葉に水を吹きかけてもいいです。
置き場所
胡蝶蘭は寒さに弱いので、室内の窓辺の薄いカーテン越しに暖かく日が当たる場所が良いです。冬は最低でも10度はあること。害虫を防ぐため、風通しもある程度いいところにしてください。
また、エアコンや扇風機の風が強く当たるところは避け、花びらが痛みますので、物やカーテンなどが当たらない場所にしましょう。
花が終わってきたら
花は根元の方から順番に咲きます。終わった花は手で取り除いていきます。先端まで咲くのに2ヶ月ほどかかりますが、ずっと咲かせていると株に負担がかかります。
株を元気に保ちたい場合は、半分位しおれたらカットして、先の方は切り花として楽しんだ方がいいようです。支柱をはずし、病気を防ぐために、ハサミは使う前に火であぶって、殺菌しましょう。
また花芽を出したい時は下から2,3節でカットすると、新芽が出やすくなります。長く丈夫に育てたい時は根元からカットします。
植え替え
1年に1回、根が張ってしまっているようでしたら植え替えてあげましょう。4月頃がいいそうです。ミズゴケが黒くなっていたり、カビが生えていることもあります。病気にならない為にも、植え替えをしましょう。
まず、花芽をカットし、鉢から胡蝶蘭を取り出します。付いているミズゴケを取り除いて下さい。黄色い葉や、腐っている根を取り、健康なものだけを残します。乾燥したミズゴケを根の周りに多めに巻き付けて、鉢の中に押し込みます。
鉢の淵はウォ-タースペースを設けるため、2㎝は見えるようにしましょう。切った根から菌が入らないようにするため、半月ほど水をやらずに置いておきます。その後は、通常の水やりをしてください。
病気
胡蝶蘭の病気はいくつかあります。
・軟腐病 葉が褐色になって腐ります。ストレプトマイシンという抗生物質をやります。
・フザリウム カビの一種。葉や茎が黄色くなります。根は黒くなったり根腐れを起こします。エムダイファーを施します。
・リゾクトニア カビの一種で、根に感染。水分を吸えなくなります。同じくエムダイファーを施します。
・炭そ病 カビの一種で、黒や褐色の斑点が出ます。周囲をカットし、ジマンダイセンで殺菌します。
・葉焼け 直射日光に当てると、黒っぽくなったり、色が抜けたようになったりします。ひどい場合は、その部分をカットしたり、ベンレート剤を使います。
害虫
・カイガラムシ
白い毛の塊のように見えます。布や綿棒などでかき落とします。中性の食器洗剤(プロピレングリコール(PG)を含まないもの)を2000倍に薄め株全体を洗います。鉢にも灌注し、そのあと冷たくない水で株をすすぎ、鉢内も洗い流すように水やりして水切りをします。この作業は葉の気孔が閉じている日中9時~14時くらいまでに行います。
カイガラムシは他の株にうつり、大発生しやすいので、健康な株と離して管理しましょう。・ハダニ
白い斑点が次第に広がります。ひどくなると、糸状に。高温多湿の梅雨明け頃から増えます。こまめに葉水をかけたり、湿度を下げて乾燥させます。殺ダニ剤を使います。
・ナメクジ ビールで誘殺します。
・ダンゴムシ デナポンという薬があります。
肥料
気温が15以上なら与えます。ミズゴケの場合、洋ラン用の液体肥料を、指定のさらに5倍に薄めて与えます。
このように、病気や置き場所に気をつければ、そんなに難しそうではないですよね。せっかく立派な胡蝶ランを頂いたのでしたら、贈って下さった方の気持ちにも応えて、翌年も花を咲かせてみたいものです。
愛情かけて育てると、きっとまた素敵な花をつけてくれるでしょう。ぜひ挑戦してみてくださいね。
まとめ
胡蝶蘭の育て方のポイント
・ラッピングは外し、水は乾燥したらたっぷりと
・カーテン越しの明るく暖かい風通しのある場所に
・花がしおれてきたらカット
・1年に1回植え替えを
・病気は早く対応を
・害虫は増えないうちに
・暖かい時期には肥料を