ラベンダーの育て方で失敗しない5つのポイントとは


ラベンダーの育て方には特別なコツがありそうですよね。ハーブの女王と言われるラベンダーは夏に枯れてしまったという話もよく聞くように、日本の気候ではラベンダーの育て方が難しいと言われています。

ラベンダーは高温多湿にとても弱いのですが、最近は暑さに負けないラベンダーが出てきているので、立派なラベンダーを育てることも可能。主にラベンダーは苗から育てますが、ラベルにはたいてい「○○系」と書かれていて、これらはイギリス貴族の「○○家」のようなもので、それぞれが持つはっきりとした特徴。

スパイカ系、アングスティフォリア系は、濃い紫色の花に甘さと爽やかさを兼ねた香りが特徴で、ラベンダーの代表格ですが高温多湿に弱い「イングリッシュラベンダー」と呼ばれるグループでラベンダーの育て方は難しいと言われる原因はこのグループの性質によるものです。

ラバンディン系は香料をたくさん取るために生まれた交配種。カンファーという成分のせいでスーッとした香りが特徴で暑さに比較的強い品種が多く大株。ストエカス系は「フレンチラベンダー」とも呼ばれ、ウサギの耳のように突き出した形の花が印象的で、暖かいところを好み花が目立つので、公共スペースの植栽の中にもよく加えられています。

デンタータ系は葉の切れ込みがギザギザで、暑さにも強い品種が多く「フリンジラベンダー」とも呼ばれています。「レースラベンダー」の名前で流通しているプテロストエカス系は、寒さや暑さが苦手ですが葉がレースの網目のような美しいラベンダー。

ラベンダーの育て方は、品種を選ぶことでぐっと楽になりますが、毎年花を咲かせるためにはいくつか押さえておきたいことがあります。そこで今回はラベンダーの育て方で失敗しないポイントについてお伝えします。

色や香りの好みと育てやすさのバランス

富良野ラベンダーで有名な「オカムラサキ」、「ヒドコート」「レディ」などスパイカ系ラベンダーは北海道で改良された品種で寒い土地に向いています。ラベンダーの育て方で初心者向けなのが暑さに耐えるラバンディン系で、成長はゆっくりですが大株になります。

「グロッソ」「プロバンス」「アロマティコ」など、色も香りもイングリッシュラベンダーに負けない品種も多くあります。暖地で花を楽しみたいなら形のかわいいフレンチラベンダーが育て方も難しくなく、普通のラベンダーだけでは物足りないならフリンジやレースを選ぶのもおすすめ。

 

ラベンダーが好む環境とは

ラベンダーの育て方で最も重要なのが、風通し。日当たりの良い場所を選び地植えでは大きくなるためまわりに広いスペースを取って下さい。鉢植えの場合も3号苗なら5~6号(15㎝~18㎝)の鉢に一株で植えます。

エアコンの室外機の風が当たらない場所を選び、コンクリートの上に直に鉢を置くと根腐れやナメクジを呼ぶ原因になるので、すのこやレンガに乗せるなどして下さい。晴れた日を選んで植えることも、ラベンダーの育て方では大切な気配りです。

 

ラベンダーが好む土

ラベンダーの原産地である地中海沿岸の石灰質土壌に近付けるため、水はけを良くする腐葉土と堆肥を混ぜた土に苦土石灰を入れますが、多くしすぎず良く混ぜて下さい。市販のラベンダー専用土は理想的なブレンドになっています。

植え付け方る時は10㎝~20㎝盛り土をしてさらに表面をバークチップなどで覆うと、水はけが良く地温の上昇を防ぎ、泥はねした水で株元を腐らせることもなくなります。鉢植えは通気性の良い素焼き鉢に必ず鉢底石を敷き、植え付け方も苗を深く沈めないようにしましょう。

 

花が咲いたら早めに摘み取ろう

ラベンダーは平地では5月になるとそろそろ花が咲く頃。花は穂の下の方から咲き始めますが、半分程度咲いた頃までに切ると香りが逃げず花もこぼれにくくなります。花穂の大きいフレンチラベンダーなどは花がこぼれにくいので急ぐ必要はありませんが、茎を切ることで根元に風が入り、最大の敵である蒸れを防ぐことが可能。花を茶色くなるまで放っておかずに潔く切ることが、ラベンダーの育て方を失敗しないコツ。

 

花を摘み取った後の管理

ラベンダーの育て方で苦労するのが夏越し。春夏は生育が旺盛で新芽が伸びて2番目の花が咲くことも多いのですが、梅雨前に切り株を小さくすることで暑さを乗り切ります。株全体の1/3を残す気持ちで、刈り込みをしましょう。地表面に垂れている枝、株の内側に伸びた枝、黒ずんだ部分や傷んだ葉を落とします。

夏は表面が乾いてからたっぷり水をやりますが、中心部に水がかかって蒸れないように注意が必要。暖地では特に、日よけを立てるなどして直射日光を防ぎ、日中の暑い時間帯の水やりは避けます。

冬越しについてはマイナス10度に耐える性質なのでそれほど神経質にならなくても大丈夫。ただし、フレンチラベンダーとレースラベンダーは地植えなら風よけや根元を覆う工夫をし、鉢植えは夜室内に取り込むと安心して冬越し出来ますよ。

定植後2年目か、3年目ぐらいからは古くなった枝を残しておくと株が老化してきます。夏前は新芽を残す刈り込み、冬は強めに刈り込むと花を多く咲かせられます。また新芽の部分には虫が付きやすいので、糸のようなものがまとわりついていたり、アブラムシなどを見つけたら増えないうちに切り取りましょう。

 

このようにラベンダーの育て方は、ラベンダーの生まれ故郷に近い環境と土を作ってあげればそれほど難しくはありません。また、ラベンダーは交雑(こうざつ)と言って仲間同士の間で自然にかけ合わせが起きることも多いため日本の気候に順応したラベンダーも生まれています。

その例が、長崎県の大村城南高校で偶然見つかったラベンダーに改良を重ねてできた「長崎ラベンダー」です。秋にも咲く長崎ラベンダーはとても期待されているラベンダーですが、熱帯に近づいていると言われる日本の気候に合ったラベンダーがこれからも生まれてくるかもしれません。

ラベンダーのお世話をしていると手や服にも自然の香りがついて、爽やかなすがすがしい気分になれるものです。慣れてくれば挿し木でも増やせるラベンダーに是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ラベンダーの育て方に必要な気配りとは

・香り重視、丈夫さ重視、外見を楽しむ品種を選び分ける
・蒸れが大敵のため寄せ植えせず日当たりの良い場所に
・水はけの良い弱アルカリ性の土に植える
・花は穂の全てが咲き終わるまで放っておかずに茎を切り取る
・梅雨前に全体の1/3が残る程度に刈り込み暑さを乗り切る


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