ユリの花は鉢植えでも切り花でも美しく一輪あるだけでぱっと目を引く華やかさがありますよね。ユリの花は花粉は一度付いてしまうと取れなかったり、強すぎる香りが苦手だと敬遠する人もいます。
しかし花粉のないユリや、香りの少ないユリも開発され販売されるようになったので、花粉や香りの強さが理由でユリの花を避けていた人もユリの花を楽しむことができるようになりました。
これによりユリの花は今までより多くの人に育てられたり飾られるようになりましたが、元々ユリの花は花持ちが比較的良い植物なのでユリの花を長持ちさせる方法をあまり知らずにお世話をしている人も少なくはありません。少しお手入れに気を遣ってあげればユリの花の綺麗な姿をもっと長く楽しむことができます。そこで今回はユリの花を長く楽しむコツについてお伝えします。
ユリの花が咲いたら雄しべの先を落とそう
ユリの花の雄しべの先にある葯(ヤク)と呼ばれる花粉が吹く部分を、花びらや衣服につくと取れにくいという理由で切り落とす人は多いですが、実は花粉が吹く前に葯を落とすことがユリの花を長く楽しむための方法のひとつであることを知る人は以外と少ないです。
ユリの花は受粉ができたら子孫を残すために花を終わらせて種を作り始めますが、葯を落として受粉できなくすることにより子孫を残せないユリの花は花の寿命が来るまで萎れること無く咲いてくれます。この方法は鉢植えでも切り花でも有効な方法ですから、ユリの花を長く楽しみたいのであればユリの花が咲いたらまず葯を落として下さい。
適した置き場で育てる
ユリは基本的に秋の涼しい頃に植え付け日当たりの良い場所に置いて育てますが、土の温度が高くなると弱ってしまいますから、気温が上がり直茶日光が強くなるユリの花の開花期頃には風通しの良い半日陰に移動することで株を弱らせることなくユリの花を咲かせることが可能です。
コンクリートの上に鉢を直置きしていると鉢が熱を持ちやすくなるので、育てる場所が夏場高温になるような場所であるなら植え付ける前に鉢の下にレンガを挟んでおくと夏場に鉢の温度が上がるのを軽減できます。
また、ユリの花が咲く前に梅雨が来るため、外で育てている場合長雨に晒されて溜まった水や雨によって跳ね返った土から病気にかかってしまうことがあります。開花前に病気にかかってしまうと開花に影響を及ぼす場合があるので、梅雨に差し掛かる前にマルチングをしたり、鉢植えを軒下に移すなどの対策を施しておきましょう。
ユリの切り花を飾る時大切なこと
ユリの切り花を購入したら余分な葉を落としてからできるだけ温度が一定の涼しい場所に飾り、こまめに水換えを行い容器にぬるつきがあるようであれば綺麗に洗って水と容器を常に清潔な状態に保つことが大切。
また、どうしても栄養不足になってしまう切り花を長持ちさせるためには切り花延命剤も欠かせません。切り花延命剤の中には水換え不要と記載されているものもありますが、夏場は切り花延命剤を入れていても水が傷むのが早いので、こまめな確認と水換えが必要です。
夏場のユリの切り花には
ユリの花は年中手に入りますが本来は夏に花を咲かせるため、暑い夏でもよく咲いてくれます。しかし、夏場は気温が高く水や茎の切り口が傷みやすいので、暑い夏にユリの花を飾る場合は小さな氷を水の中に入れて水温が高くなるのを防ぐのも効果的。
茎の切り口がぬるついてきたり黒ずんでいる場合は、水中に茎を浸けた状態で茎の先を斜めに切り落とすことで水揚げも良くなりますから水を交換する際に茎の先が傷んでいたら消毒された切れ味の良いハサミで1〜2cm切り詰めて下さい。
切り花でもユリの花の蕾を咲かせたい時は
ユリの切り花を購入した時に蕾が付いていても、咲かないまま萎れてしまったという声をよく耳にしますが、切り花にされたユリの花の蕾が咲かない理由には蕾が若すぎてまだ開花できる時期になっていないことや、花を咲かせるだけの栄養が足りていないこと、気温が低すぎることなどが挙げられます。
膨らんで柔らかくなっていたり開きかけの開花を見込める蕾であれば暖かい窓辺に置いてみたり、開花促進剤を加える、茎を短く切り詰めることで開花を促すことができますよ。
さて、ユリの花は一輪についている花数が少ない上に蕾が開花するのも時間がかかるので、咲いている花をできるだけ長持ちさせたいところ。今回お伝えしたユリの花を長持ちさせるコツでユリの美しい姿を長く楽しむことができますから、ユリの花が咲いたら実践して花の寿命まで綺麗な花を満喫しましょう。
切り花延命剤は花屋さんで簡単に手に入り、ユリ以外の花にも効果があるので、切り花を飾る機会が多いのであれば手に入れておくと役に立ちます。咲かせるのが難しいと言われるユリの蕾も膨らんでいるものであれば、少しの工夫で咲かせることができますから、蕾が多い切り花を手に入れた時も咲いている花が終わっただけで破棄せず、ユリの蕾の咲かせ方を試してみて下さい。
まとめ
ユリの花を長く楽しむために欠かせないこととは
・雄しべの先の葯を落として受粉を防ぐ
・外で育てている場合は長期の雨と、夏の暑さ対策を忘れずに
・切り花の場合はこまめな水換えと切り花延命剤を欠かさずに
・夏場に切り花を飾る時は水に氷を入れると効果的
・蕾が咲かない時は茎を短く切り詰めて暖かい場所へ