サボテンには植え替えが必要なこと、そして失敗しないポイントを知っている人は案外少ないですよね。サボテンは植え替え同様、乾燥に強いため「放っておいても元気に育つ!」と言う、育てる手間のかからないイメージを持つ人が多いのです。
確かに、西部劇の舞台のような、乾燥した砂漠の荒野に生息するサボテンは、水やりの手間がなく、枯れにくくて育てやすい植物という印象があります。しかし、実際に育ててみると、サボテンの植え替えをする間もなく、「枯らしてしまった!」という経験をお持ちの方は少なくありません。
実は非常にデリケートな一面があるサボテンは、植え替えにも大きく左右されます。サボテンの植え替えで元気に育つポイントを知り、大切に管理したいですよね。
そこで今回は、サボテンの植え替え方法に注目しながら、サボテンの性質と特殊な育て方についてお伝えします。正しくサボテンの植え替えを行うことで、より元気で大きなサボテンに育ちます。
長くサボテンを育てるためのヒントにしてください。
サボテンの植え替えで大きく育てる☆
失敗しないポイント
なぜサボテンには植え替えが必要か?
年に1回サボテンの植え替えをすると、元気に大きく育ってくれます。「放っておいても大丈夫な印象なのに、毎年のようにサボテンの植え替えが必要なの?」と驚かれたかもしれません。
【 サボテンの植え替えが必要な理由 】
★ 実はサボテンは、根の成長が非常に早く、そのままにしているとすぐに鉢いっぱいに根を張ってしまうのです。
・ その結果、窮屈になって成長が止まってしまいます。
もちろんそのままでもしばらくの間は元気でいてくれますが、そのうち、根詰まりを起こしてだんだん元気がなくなり、最終的には枯れてしまいます。
よく「サボテンなのに枯らしてしまった」というようなことを耳にするのは、このように、長い間サボテンの植え替えをしなかったことで、それ以上成長できなくなってしまったことが、原因であることが多いです。
【 成長に合わせたサボテンの植え替え 】
★ 普段は放ったらかしのお手入れでも、サボテンの成長に合わせて正しく植え替えを行うことが、長くサボテンを楽しむポイントです。
サボテン植え替えのタイミング
サボテンの植え替えが必要不可欠だということは、お伝えしましたが、実は、このサボテンの植え替えを行う際にも、失敗しないために知っておかなければならないコツがあります。
【 サボテン植え替えのタイミング 】
★ それは、サボテンの植え替えは、年中いつでもできる訳ではない、ということです。
・ サボテンには生育期と休眠期があり、暖かい季節には生育期として成長し、それ以外の季節は休眠期として、成長をやめて休んでいます。
これは、サボテンが自生している地域が雨季と乾季にはっきりとわかれていることに由来しています。そして休眠期のサボテンは、水も栄養も必要としない代わりに、ダメージにはとても弱い状態です。
休眠期のサボテンは、強すぎる日差しや、過剰な水分や湿度も苦手。そのため、サボテンの植え替えを行う時期は、サボテンが元気な状態の生育期を選ばなければなりません。
【 サボテンの植え替え時期 】
★ 日本での生育期は、寒さがなくなって暖かくなってきた4~5月頃と、9月頃の秋口です!
・ このサボテンの植え替えに、最も適した時期の晴れた日が続くタイミングを選んで、行うようにしてください。
サボテンの植え替えは数日かけて
サボテンの植え替えを行うには、生育期の晴れた日が数日続くタイミングを選ぶ必要があるとお伝えしましたが、なぜ「数日」なのでしょうか。
実は、サボテンの植え替えは、1日で終わらせられる作業ではありません。
【 サボテン植え替えの工程① 】
★ 余分な水分をなくす。
・ まず、サボテンの植え替えの際、余分な水分がある事は腐ってしまう原因!植え替えを行う数日前から、水やりをやめなければなりません。
こうやって余分な水分を取り除くことで、鉢からも取り出しやすくなります。また、鉢から取り出した際に、根を整理する目的で、古い根を切り落とした場合にも注意が必要です。
【 サボテン植え替えの工程② 】
★ 古い根を切り落としたら、乾燥させる。
・ サボテンの植え替えでは、切り口から菌が繁殖して傷んでしまうことがあるのです。
そのため、新しい鉢に移す前に土に埋めずに、そのまま数日乾燥させなければなりません。
この乾燥の期間を含めて、植え替え作業を全て終えるまでは余分な水分や湿度は避けなければなりませんので、穏やかな晴天が数日続く時期に作業する必要があるのです。
サボテンの植え替え作業
サボテンの根は成長が早く、すぐに鉢いっぱいに根を張ってしまうことは、前述した通り。そのため、サボテンの植え替えの際には、傷んだり腐ったりした古い根や伸びすぎてしまった根は切り落とすようにします。
【 サボテンの根を切る 】
★ 長く伸びすぎた根は、5㎝程度に切ってあげます。
・ 根を切った際には、先程もお伝えしたように、切り口からの細菌の繁殖を防ぐために、必ず4~5日間日陰で乾燥させてください。
サボテンの植え替え後は、まだサボテンが落ち着いていないため、水やりはせずに、直射日光の当たらない場所で数日間放置します。
★ 水やりは、サボテンを植え替えてから、5~10日後の新芽が出てくる頃に行うのがベストです。
植え替え後、1ヶ月程度もすれば、根もしっかり張りますので、これで作業も完了です。
サボテンを植え替える鉢の選び方
【 サボテンを植え替える鉢 】
★ サボテンを植え替える鉢は、一回り大きい程度のものを選びます。
・ 何度も植え替えるのが面倒だからと、大きすぎる鉢を選んでしまうと、鉢の中に余分な水分が溜まってしまいます!
そうなると土が乾きにくくなるため、サボテンが腐る原因になるのです。
★ また、サボテンの植え替えの際には、通気性に優れた「サボテン専用の市販の土」を使用することもおすすめします!
普通の草花用の土を使ってしまうと、これもまた、根が腐ってしまう原因になることがあります。
いかがでしたでしょうか。育てやすい植物のイメージのあるサボテンですが、サボテンの特殊な性質を良く知った上で栽培しなければ、サボテンと言えども、枯らしてしまうことになりかねません。
他の植物とは違い、特にサボテンの植え替えには注意点が多く、特に余分な水分を避け、何日にもわたって乾燥させながら作業しなければなりませんので、面倒に感じる方も多いかもしれません。
しかし、ポイントを押さえて植え替え作業を行えば、失敗する可能性も低くなりますし、毎年サボテンの植え替えを行うことで、順調に確実に大きく育ってくれるのも魅力のひとつ。
そして、手間をかけて植え替えた分だけ、以前よりももっと愛着を感じるのが、サボテンです。本記事を参考に、サボテンの植え替え方をマスターして、是非、長く元気にサボテンを育ててください!
まとめ
サボテンを枯らさない植え替えポイント
・年に1回の植え替え作業が必要
・生育期の春か秋に、植え替えをする
・植え替え前には数日水やりを控える
・晴れた日が数日続く時に、植え替えを行う
・伸びすぎた根は植え替えの際に処理する
・処理した根は、数日乾燥させてから植え替えをする
・植え替え後の水やりは数日後から行う
・植え替えの際には「ひとまわりだけ」大きい鉢で行う