プリザーブドフラワーを手作り☆プロが教える技伝授!


皆さんはプリザーブドフラワーをご存知でしょうか?プリザーブドフラワーとは、生花の中のもともとの水分を特殊な液に置き換えることで、長く楽しめるように加工された花のことです。

生花のみずみずしさや質感をそのまま保っているので、最近ではインテリアやフラワーギフト、またウエディングブーケなどにもよく取り入れられています。

実はこのプリザーブドフラワー、花材といくつかの用具、そして加工用の液さえあれば自宅でも手作りすることができるのです。もちろんきれいに仕上げるためのポイントはありますが、好きな花を自分で加工して様々なアレンジが出来たら、きっと作る楽しさ、アレンジする楽しさにワクワクするでしょう。

そこで今回は、初心者さんでも簡単にできるブリザーブドフラワーの加工方法をお伝えします。この機会にぜひ、手作りのプリザーブドフラワーにチャレンジしてみましょう。

 

プリザーブドフラワーを手作り☆
プロが教える技伝授!

 

加工用の液「プリザ液」について

まずは、プリザーブドフラワーを作る時に必ず必要になる「プリザ液」について説明します。通常の作業には「プリザ液A」と「プリザ液B」の2種類の加工液が必要です。

★ プリザ液A(脱水と脱色用)

・プリザ液Aは「脱水液」とも呼ばれます。

・生花をこの液の中に浸けると、花の中の水分と液が置き換えられ、その過程の中で脱色されます。液の主成分はアルコールですので、蓋をしないとどんどん揮発してしまいます

★ プリザ液B(着色と保存用)

・ プリザ液Bは「着色液」とも呼ばれ、様々な色があります。

【ブリザ液の使い方】

① プリザ液Aで脱色と脱水をします。

プリザ液Aを入れたタッパーに花を漬けると、脱色を始めます。だんだんと色が落ちてきます。萼の色まで落ちてきたら、脱色・脱水されている合図。

② ブリザ液Bに浸け込んで着色します。

ピンセットで花を壊さないように(とても繊細なので丁寧に。)同じくタッパーに入れたブリザ液Bに漬け込んで着色します。

液の主成分はアルコールとヒアルロン酸で、花材に保湿の要素をもたらします。そのため、プリザーブドフラワーは長期間に渡ってみずみずしさを保つことができるようになるのです。

③ プリザ液Bでの着色が完了したら、プリザ液Aでさっと洗浄し、乾かして完成となります。

このように、どちらか片方の液だけではプリザーブドフラワーは完成しないので、気をつけてくださいね。

もしもっと手軽にプリザーブドフラワー作りを試してみたいと思ったら、脱水と洗浄工程を省略でき、液に3日以上浸けておけば加工できる商品があります。

【より簡単に加工できるブリザ液】

★ 「らくらくプリザ液」
★ 液を容器に張って植物の茎を挿しておけば加工できる「リーフ液」

ブリザーブドフラワーには、このようなブリザ液を使ってみるのもおすすめです。ただし、加工できる花は限られます

 

加工しやすい花材で作ってみよう

プリザーブドフラワーの良いところは、様々な花だけではなくフルーツや野菜も加工できることなのですが、そこまでできる方は上級者です。ビギナーさんには花の構造や花弁がしっかりしていて加工しやすい花々から始めます。

【ブリザーブドフラワーの初心者さんにおすすめ

・バラ
・スプレーバラ
・アジサイ
・カーネーション
・カスミソウ
・スターチスなどをおススメします。

なお、加工しづらい花には以下のようなものがあります。

【ブリザーブドフラワー、初心者さんが加工しずらい花々】

・全体的に大きい花→ ユリ・ヒマワリなど
・花弁が薄い花→ スイートピー・アネモネ・ラナンキュラスなど
・花弁が散りやすい花→ キク・サクラ・ツバキなど

しかし、プリザーブドフラワー作りに慣れてくれば、チャレンジすることも夢ではありませんので、これらの花々を加工することを後々の目標にするのも良いかもしれませんよ!

なお、実際にブリザーブドフラワーに加工するときは、直前までしっかり「水揚げ」をした、新鮮な状態の花を使います。

【キレイに仕上げるために避けたい花々】

・盛りが過ぎてしまった花
・花弁に傷があるもの

このような花々は、きれいに仕上がらないことを覚えておいてくださいね。

 

作業しやすいように用具を揃えよう

プリザーブドフラワーを作る工程では、手早い作業が必要な箇所があります。その時に必要な用具がないと、加工の仕上がりに影響することがありますので、前もって作業しやすいように用具を揃えておきましょう。

○作業に必要な用具

★蓋つきの容器2個→

プリザA液・B液などで加工するときなどに用います。加工液は2種類とも揮発するので、必ず蓋のある容器を用意してください。小さな花材ならジャムの空き瓶などでもOKです。ただし、アクリル素材の容器は避けましょう

★ゴム手袋→加工液に手が触れないようにするため、必ず装着してください。

★ピンセット→加工液から花材を取り出すときや、洗浄の工程で必要です。

★トレイ→加工液から取り出した花材の「一時置き場」として使います。

★猫除けネット・水切りネットなど→花材を乾かす時、台として使います(使い方は後述)。

★キッチンペーパー→花材を乾かす時に溶液が垂れるので、台の下に敷きます。

 

作業工程とポイント

それでは、実際のブリザーブドフラワーの作業工程とポイントを説明します。ブリザ液の説明の項で簡単な扱い方を説明しましたが、細かくポイントも踏まえて説明していきますので、確認しながら一緒に作業を進めてみてくださいね。

【ブリザーブドフラワーの作り方】

① 茎の部分を2~3cm残して花首をカットする。

② プリザ液Aを容器に注いで、カットした花を浸けます。

★ポイント!

・浸けたらすぐにピンセットやゴム手袋をはめた手で茎をつまみます
軽く振って空気を抜きます。
・そしてすぐに蓋をします。

6時間ほどそのまま花を浸け置き、萼の色がすっかり抜けて白くなれば脱水・脱色の完了です。

③ 脱水・脱色が終わったら、別の容器に花全体が浸かるくらいのプリザ液Bを用意します。

★ポイント!

・プリザ液Aから「そっと」丁寧に花を引き上げます。
余分な液を切ってからプリザ液Bに沈め、蓋をします。
・半日ほどそのまま浸け置き、花全体に色が浸みたら完了です。

④ プリザ液Bから花を引き上げ、プリザ液Aに浸けて洗浄します。

★ポイント!

・長く浸けておくと色が抜けてしまいます。
・手早く液の中で振り動かし、余分なプリザ液Bを落とすようにします。

⑤ 台に載せて、2~3日から1週間ほど自然乾燥させて出来上がりです。

★ブリザーブドフラワー加工の、全体の制作工程のポイント

・洗浄の工程の際に、落としきれなかったプリザ液Bは綿棒で吸い取ると、きれいに取れます。

・乾燥させる際に花弁同士がくっついていたり、くせがついていたら指で少しづつ伸ばし形を整えます

・乾燥させる台は、トレイにキッチンペーパーを敷き、その上にカットした猫除けマットを載せたものをおススメします。

ブリザーブドフラワーにしたい花が小さければ、タッパーや紙コップなどに水切りネットをかぶせ、テープで留めた台でも十分です。

 

このようにブリザーブドフラワーへの加工作業は、文章にすると少し複雑に感じられるかもしれませんが、実際に手を動かしてみると、実はそんなに複雑な工程はないことに気づきます。

この、ブリザーブドフラワーの着色をする、プリザ液Bには様々な色があり、もとの花にはない色を新たに着色することもできます。慣れてくれば異なった色のプリザ液Bを混ぜてオリジナルの色を作ることもできますよ。

とは言え、なかなか出来上がりのブリザーブドフラワーの、色イメージが湧きにくいものですから、まずは作りやすい花を加工してみて、感覚をつかみましょう。

加工液はネットショップで簡単に入手できます。ショップによっては、ブリザーブドフラワー加工ビギナー用の、加工液のキットを扱っているところもありますから、まずはそういったものを利用しても良いかもしれません。

興味が湧いたら、ぜひ手作りプリザーブドフラワーにチャレンジしてくださいね。

まとめ

独学で充分にマスターできる!ブリザーブドフラワーの作り方

・まず、ブリザ液で脱水・脱色、着色をすることを覚えよう!
・初心者さんには、加工しやすい花々から始める
・素早い作業が不可欠な加工のため、事前に用具をバッチリ揃える
・ブリザーブドフラワーを美しく仕上げる、手順とポイント


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