蘭の育て方で失敗しない5つのポイントとは

蘭の育て方で失敗しない5つのポイントとは
胡蝶蘭やカトレアなどの蘭の仲間は年末年始のご挨拶やお祝いでいただくことが多い花のひとつですが、蘭の育て方を知らない人にとっては少し持て余してしまう花でもありますよね。

根の形状や蘭を植えている鉢や土も一般的な草花と異なるので、蘭を上手に育てたいのであれば蘭の育て方をきちんと知る必要があります。「せっかくいただいた蘭を枯らしてしまった」とか「最初に咲いていた花が終わって以来花が咲かない」といった声は少なくありません。

そもそもどうやってお世話をすれば良いのか困ってしまう人も多いために蘭を育てるのは難しいと言われます。しかし、育て方さえ覚えてしまえば、病害虫が比較的少なく、普段のお世話もあまり手のかからない蘭は管理のしやすい植物と言えます

綺麗に咲いた蘭を部屋に飾っていると部屋の雰囲気もよくなりますし、咲いた花は花もちが良いので切り花にもできますから、蘭の育て方の知識とコツを知って長く楽しんで下さい。そこで今回は蘭の育て方で失敗しない5つのポイントについてお伝えします



 

蘭の育て方で失敗しない

5つのポイントとは

 

自分が育てる蘭の種類を知ろう


蘭は野生種だけでも3万種ほど、園芸用に品種改良されたものを合わせると10万種を超えるとも言われています。これらの蘭は大まかではありますが産地、種類、根の張り方といった3つの方法で分類することができます。

蘭を育てるにあたって初心者であるなら、種類の多い蘭の育て方を網羅するよりも、自分が育てる蘭がどのような蘭なのかを知って自分の蘭に合った育て方を覚える方が簡明です。そこでまず、蘭の分類についてお伝えします。

まずは「洋ラン」「東洋ラン」といった産地での分類。胡蝶蘭やシンビジウムといった花色鮮やかで豪華なイメージの蘭は、ヨーロッパから日本に持ち込まれた蘭という意味合いで一括りに「洋ラン」と呼ばれています。

一方、見た目の華やかな洋ランに比べると繊細さや侘び寂びといった洋ランとは反対の魅力を感じるのが「東洋ラン」と呼ばれる中国や日本、台湾で自生している古典園芸植物とも言われる歴史のある蘭です

「洋ラン」「東洋ラン」と産地でまとめることはできても見た目や花の時期、育ち方などは様々なので、属や種でより細かく分類することができます。園芸店で売られている蘭の仲間は、洋ランなら胡蝶蘭、シンビジウム、デンファレの名でも親しまれているデンドロビウム、カトレアやオンジウムなど蘭を系統ごとに大まかに分けた属名です。

東洋ランは春蘭や寒蘭、富貴蘭、エビネやセッコクというように属より更に細かく分類された個々の種類の和名で扱われているのが大半です。そして蘭の育て方を間違えないために知っておきたい蘭の分類方法は根の張り方。蘭には2種類の根の張り方があります。

樹木や岩肌などに根を張って育つ蘭は「着生蘭」、土の深くに根を伸ばして育つ蘭は「地生蘭」というように分けることができます。着生蘭と地生蘭では生活環境が違いますから、育てる蘭にとって適切な育て方をするためには自分の蘭がどちらのタイプなのかを知っておかなければいけません。

着生蘭には胡蝶蘭やカトレア、デンドロビウム、オンジウム、富貴蘭やセッコクなどの種類が分類され、地生蘭にはシンビジウムや春蘭や寒蘭、エビネなどの種類が分類されています。

 

着生蘭と地生蘭で水・肥料の与え方が違う


蘭の育て方は品種ごとで細かな違いがあるものの、着生蘭と地生蘭といった分類で育て方を覚えておけば大きな失敗はありません。着生蘭は木や岩などに根を広げ、張り付くようにして生活します。

そのような独特な育ち方をするため、着生蘭の栽培に慣れた人の中には鉢で育てずにヘゴやコルクボードに着生させ、着生蘭の本来の姿に近い状態で育てることを楽しむ人もいます。着生蘭は常に水分や養分を得られる場所に育つわけではないので、生きるために必要な水分や養分は葉や茎に蓄えながら育ちます

一般的な草花のように毎日たっぷり水やりをすると、既に自身に水分の蓄えがある蘭は鉢の中の水分を吸い上げきれずにあっという間に根腐れを起こしてしまいますから、着生蘭の水やりは用土や水苔が中まで乾いたころに水やりをします。ちょっと心配になりますが、ぐっと我慢して下さい。

隙間から割り箸を差し込んで水が沁みている感覚があるようならもう数日置いてから水やりするぐらいがちょうど良いです。一方、地中に根を伸ばし、土の中の水分や養分を吸い上げて育つ地生蘭は鉢の中が完全に乾ききってしまう前に水やりをして、用土や水苔に常に湿り気がある状態を保つようにします

どちらの蘭も水不足には耐えられる力を持ちますが、夏場に限ってはこまめにチェックするようにして下さい。また、水やりの際は傷んだり腐ってしまう原因になるので葉に直接水がかからないように株から少し離した場所から水がはねないようゆっくり注ぎます。

葉に水がついた場合は拭き取り、株の根元に水が溜まった場合も吸い取ったりして水が残らないようにして下さい。蘭の育て方を知っても難しく感じるのがちょうど良い肥料の量はどの程度なのかということです。

肥料に関しても他の草花に比べて少なめが良いとされていて、水やり同様に着生蘭はごく少量、地生蘭は着生蘭に比べて多くても構いませんが、少なめ・薄めを心がけます。初心者であれば失敗しにくい蘭専用の肥料を選ぶのをおすすめします

専用のものには鉢の大きさ、土の量に対しての量が明記されていますので、用量や希釈量を守って与えていれば間違うことはないですし、不安であれば少し減らしたり薄めたりして与えても構いません

 

生育期と休眠期でのお世話の仕方の違い


蘭の育て方で覚えておきたいのが生育期と休眠期でもお世話の仕方が変わるということ。どの蘭にも生育期と休眠期があり、新芽を伸ばして株が成長する春から秋までが生育期、株の成長をストップさせて生育期のうちに蓄えた栄養で花を咲かせる冬が休眠期です。

新芽が出てきたら生育期の始まり、花芽が見えたら休眠期の始まりの目安と覚えても大丈夫です。蘭は生育期には株を大きくしなくてはいけない上に、綺麗な花を咲かせる為に蓄える栄養分も必要なので水やりや肥料が欠かせません

しかし、休眠期には根も休んでいてそれ以上株が大きくなることはないので、水やりを減らして肥料を与えるのもストップします。休眠期に肥料が過剰に残っていたり、新たに肥料を与えてしまうと、休んでいる根が養分を吸収できずに残った肥料が根を傷めてしまい、花にも悪影響を与えかねないので秋口頃に肥料断ちをします。

 

夏はできるだけ涼しく過ごせるように心がけよう


蘭の育て方を知らない人は年中室内でお世話をしているという人も多いのですが、蘭は日当たりが良い場所を好むため、耐寒性の低い蘭にとって苦手な冬以外は屋外で育てることをおすすめします

とはいえ蘭は直射日光に弱いものがほとんどで、日に当たると葉焼けを起こして生育に支障が出てくるので、日差しが強くなってくる5月以降は遮光率が50%の遮光ネットや寒冷紗で直射日光から守るようにします

ハダニや病気を避けるために風通しの良い場所に置くことを心がけ、地面からの熱を鉢に伝わりにくくするためにも地面に直置きせずにレンガを挟んだり台の上に置くようにします。

水やりは朝の涼しいうちに済ませ、鉢の周りに打ち水をして温度を下げておくことが厳しい夏を越すためのポイントです。遮光や置き場所、水やりの時間や打ち水など、どれもちょっとしたことですが蘭にとって辛い夏を乗り越えるためには欠かせないことなのでしっかり実践して下さい。

 

冷たい水、寒い場所は厳禁


基本的に寒さに弱い蘭は冬が来る前に室内に取り込みます。温室やヒーターなどがあれば安心ですが、ない場合には朝晩と日中の温度差が極端でない場所を選び、晴れた日中はできるだけ窓際に置いてレースカーテン越しに日光を当てたり、窓を開けて風を通すようにします

冬は水やりの頻度を更に減らす他、水やりに使う水にも気配りが必要です。水道から汲みたての冷たい水を与えると根腐れの原因になるので汲み置きして室温程度に温めた水を与えるようにして下さい。

暖房が効いている部屋に置く場合は乾燥に気をつけて、葉や茎にシワができてきたら霧吹きをして湿度を上げることで対処します。寒いのが苦手だからといってヒーターなど強い熱源の近くには置かないようにして下さい

朝晩の冷え込みが厳しい場合は鉢にタオルを巻いたり、ダンボールで囲うようにします。無事に越冬できた後、気温も十分に暖かくなった5月の半ば以降になって屋外に出すことができますが、その際は急に外に出さずに毎日数時間ずつ、数日かけて外の環境に慣らすようにすると蘭への負担を減らせます

 

いかがでしたでしょうか。蘭の育て方が難しいと言われていますが、夏は涼しく・冬は暖かくという風に少しの気配りをするだけで長く生きてくれる植物です。蘭の育て方で必要とされる気配りも、置き場所に気をつけたり水やりの仕方を工夫したりと植物を育てることが初めての人でもできるような決して難しくないことばかりです。

また、蘭の育て方に慣れていないうちは毎日の観察は異変に早く気づくために必要です。毎日少しの時間で良いので、花の状態、葉に以上はないか、根が傷んで鉢から虫が発生いないか様子を見てあげて下さい。蘭はとても奥の深い植物です

もし、もっと蘭のことが知りたくなったらそれぞれの分類や品種別での園芸書がたくさんありますから手にとってみて下さい。蘭のお世話は草花のお世話をしたことがある人ほど最初のうちは不安ばかりかもしれません。

ですが水やりや肥料、植替えなどのお世話を頻繁に行う必要がなく手のかからない植物と割り切ってしまえば思いの外上手く育ってくれる上、綺麗な花だって咲かせてくれます。蘭の育て方に慣れれば他の蘭も枯らさずに育てることができるはずですから、まずはひとつ蘭とコミュニケーションをとりながら育ててみて下さい。

まとめ

蘭の育て方で失敗しないためのポイントは

・自分が育てたい蘭の分類を知ること
・水やり・肥料は少なめに
・休眠期と生育期でお世話の仕方を変える
・水やりの時間や置き場所にも鉢に熱を持たせない努力をする
・冬は保温をしたり汲み置きの水で水やりする