【シクラメンの育て方】初めてでも安心して栽培する方法

シクラメンはサクラソウ科シクラメン属に属する多年草です。

うまく育てると10年も咲き続けます。 地中海地方原産で、花期は秋から春。冬の花として有名です。和名現在では使われていませんが、「豚の饅頭(ブタノマンジュウ)」と「篝火草(カガリビバナ)」の二種類があります。

前者の「豚の饅頭」は植物学者大久保三郎がシクラメンの英名:sow bread(雌豚のパン=シクラメンの球根が豚の餌になることから命名)を日本語に翻訳した名です。後者の「篝火花」はシクラメンを見た九条武子が「これはかがり火の様な花ですね」と言ったのを聞いた植物学者牧野富太郎が名付けました。

花言葉は内気、はにかみ、遠慮、きずなです。赤は嫉妬。白には清純の意味もあります。【シクラメンの育て方】
初めてでも安心して栽培する方法をお知らせします。

シクラメンの分類を覚えましょう

昨今では黄色や紫の珍しい花色、花形では八重咲きや花弁にウェーブが入るロココ咲きなど、さらには香りをもつ品種まで、毎年次々と新品種が発表されています。八重咲き品種はタネがつきにくく、花もちがよいといった特徴があります。

株と花の大きさによって、大輪系、中輪系、小輪系(ミニシクラメン)、そして耐寒性があるガーデンシクラメンにタイプ分けされています。育て方には、葉を枯らして球根だけの状態で夏越しさせる「休眠法」と、葉を残して生育させながら夏越しさせる「非休眠法」の2つの方法があります。

6月ごろ、植物の状態を見て判断しますが、初心者には非休眠法のほうが簡単です。

 

花がらと葉摘み、葉組をしましょう

花がら摘みは花が枯れてきたら摘み取ることを言います。花茎の根元から摘み取り常に株をきれいにしておきましょう。花がらをそのままにしておくと新しい花が咲いてこないので、花がら摘みはこまめに行いましょう。茎をつまみ、ひねって取ります。

鋏は使いません。鋏で残した茎が根腐れを起こすためです。手でひねってつまみましょう。葉も黄色く枯れてきたら同様に株元から摘み取ります。葉組みは月に1回行いましょう。

中心の葉を外に引っ張っぱると、外側の葉に引っかかって株の中心部分にスペースができます。そうすると日光が株の中心まで当たり、小さなつぼみも生長し花が咲くようになります。

 

夏越しさせましょう

夏の暑さに弱く5月頃に葉が枯れて休眠状態になることが多いですが、寒冷地や涼しい場所に置いている株は休眠せずに夏を越します。夏越しの方法によって若干管理の方法が異なります。

初心者は休眠させないほうが楽です。半日陰の涼しい場所で夏越しさせます。水やりは通常通り行い、肥料は薄めの液体肥料を月に1回施します。

初夏に完全に葉が枯れて休眠に入った株は日光の当たらない風通しの場所で夏越しをさせます。休眠にはいったら9月に植え替えるまで一切水を与えません。

自生地では高温乾燥期で起こります、日本の夏は多湿なので球根が腐らないように気をつけます。

 

冬の開化株の温度管理を知っておきましょう

冬の適温は5~10℃と低温に耐えます。逆に気を付けたいのは高温です。暖房の入っている日中25℃、夜間15℃以上の部屋に置いていると花茎や葉がぐったり倒れてしまいます。

花を長持ちさせるためには夜間は5℃~10℃くらいが理想的です。また、花の咲く時期に日光不足になると、花色が悪くなり小さなつぼみが咲かずに枯れてしまうこともあります。できるだけよく日光に当てて育てましょう。

シクラメンの葉は日光の当たる方向に向く性質があるので一週間に1回くらいは鉢の向きを180℃回して鉢回ししてあげましょう。

 

水やりと肥料を覚えましょう

鉢植えで市販されているものの多くは底面吸水鉢に植えられています。受け皿に水がなくなったら水を足せばよいです。

底面吸水鉢でも1ヶ月に1回は底の受け皿をはずして鉢土の表面からたっぷりと水を与えましょう。葉や花に水がかかると傷むことがあるので、先の細いジョウロを使用し、葉を手でよけて水を与えます。土の中の老廃物や濃くなった肥料の成分を水といっしょに土の中から出すためです。

肥料は9月~翌5月まで隔月で底面吸水鉢の受け皿に液体肥料を薄めたものを入れます。1000~2000倍に薄めたものを入れましょう

 

用土にはパーライトを混ぜ込みましょう

用土は底面吸水鉢で育てるのなら細かく砕いて粉状にしたパーライトを少量混ぜるのがコツです。赤玉土6:腐葉土3:粉状にしたパーライト1の割合で混ぜましょう。

植え替えの適期は9月です。夏越しの方法によって植え替え方法も異なります。夏に休眠しなかった時は鉢から抜いた球根の土を軽く落として一回り大きな鉢に植え替えます。

夏に休眠した時は鉢から抜いた球根の古い土をすべて落として根を2~3cm残してばっさりと切り落として新しい土で植え替えます。どちらも球根の肩が地上部分に出るように植え付けます。

 

病気への対処も知っておきましょう

葉に白い糸が絡み付いていたらハダニを疑います。乾燥すると発生しやすいので水やりに気をつけます。薬剤を使って退治もしましょう。

ダニやその他の虫が植物の成長点(芽の先)で汁を吸うと奇形になります。早めに葉摘みしましょう。指で球根を押してみて凹んだら、それは腐っているか、中身を虫に食べられています。

ダンゴムシがついてしまいますので、ダンゴムシは駆除しましょう。葉が黄色くなって枯れた場合、病気や日照不足の可能性もあるが、単に葉の入れ替わる時期かもしれません、様子を見ましょう。

 

シクラメンは雨季と乾季のある地域の植物で、花は下を向いて咲き、花びらを上へと反り返らせます。これは雨に当たって花粉が流れていかないようにするためです。

咲いたシクラメンは見事なものです。花が枯れてきたら付け根から取り除き、暖房の効きすぎた部屋に入れないこと、夏越しの方法によって管理法が少し異なることに気を付けて冬の開化を楽しみましょう。

花を放置していると「種子」が取れて、撒けば株を増やすことが出来ます。種を洗って保存。9月に撒く。15度で発芽、発芽まで40日以上。3ヶ月掛かることがあるとか。これも覚えておきましょう。

まとめ

【シクラメンの育て方】初めてでも安心して栽培する方法

・シクラメンの分類を覚えましょう
・花がらと葉摘み、葉組をしましょう
・夏越しさせましょう
・冬の開化株の温度管理を知っておきましょう
・水やりと肥料を覚えましょう
・用土にはパーライトを混ぜ込みましょう
・病気への対処も知っておきましょう


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